著者
芳住 邦雄
出版者
Osaka Urban Living and Health Association
雑誌
生活衛生 (ISSN:05824176)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.182-186, 1988-07-10 (Released:2010-03-11)
参考文献数
11

The filtration of respirable particles by an absorbent gauze, one of the most popular mask materials, was examined from the standpoint of its hygienic validity. The ambient particulate matter with a diameter of less than 2.1μm was collected by rearranging the Andersen sampler stages. It was found that the collection efficiency of 10 layers of absorbent gauge was only 15% with respect to those res pirable particles. It is concluded that the effectiveness of an absorbent gauge mask is not sufficient because 85% of respirable particles in the ambient air will brake through it.
著者
芳住 邦雄 斉藤 栄一
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.183, 2003

<目的> 廃棄物として処理される布団は年間1000万枚にも及ぶと推定される。循環型経済杜会の構築に寄与するための一つとして、布団の洗浄を行い3Rに貢献することが考えられる。一方では、清潔な就寝環境を得るために布団を洗いたいとの要求には根強いものがある。本研究は、布団を家庭用洗濯機で洗浄する際の使い勝手および乾燥特性を明らかにすることを目的としている。形状および充填量、中ワタの素材による影響を検討し、洗える布団を設計するに資する情報を得ることに主眼を置いている。<実験方法> 1)実験用布団:中綿に(1)ウォッシャブルポリエステル100%(2)ウォッシャブルウール100%(3)通常ウール50%・通常ポリエステル50%(4)通常ポリエステル100%(5)綿100%を用いて、クッション・サイズおよび幼児用サイズの布団を試作した。2)洗濯方法:市販7Kg用洗濯機を用いて、洗剤を加えて通常の洗濯プロセスにより自動運転した。最終的には、自動により脱水を行った。3)乾燥過程の測定:電子天秤を用いて重量を測定し、その減少量を以って、洗濯後の水分乾燥量とみなした。クッション・サイズについての乾燥実験は、実験室内で行いデータは1分間ごとに記録した。幼児用サイズでは、屋外にて乾燥実験を実施し、1時間おきに重量を測定した。<結果と考察> 中ワタの素材による乾燥特性の相違を、濡れ率={(濡れ時重量)-(乾燥重量)}/(乾燥重量)で定義して比較した。乾燥性はクッション・サイズおよび幼児用サイズの両実験に共通して、総合的に下記の順で良いことが明らかとなった。綿100%>ウォッシャブルポリエステル100%>通常ウール50%通常ポリエステル50%>ウォッシャブルウール100%>ポリエステル100%幼児用サイズにおいては中ワタ量によっては、家庭用洗濯機で洗うには困難が伴うことが実験結果から判断された。洗い勝手を考慮して敷布団構成は、二枚重ねにする必要があると結論した。直接肌に触れる上部敷布団は、肌にやさしい天然素材でかつ吸収性のある綿100%とし、その下側に透湿性および乾燥性に利点のあるウォッシャブルボリエステル100%を使用することとした。中ワタ重量を0.5kgにし再び乾燥実験を行った。冬期でも晴れの天候下では乾燥可能なことを確認出来た。以上の結果から、自動洗濯機で充分脱水するならば、上述の組み合わせは、洗える布団の構成として実用的に供しうると結論された。
著者
湯浅 純子 大図 雅美 芳住 邦雄
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.57, pp.237, 2005

【目的】色彩による知覚への影響の大きいことは論を恃ない。しかし、その定量的評価はこれまで充分とは言い難い。本研究では、ビルの屋上に設けられた屋外広告物を対象とし、異なる色彩による視覚効果を検討することを目的としている。【方法】女子大学生85名を対象にプロジェクターを用いて評価景観を提示して集合調査法でアンケート調査を実施した。11の評価項目に対し7段階の選択肢で回答を求め、7点から1点までの評価得点を割り当てた。刺激として5色(赤、青、水色、ピンク、白黒)を用いた。主成分分析によりその結果を解析し、因子軸の回転にはバリマックス法を適用した。本研究ではボンド法を適用し、11項目に対する5色の相対評価の解析を行なった。【結果および考察】屋外広告物に対する意識を主成分分析を用いて解析した結果、好感性、鮮明性、ソフト感、個性的、軽快性という5つの主成分が抽出された。これらの累積寄与率は81.1%である。この5主成分と5色との関係を主成分得点を用いて検討した。その結果、第1主成分の好感性と第2主成分の鮮明性の2軸から5色の特性を捉えると、好感性、鮮明性共に高いのは青であり、好感性が高く鮮明性が低いのは水色であった。また、好感性が低く鮮明性が高いのは赤とピンクであり、好感性がやや低く鮮明性が低いものは白黒であった。さらに、主成分得点の分散が色彩によって異なることが見い出された。すなわち、中間色であるピンクと水色においては、好感性の評価で各被験者のバラツキが特に大きく、一方、赤と青においてはバラツキが小さかった。本研究では、色彩の効果は屋外物においても大きいことを認め、広告物における重要な選択要因であることを明らかにした。