著者
小山 真紀 柴山 明寛 平岡 守 荒川 宏 伊藤 三枝子 井上 透 村岡 治道
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.136-139, 2020 (Released:2020-04-25)
参考文献数
1

本研究では,防災ワークショップを通じたデータの収集とデータベース化,保管したデータの再利用法までを合わせて提案することで,恒常的にデータの収集と活用が可能な災害アーカイブの構築とその効果を検討する.対象とするデータは,主として位置情報付きの被災当時の写真と,対になる現時点での同じ場所の写真,被災時の手記などである.ワークショップは,現在のハザードマップとこれらのデータを用いて,地域の災害危険度を確認し,同様の災害が発生した場合の被災イメージを想起させる.被災経験者がいる場合には,より具体的な状況の記憶の継承を行う.最後に,今後の対策に向けた検討を行い,参加者間で共有する.これまでに,データベースの構築,ワークショップの構成と収集すべきデータの検討を行い,ワークショップを行うことで,災害記憶の継承と,より具体的な被災イメージの醸成と対策の検討が可能になることが示された.
著者
澁谷 利雄 水野 杏一 菅原 博子 荒川 宏 里村 公生 五十嶋 一成 大鈴 文孝 青崎 登 栗田 明 細野 清士 山田 堯
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.15, no.5, pp.557-562, 1983-05-25 (Released:2013-05-24)
参考文献数
14

Ear-lobe crease(EC)に関してこれまでにいくつかの報告があるが,詳細なものは少なく,その有用性については議論のあるところである.著者らは,ECの臨床診断学的意義について検討を行った.冠動脈造影で確かめられた冠動脈疾患(CAD)を有する患者82例とCADのない65例を対象に,ECとCAD,冠危険因子および眼底の動脈硬化性変化の関連性について調べた.ECはCAD,男性,喫煙歴と有意の関連があり,かつ加齢とともにECの陽性率が増加する傾向があった.ECとCADの関連をより明確にするため,EC陽性群とEC陰性群の間で性と年齢のm atchingを行い, 再び検討したところ,ECはCADのみと有意の関連があった.よって,ECはCADの有無を予測するのに有用なsignであると思われた.
著者
荒川 宏
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.57, no.12, pp.831-855, 1984-12-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
30

大山火山北西部に発達する火山麓扇状地面群を,その形成年代にもとついて古いものから順に,古期扇状地1面,同皿面,中期扇状地面,新期扇状地1面,同皿面および最新期扇状地面の6つの地形面に大別した.それらのうち,相対的に広く分布する中期扇状地面,新期扇状地1面の一部および新期扇状地H面は,石質火砕流の放射谷への堆積,河川によるその火砕流堆積物の侵食,それによって生じた岩屑の下流域への移動・堆積,という過程を経て形成された..これらの火山麓扇状地の形成に要した時間は5千~1万年以下であり,火山全体の形成所要時間と比較すればきわめて短時間である.すなわち,調査地域における主要な火山麓扇状地は,それぞれの形成開始直前に噴出した石質火砕流堆積物の再堆積に起因して,相対的に短時間に形成されたという点で特色をもつ.