- 著者
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荒川 宏
- 出版者
- 公益社団法人 日本地理学会
- 雑誌
- 地理学評論 Ser. A (ISSN:00167444)
- 巻号頁・発行日
- vol.57, no.12, pp.831-855, 1984-12-01 (Released:2008-12-25)
- 参考文献数
- 30
大山火山北西部に発達する火山麓扇状地面群を,その形成年代にもとついて古いものから順に,古期扇状地1面,同皿面,中期扇状地面,新期扇状地1面,同皿面および最新期扇状地面の6つの地形面に大別した.それらのうち,相対的に広く分布する中期扇状地面,新期扇状地1面の一部および新期扇状地H面は,石質火砕流の放射谷への堆積,河川によるその火砕流堆積物の侵食,それによって生じた岩屑の下流域への移動・堆積,という過程を経て形成された..これらの火山麓扇状地の形成に要した時間は5千~1万年以下であり,火山全体の形成所要時間と比較すればきわめて短時間である.すなわち,調査地域における主要な火山麓扇状地は,それぞれの形成開始直前に噴出した石質火砕流堆積物の再堆積に起因して,相対的に短時間に形成されたという点で特色をもつ.