著者
臼杵 勲 佐川 正敏 松下 憲一
出版者
札幌学院大学総合研究所 = Research Institute of Sapporo Gakuin University
雑誌
札幌学院大学人文学会紀要 = Journal of the Society of Humanities
巻号頁・発行日
no.102, pp.31-51, 2017-10-30

遊牧国家を建設した匈奴の領域では,遊牧生活的ではない定住的な城郭や集落が形成された。本稿では,匈奴国家の実態を探ることを目的に,それらの構成要素である建造物を取り上げ,その内容を示し,それらが匈奴国家に導入された系譜を明らかにすることを目的とした。 匈奴の建造物は,平地式と竪穴式の二種に区分された。平地式については瓦の使用などから漢代中国建築の影響が強いが,一部に西方の中央アジアの影響がうかがえることを指摘した。また竪穴式については,中心部ではなく中国の北辺からの影響を想定した。また,中国からの技術導入,中央アジアとの関連については,歴史史料にも,関連する記述があることを確認した。また,このような技術導入は,匈奴国家が,国家経営上,組織的意図的に実施した可能性が高いことを指摘した。論文Article
著者
臼杵 勲 山越 康裕 鶴丸 俊明 D.ツェヴェンドルジ 董新林 佐川 正敏 千田 嘉博
出版者
札幌学院大学総合研究所
巻号頁・発行日
2010-03-31

開催:札幌学院大学総合研究所・モンゴル科学アカデミー考古学研究所 研究協定締結記念 国際シンポジウム 開催日:2009-12-23 開催場所:札幌学院大学G館 SGUホール
著者
青野 友哉 西本 豊弘 伊達 元成 渋谷 綾子 上條 信彦 大島 直行 小杉 康 臼杵 勲 坂本 稔 新美 倫子 添田 雄二 百々 幸雄 藤原 秀樹 福田 裕二 角田 隆志 菅野 修広 中村 賢太郎 森 将志 吉田 力 松田 宏介 高橋 毅 大矢 茂之 三谷 智広 渡邉 つづり 宮地 鼓 茅野 嘉雄 永谷 幸人
出版者
伊達市噴火湾文化研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

北海道南部の噴火湾沿岸は日本有数の貝塚密集地帯であり、1950年代から貝塚研究の中心地の一つであった。この60年以上にわたり蓄積された調査成果と、現代的な視点で行った近年の発掘調査による新たな分析は、当該地域の環境変遷と人類活動の実態の復元を可能にした。本研究では、噴火湾沿岸の遺跡データの集成と、伊達市若生貝塚及び室蘭市絵鞆貝塚の小発掘により得た貝層サンプルの分析の成果として、時期ごとの動物種の構成比を明示した。これは縄文海進・海退期を含む気候の変動期における当該地域の環境変遷の詳細なモデルである。
著者
熊木 俊朗 大貫 静夫 高橋 健 佐藤 宏之 福田 正宏 臼杵 勲 國木田 大 高橋 健
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、古代から中世における日本列島の北方地域の社会変動について、特に中世アイヌ文化の形成過程に関する問題を中心に考古学的な検討をおこなった。具体的には、北海道東部地域を主な対象としてオホーツク文化の考古資料分析と擦文文化集落の発掘調査を行うことによって、この地域におけるオホーツク文化の終末とその後の擦文文化の展開・終末の過程を解明し、中世アイヌ文化が成立するまでの社会変化の実態を復元した。