著者
深澤 百合子 細谷 葵 中村 大 クレイグ オリバー
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究の成果は、擦文人が擦文土器を使用してサケやヒラメをはじめキュウリウオなどの小型魚類やとオオムギ、キビなどの栽培された雑穀類を主食素材として調理を、調理においては吹きこぼれが多く生じていたことが証明できた。このような雑炊、汁物メニューは食材、調理方法において後続するアイヌ文化に継承されたと言える。このことから物質文化の変化がみられる土器から鍋への調理用具の変化やカマドから炉への調理施設の変化が起因する要因を研究する必要がある。調理実験の有効性が確認できたことも成果と言えるため土器に付着した吹きこぼれ痕は鍋に痕跡が観察されるのか、具材と穀類の調理割合が異なるのかなど今後の研究課題となる。
著者
佐藤 洋一郎 伊藤 敏雄 加藤 鎌司 河原 太八 藤岡 利生 万年 英之 鞍田 崇 西田 英隆 細谷 葵
出版者
総合地球環境学研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

「人類世」という新しい地質年代を提唱されているが、これは産業革命以降の急速なエネルギー消費により、人間活動が地球環境に大きな影響を及ぼすようになったことを、地質学的にも記述すべきとの判断による。しかし、環境の歴史を丁寧に調査すると、人間活動の影響は産業革命のはるか前から、われわれの想像を超えてはるかに大きかったことがわかってきた。
著者
細谷 葵 佐藤 洋一郎 槙林 啓介 田中 克典 石川 隆二 趙 志軍 楊 春 DORIAN Qfuller MICHELE Wollstonecroft
出版者
総合地球環境学研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

昨今再考がうながされている、中国におけるイネの栽培化とそれに基づく農耕社会の形成過程について、考古学(植物遺存体・人工遺物)と遺伝学の共同研究による解明をめざした。イネ栽培化期における野生植物利用の実態解明、農耕具・加工具の体系化、栽培イネの伝播経路について新しい見解を得ることができ、複数の英語・日本語論文や国際学会で発表した。また、国際シンポジウム2件(1件は共催)を開催し、国際的な研究者の意見・情報交換の場を提供するとともに、その成果の出版も行った。