著者
山岸 恵理子 榎本 隆 廣瀬 圭子 田口 孝行
出版者
公益社団法人 埼玉県理学療法士会
雑誌
理学療法 - 臨床・研究・教育 (ISSN:1880893X)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.22-26, 2010 (Released:2010-03-12)
参考文献数
16

本研究ではトレーニング方法の相違による体幹伸展筋群の筋活動を比較し,体幹伸展筋群のトレーニング方法における筋活動量の段階付けを行うことを目的とした。被験者には①腹臥位で最大筋力発揮,②腹臥位で対角上下肢挙上,③徒手筋力検査(MMT)5,④四つ這いで対角上下肢挙上,⑤MMT3,⑥逆ブリッジ,⑦ブリッジ,⑧座位で重錘挙上,⑨座位で上肢挙上・頭部伸展を行わせ,その肢位を3秒間保持させた。その際,胸部傍脊柱筋(T9),腰部傍脊柱筋(L3)から表面筋電図(EMG)を導出し,積分筋電図(IEMG)を求めた。その後①のIEMGを基準とし②~⑨の最大随意収縮に対する割合(%MVC)を求め,T9・L3における②~⑨の筋活動量を比較,分類した。その結果,T9ではA②・③・④,B⑤・⑥,C⑦・⑧・⑨に,L3ではD②・③・⑤・⑥・⑦,E④,F⑧・⑨に分類することができた。T9ではA,Bは最大筋力の増強,Cは筋持久力増強に適していることが推測された。L3ではDは最大筋力の増強,Eは筋持久力増強,Fは筋力増強効果が期待できないことが推測された。
著者
會田 萌美 武井 圭一 奥村 桃子 平澤 耕史 田口 孝行 山本 満
出版者
公益社団法人 埼玉県理学療法士会
雑誌
理学療法 - 臨床・研究・教育 (ISSN:1880893X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.25-28, 2016 (Released:2016-03-17)
参考文献数
7

【目的】本研究では,片脚立位における非支持脚拳上方向の股関節角度の相違に着目し,支持脚筋活動に与える影響を明らかにすることを目的とした。【方法】男子大学生13名を対象に,片脚立位姿勢(非支持脚股関節中間位,外転20度・45度,屈曲30度・90度)を保持させ,支持脚の大殿筋,中殿筋,大腿筋膜張筋,腓腹筋内側頭の筋活動を測定した。4筋における股関節中間位と外転位,股関節中間位と屈曲位の肢位間の筋活動を比較した。【結果】非支持脚を外転方向へ挙上した片脚立位では,角度の増大に伴い中殿筋に有意な筋活動の増加を認めた。外転45度・屈曲90度の片脚立位では,股関節中間位の片脚立位に比べ,中殿筋・大殿筋の有意な筋活動の増加を認めた。【結論】Closed Kinetic Chainでの筋力トレーニングとしての片脚立位は,股関節外転により支持脚中殿筋の筋活動を鋭敏に増加させ,外転45度・屈曲90度では股関節周囲筋の筋活動を増加させる特徴があると考えられた。
著者
西原 賢 久保田 章仁 井上 和久 田口 孝行 丸岡 弘 植松 光俊 藤縄 理 原 和彦 中山 彰一 溝呂木 忠 江原 晧吉 細田 多穂 山口 明 熊井 初穂 二見 俊郎
出版者
埼玉県立大学
雑誌
埼玉県立大学紀要 (ISSN:13458582)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.39-45, 2001

筋線維伝導速度(MFCV)をなるべく多くの筋線維から詳細に調べる目的で、計算機プログラムによる筋電図のパルス検出と平均法を開発した。この報告では、パルス検出の原理について説明をし、実際に健常成人男女2人の左等尺性肘屈曲運動時の上腕二頭筋表面電極筋電図を双極アレイ電極で記録し、アナログデジタル変換後計算機に取り込んだデータからMFCVを算出した。その結果、MFCVは先行研究で報告された範囲内に分布し、神経終板付近や腱付近からのMFCVは筋の中心部からのMFCVより早かった。取込開始から時間の経過と共にMFCVの一定の減少が見られた。算出した平均パルス波形は、雑音による平均波形とは明らかに異なる特徴を持っていた。これらのことから、このパルス検出と平均法は今後臨床で有効に活用できる可能性があることが考えられる。
著者
西原 賢 久保田 章仁 丸岡 弘 原 和彦 藤縄 理 高柳 清美 磯崎 弘司 河合 恒 須永 康代 荒木 智子 鈴木 陽介 森山 英樹 細田 昌孝 井上 和久 田口 孝行
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.A0675, 2007

【目的】運動時の活動電位を観測する研究は多いが活動電位の伝導方向や神経筋の部位まで調べる試みは少ない。現在、画像診断で筋構造を大まかに観測することは可能であるが、神経または筋の神経支配領域までを調べるには不十分である。これらが調べられることによって、運動に関る神経・筋の機能的評価が可能となり、臨床上大変有用となる。さらに、神経の走行部位を予測して、筋肉注射時に神経損傷を予防する場合にも役立つ。そこで、これまでわれわれが開発した筋電図処理技術を応用して、神経や筋の組織解剖学的研究と照し合せながら本研究の検証を行う。<BR>【方法】19-22歳の健常人男性12人を対象にした。被験者は右手首に1kgの重垂バンドを装着し、肩屈曲30°肘屈曲90°で上腕二頭筋収縮、肩外転45°で三角筋収縮を1分間持続させた。上腕二頭筋では、被験者の内側上腕二頭筋の中心に双極アレイ電極を筋の方向に沿って取り付けた。三角筋では、肩峰から腋窩横線までの距離から下3/8の地点を中心に筋の方向に沿って取り付けた。各筋から4チャネルの生体アンプで検出した筋電図を計算機に保存した。筋電図原波形のうちの5秒区間を、本研究のために開発した計算機プログラムを用いて、設定閾値以上のパルスのピークを検出して加算平均した波形を算出した。チャネルによる加算平均パルスの向きの逆転(+側か-側か)や遅延時間の方向から(パルスが順行性か逆行性か)、電極装着部位を基準にした神経支配領域の位置を推定した。<BR>【結果】上腕二頭筋において、12被験者のうち8人で、加算平均パルスの向きの逆転があった。4人はパルスの向きの逆転は観測されなかったが、遅延時間が順行性に変化した。三角筋において、12被験者のうち、加算平均パルスの向きの逆転があったのは2人だけであった。残りのうち2人は遅延時間が順行性に、3人は逆行性に変化し、4人は解析困難であった。<BR>【考察】(1)上腕二頭筋の神経支配領域の推定:加算平均パルスの向きが逆転されたチャネル付近に神経支配領域が存在する。結果により、12被験者のうち8人の神経支配領域の位置が特定された。残り4人は電極装着部の近位に神経支配領域あることが考えられる。(2)三角筋の神経支配領域の推定:12被験者のうち2人だけが神経支配領域の位置の推定ができた。残りのうち2人は電極装着部の近位に、3人は遠位に神経支配領域があると考えられる。(3)上腕二頭筋と三角筋の比較:三角筋は上腕二頭筋と比較して神経支配領域の位置の特定が困難であった。上腕二頭筋は紡錘状筋で、筋線維は筋の方向に沿って均一に走行している。それに比べて三角筋は羽状筋に近く、筋線維は筋の方向に対して斜めで不規則に走行している。三角筋の場合はさらなる調査が必要であるが、かなり詳細な筋構造が皮膚表面で調べられることが明かになった。
著者
會田 萌美 武井 圭一 奥村 桃子 平澤 耕史 田口 孝行 山本 満
出版者
公益社団法人 埼玉県理学療法士会
雑誌
理学療法 - 臨床・研究・教育 (ISSN:1880893X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.25-28, 2016

【目的】本研究では,片脚立位における非支持脚拳上方向の股関節角度の相違に着目し,支持脚筋活動に与える影響を明らかにすることを目的とした。【方法】男子大学生13名を対象に,片脚立位姿勢(非支持脚股関節中間位,外転20度・45度,屈曲30度・90度)を保持させ,支持脚の大殿筋,中殿筋,大腿筋膜張筋,腓腹筋内側頭の筋活動を測定した。4筋における股関節中間位と外転位,股関節中間位と屈曲位の肢位間の筋活動を比較した。【結果】非支持脚を外転方向へ挙上した片脚立位では,角度の増大に伴い中殿筋に有意な筋活動の増加を認めた。外転45度・屈曲90度の片脚立位では,股関節中間位の片脚立位に比べ,中殿筋・大殿筋の有意な筋活動の増加を認めた。【結論】Closed Kinetic Chainでの筋力トレーニングとしての片脚立位は,股関節外転により支持脚中殿筋の筋活動を鋭敏に増加させ,外転45度・屈曲90度では股関節周囲筋の筋活動を増加させる特徴があると考えられた。<br>
著者
塩澤 和人 廣瀬 圭子 田口 孝行 原 和彦
出版者
公益社団法人 埼玉県理学療法士会
雑誌
理学療法 - 臨床・研究・教育 (ISSN:1880893X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.21-26, 2014 (Released:2014-02-05)
参考文献数
10

【目的】本研究では,退院後生活空間に影響を及ぼす要因を退院直前の歩行能力,ADL能力,家屋整備状況,介護サービス整備状況,ADLおよび外出自己効力感の観点から明らかにすることを目的とした。【方法】分析対象は,回復期リハビリテーション病棟から自宅退院した患者のうち,HDS-Rが19点以上であり,移動手段が屋内歩行自立の者43名とした。退院直前に最大5 m歩行時間(直線歩行能力),TUG(応用的歩行能力),FIMの各運動項目得点(ADL能力),家屋整備状況,介護サービス整備状況,ADL自己効力感得点,退院1か月後にLife-Space Assessment(LSA),外出自己効力感得点を評価した。【結果】高活動群と低活動群間の最大5 m歩行時間,TUG,FIM移動得点,ADLおよび外出自己効力感得点に有意差を認めた。LSAを従属変数,LSAと相関がある項目を独立変数として回帰分析を行った結果,TUG,FIM移動得点,ADLおよび外出自己効力感得点でいずれも有意な標準偏回帰係数が得られた。【結論】退院後生活空間に影響を及ぼす要因は,応用的歩行能力,ADL移動能力,ADLおよび外出自己効力感であることが示された。
著者
木下 里美 大塚 眞理子 朝日 雅也 小田 心火 水野 智子 井上 和久 田口 孝行 加藤 朋子 井口 佳晴 鈴木 玲子 小川 恵子
出版者
埼玉県立大学
雑誌
埼玉県立大学紀要 (ISSN:13458582)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.35-42, 2002

Relationship between the effect of field practicum in freshman year and the category of practicum facilities was analyzed based on the results questionnaire survey of the freshmen who had participated in the field practicum during a period from 2000 to 2002. The facilities where the practicum was performed were categorized to be "hospitals", "health and welfare facilities for the elderly "and "welfare facilities for adults and children with disabilities". Answers to the questionnaires concerning "communication with colleague students in the same group", "learning opportunities in the field" and "the report session in the university after the practicum" were analyzed. Many students responded affirmatively to these questionnaires and the effects of field practicum could be recognized. On the other hand, the following was also suggested as the further tasks to be solved for improving the practicum: 1. Opportunity to communicate with students from other departments are limited during the practicum term, and continuous efforts for realizing further communications after the practicum are required. 2. Learning opportunities and the achievement of learning objectives differed in some learning items due to the feature of facilities, and compensative efforts should be discussed in the report session after the practicum.