著者
細田 多穂 菊地 延子 若山 佐一
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.13, no.6, pp.415-420, 1986-10-10 (Released:2018-10-25)

国立大学病院に勤務する理学療法士の身分の実態をアンケート調査し,下記のような結果が得られた。1) 国立大学病院の理学療法士の総数は126人(マッサージ師,他を含むと150名),1施設での平均2.4人,平均年令は33.7人(21〜59才),SD = 9.8才である。2) 臨床実習施設として,最近,2年間では約80%(1〜3年)で学生を受け入れている。3) 理学療法士が格付けされている職務表では,*5等級〜3等級迄の範囲でのみ運用されている。従って,経験年数が長くなると三等級で頭打ちのまま,昇給がストップされる。今回は対象者が9人みられた。4) 理学療法士の管理関係では,主任以上の肩書が認められているのは16大学(約4割)であり,辞令のタイプは部内,院長,学長などである。5) 新設医科大学での定員ポスト増は16大学中,10大学で,理学療法士のポストは9人である。*注 : 昭和60年8月に人事院勧告が出され,国会承認後は医療職俸給表(Ⅱ)の職務表は従来の6等級〜特1等級のランクから,1級〜8級への切替えがなされた。これで旧俸給表の5〜6等級は1級に4等級は2級に,3等級は3級と4級に,2等級は5級に変り,理学療法士の3等級頭打ちは事実上これで解消されたがその反面で最高位が5級どまりに据えおかれている。
著者
西原 賢 久保田 章仁 井上 和久 田口 孝行 丸岡 弘 植松 光俊 藤縄 理 原 和彦 中山 彰一 溝呂木 忠 江原 晧吉 細田 多穂 山口 明 熊井 初穂 二見 俊郎
出版者
埼玉県立大学
雑誌
埼玉県立大学紀要 (ISSN:13458582)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.39-45, 2001

筋線維伝導速度(MFCV)をなるべく多くの筋線維から詳細に調べる目的で、計算機プログラムによる筋電図のパルス検出と平均法を開発した。この報告では、パルス検出の原理について説明をし、実際に健常成人男女2人の左等尺性肘屈曲運動時の上腕二頭筋表面電極筋電図を双極アレイ電極で記録し、アナログデジタル変換後計算機に取り込んだデータからMFCVを算出した。その結果、MFCVは先行研究で報告された範囲内に分布し、神経終板付近や腱付近からのMFCVは筋の中心部からのMFCVより早かった。取込開始から時間の経過と共にMFCVの一定の減少が見られた。算出した平均パルス波形は、雑音による平均波形とは明らかに異なる特徴を持っていた。これらのことから、このパルス検出と平均法は今後臨床で有効に活用できる可能性があることが考えられる。
著者
細田 多穂
出版者
社団法人 埼玉県理学療法士会
雑誌
埼玉理学療法 (ISSN:09199241)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.2-16, 2003 (Released:2003-06-24)
被引用文献数
2

理学療法士は平成14年現在で33,415名となり、今後も養成施設の急増に伴い、増加の一途をたどることが予測される。2000年4月からは公的介護保険が導入され、理学療法士が他職種の中でいかなる役割を果たしていくべきかが問われるなど、今後、保健・医療・福祉の分野で多くの仕事が山積している。本論文では、20世紀を振り返り、21世紀に求められる理学療法士のあり方について私見を踏まえ記載した。