著者
福山 裕輝 舩曵 信生 中西 透 天野 憲樹
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.21, pp.1-8, 2010-02-27
被引用文献数
3

本グループでは,これまで Java プログラミング教育における学生の学習支援,教員の負担軽減を目的として,テスト駆動型開発手法による,その支援システムを提案している.本システムでは,教員は,まず課題に対する模範解答コードとテストコードを登録する.次に学生は,テストコードを仕様書として解答コードを作成・提出する.その上でシステムがその自動検証を行う.本稿では,学生のソフトウェアテストに関する知識を深め,正しいコード仕様作成のための教育支援を目的として,学生によるテストコードの作成・提出を可能とするシステムの拡張を行う.併せて,本システムの実用性を高めるため,複数の講義科目での利用,セキュアなプログラムテスト環境の構築も行う.後者は,学生の不完全なコードが及ぼすシステムへの悪影響の抑制を狙いとしている.学生 25 名による評価実験により,本システムの有効性を示す.Based on the test-driven development (TDD) method, we have developed a Web-based Java programming education support system to help learning activities of Java programming by students and to reduce loads by teachers. Using a software tool for the TDD method called JUnit, this system can verify the source codes made by students automatically after the teacher register the correct source code and the test code for the assignment. However, this system has three drawbacks. The first drawback is that it can be used at only one class. The second one is that it may not work properly if students submit codes containing errors and incorrect procedures. The third one is that it does not allow students to make test codes, although the programming of test codes can help the understanding of software tests and software designs. In this study, we expand this Java programming education support system so that it can solve the three drawbacks. Particularly, for the last expansion, it asks teachers to register the code specification in the assignment in addition to the correct code and the test code. Through experiments to 25 students, we verify the effectiveness of our proposal.
著者
松島 由紀子 舩曵 信生 中西 透
雑誌
研究報告バイオ情報学(BIO)
巻号頁・発行日
vol.2009-BIO-19, no.13, pp.1-6, 2009-12-10

本論文では,忙しいライフスタイルの人が,効率よく食事を作ることを目的として,多種料理の調理順最適化アルゴリズムを提案する.まず,材料の加工,加熱,鍋の洗浄からなるキッチンモデルを定義する.その上で,各料理の調理順探索問題を組合せ最適化問題として定式化し,シミュレーティッド・アニーリングを用いたアルゴリズムを提案する.Java 言語を用いて本アルゴリズムを実装し,例題として 6 種類の料理を与えて評価を行った結果,実際の調理結果とは約 15 分の誤差が生じたが,多種料理の調理順最適化に有効であることが明らかとなった.
著者
上村 香菜子 舩曵 信生 中西 透 ファラグ ターメル
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.261, pp.57-62, 2007-10-11
参考文献数
14
被引用文献数
5

本研究グループでは,無線による広域でのインターネットアクセスを実現する,スケーラブルな無線メッシュネットワークWIMNET(Wireless Internet-access Mesh NETwork)の研究を進めている.WIMNETは,互いに無線通信を行う複数のアクセスポイント(AP)で構成され,その1つ以上がインターネットアクセス用ゲートウェイ(GW-AP:GateWay Access Point)となる.各ホストは近傍のAPにアクセス後,AP間のマルチホップ通信によるGW-AP経由でインターネットに接続する.そのため,WIMNETでは,GW-AP付近の通信リンクでの伝送遅延,および,各APからGW-APまでの伝搬遅延の増大が性能低下の要因となっている.本論文では,その改善のために,最大通信遅延の最小化を目的としたAP間経路木生成問題の定式化とアルゴリズムの提案を行う.WIMNETシミュレータを用いたシミュレーションにより,その有効性を示す.
著者
川島 潤 舩曵 信生 中西 透 竹内 順一 石崎 雅幸 ソウザ・アンドレ・カウダス
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.8, pp.2384-2395, 2006-08-15
参考文献数
16
被引用文献数
1

メモリカードに代表される可搬性メモリは,屋外に持ち出されることの多い着脱可能な小型記録メディアである.そのためメモリカードなどでは,その盗難や紛失時にカードデータ全体が漏洩してしまうことから,カード内ファイルデータの暗号化だけでなく,ファイル管理情報の暗号化を行うことで安全性を高める必要がある.そこで本論文では,Linux をベースに,OS・アプリケーションの変更が不要,メタデータの暗号化が可能,アクセス可能なアプリケーションを指定可能,といった特徴を有するセキュアファイルシステムSAS(Storage Add-on Security)を提案する.本論文では,SASの設計・実装の詳細説明を行ったうえで,ベンチマークソフトによる性能評価結果を報告する.A memorycard has weakness in assuring the safety of its stored data when it is stolen or missing. Therefore, a secure filesystem that can encrypt the stored data is essential in preventingthe risk from illegal users. Besides, the encryption of the metadata is desirable in this vulnerable memorycard to further strengthen the safety. In this paper, we present a design and an implementation of a secure filesystem named SAS (Storage Add-on Security) for a memorycard on Linux. SAS encrypts the metadata as well as the data, and can choose a securityoption to file by file, while the application programs accessible to SAS can be specified by system managers. SAS requires no change of the operating system when it is installed into PDA. The performance of SAS is investigated through a benchmark software.
著者
松島 由紀子 舩曵 信生 中西 透
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS)
巻号頁・発行日
vol.2009-MPS-76, no.13, pp.1-6, 2009-12-10

本論文では,忙しいライフスタイルの人が,効率よく食事を作ることを目的として,多種料理の調理順最適化アルゴリズムを提案する.まず,材料の加工,加熱,鍋の洗浄からなるキッチンモデルを定義する.その上で,各料理の調理順探索問題を組合せ最適化問題として定式化し,シミュレーティッド・アニーリングを用いたアルゴリズムを提案する.Java 言語を用いて本アルゴリズムを実装し,例題として 6 種類の料理を与えて評価を行った結果,実際の調理結果とは約 15 分の誤差が生じたが,多種料理の調理順最適化に有効であることが明らかとなった.
著者
松島 由紀子 舩曵 信生 中西 透
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.301, pp.19-24, 2010-11-12
被引用文献数
4

本グループでは,社会人,学生,子育て家庭など,忙しい人の手料理支援を目的として,主調理者とその補佐役の副調理者による調理作業をシミュレーションすることで調理時間を算出する調理モデルと,それを用いた調理手順スケジューリングアルゴリズムを提案している.本論文では,調理時間精度の改善と利便性向上のために,これまで考慮していなかった,「電子レンジによる加熱」,「食材の混ぜ合わせ」の2つの調理手順に対する拡張を行う.また,拡張後のモデルを用いて,副調理者の実行可能手順の増加による調理時間の短縮効果を調査する.6種類の料理を用いた評価実験で,拡張後のモデルと実際の調理結果での時間差が約2分となり,調理時間精度の改善が確認された.また,様々な料理数での調理モデル計算により,副調理者の実行可能手順の増加と共に調理時間が短縮されることが示された.
著者
高木 省吾 渡邊 寛 福士 将 天野 憲樹 舩曵 信生 中西 透
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.29, pp.1-8, 2014-02-24

ボランティアコンピューティング (VC) で高い性能を実現するためには,多数の参加者を集める事が重要である.しかし,既存の VC システムでは,参加に際して専用ソフトウェアのインストール等の手間がかかり,参加の障害となっている.そこで本研究では,参加者が Web ブラウザで指定の URL にアクセスするだけで即座に VC に参加することができるような,Web ベースの VC プラットフォームを提案する.提案するプラットフォームでは,PNaCl 等の LLVM 技術を用いることで,C/C++ で記述された計算問題を Web アプリ化し,ブラウザ上で高速に実行することができる.性能評価として,PNaCl を用いて姫野ベンチマークを Web アプリ化した場合,ネィティブアプリと同等の実行性能を実現できることを確認した.In Volunteer Computing (VC) systems, volunteer participants can contribute their idle computing resources by computing a piece of the computation (job) in their idle time. In existing VC systems, participants must put an extra effort, e.g. installing a dedicated software to their computers and register their personal E-mail addresses, which will be barriers to join as a participant. This paper proposes a web-based VC platform, in which participants can join to VC system by just accessing a specified URL with Web browsers. By using LLVM techniques such as PNaCL, VC jobs become convertible as fast-acting Web applications. As the results of our experiments based on Himeno Benchmark, we show that the performance of PNaCl codes on a web browser is equivalent of native one.
著者
舩曵 信生 岡山 聖彦 中西 透 東野 輝夫 尾崎 亮
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

今年度の研究では,まず,本研究で採用しているピアツーピア通信専用のミドルウェアソフトであるPeerCastでの通信経路の問題点として,経路木が通常は最適なものとならないのに対して,それを動的に改善する機能がないことが知られている.今回,この問題に対し,通信中に経路木の一部を動的に変更するために,データロスなく,コネクションを繋ぎ替える機能の実装とその評価を行った.次に,専用のピアツーピア通信ソフトを用いた動画配信システムにおけるセキュリティホール,高通信負荷,リアルタイム制約,専用ソフトのインストールに伴うユーザ利便性の低下などの問題を解決するために,遠隔講義・テレビ会議などでの各シーンを,静止画と音声の組合せで再構成するデジタル紙芝居に着目し,そのWEB技術を用いた配信システムの研究を進めた.今回,本補助金の最終年に当たり,本システムのためのデータ入力・編集・配信の各プログラムを実装し,本学における実際の講義を用いて,評価を行った.その結果,デジタル紙芝居による講義シーンの再構成は実用的であり,学習への利用に有効であることが明らかとなった.更に,ピアツーピア技術の応用として,WEBキャッシュを信頼の置ける中継ホスト上や無線ルータ上に設けることで,無線メッシュネットワーク環境でもレスポンス性に優れた配信システムを実現した.この無線メッシュネットワークでは,デジタル紙芝居などのユビキタス環境での配信を目指して,高価な高性能ルータと安価な市販ルータで構成される二階層構造を提案した.前者には,信頼できるホストが随時その役割を担うこと,マルチホーム環境対応とすることで,柔軟性,拡張性,アクセス性を実現する.今回,そのためのホスト認証機能,複数チャネル機能,アドレス付与機能などを実現した.
著者
小路 朋也 井上 勇樹 舩曵 信生 中西 透 籠谷 裕人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.286, pp.105-108, 2008-11-06
被引用文献数
1

近年,計算機資源利用の効率化,システム管理の容易化などの利点から,サーバ構築に仮想化技術が用いられている.また,仮想サーバを用いたサーバクラスタシステムの構築手法も提案されている.本稿では,仮想化技術を用いた安全でスケーラブルなWebサーバシステムを提案する.提案システムでは,プラットフォームおよびシステム内データ通信路の安全性を確保するため,SSL認証による各Webサーバホストの正当性検証と暗号化通信を実現する.また,システム管理を容易とするために,システム管理ツールの採用により,OS,Webサーバなど実行環境の自動更新機能を実現する.システム管理ツールPuppet,システム監視・管理ライブラリRuby SNMP,仮想マシンモニタXenを用いて提案システムの実装を行った.本システムの評価実験の結果,短時間でWebサーバシステムの拡張が可能であることが明らとなった.
著者
安原 健介 甲本 卓也 舩曵 信生 杉山 裕二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.36, pp.27-32, 2007-05-10
被引用文献数
1

マルチメディア配信を利用するネットワークアプリケーションにおいてサーバやネットワークの負荷を解決する手段として,マルチキャスト通信があり,その一つの方法として,アプリケーションレベルマルチキャスト(ALM)が注目されている. ALMの実装例として,PeerCastと呼ばれるマルチメディア配信に適したミドルウェアがある.しかしながら,PeerCastでは経路木生成アルゴリズムの性能が悪く,経路木が最適なものにならないことがほとんどであり,また経路木を動的に改善する機能がないといった問題点がある.その改善として通信中に経路木の一部を動的に変更するには,コネクションを繋ぎ替える機能が必要となる.そこで本研究ではPeerCastにおいて,データロスなくコネクションを繋ぎ替える機能の実装とその評価を行う.
著者
齊藤 正隆 磯貝 愛 甲本 卓也 舩曵 信生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.562, pp.5-8, 2006-01-19
被引用文献数
1

近年, 広帯域ネットワークの普及に伴い, インターネットを用いたテレビ会議, 遠隔講義, ビデオオンデマンドなどのマルチメディア配信システムに対する需要が高まっている. 本論文では, ピアツーピア技術に基づくマルチメディアストリーミング可能なPeerCastをベースとした, マルチメディア配信システムPeerStreamの設計と実装について報告する. 学内LAN環境において本システムの伝送実験を行い, サーバからの遅延が中継ホスト数にほぼ比例することを示す. 今後, 本測定結果を配信経路木の最適化アルゴリズムの研究に活用する.
著者
篠原 陽介 舩曵 信生 川島 潤 竹内 順一 石崎 雅幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.573, pp.39-44, 2005-01-14
被引用文献数
5

自動車ナンバープレートの文字認識は, 駐車場での車両管理, 高速道路での料金自動徴収, 道路での交通流計測や混雑状況の監視, 路上の不正な駐停車両の特定などのために, その車両を識別するための重要な技術である.本論文では, 漢字・仮名認識にクロスカウント法, 数字認識にテンプレートマッチング法を使用した, 画像からのナンバープレート文字認識アルゴリズムを提案する.入力には, デジタルカメラやPDAを用いて, 人が現場で撮影した画像を用いるため, 前処理に画像中の影などに応じて適応的に閾値調整を行う二値化処理を採用する.また, 複雑な文字パターンである漢字の組合せで構成される陸運局名を認識するため, クロスカウント法の代表ベクトルの自動生成アルゴリズムを提案する.評価実験により, 本提案法がWEBから採取したサンプル画像では100%の認識率を, 本研究のためにPDAを用いて撮影したサンプル画像では80%の認識率を有することを示す.