著者
磯 直樹 香川 めい 北村 紗衣 笹島 秀晃 藤本 一男 藤原 翔 平石 貴士 森 薫 渡部 宏樹 知念 渉
出版者
東京藝術大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2022-04-01

本研究では、現代日本における文化と不平等の関係を、「文化がもたらす不平等」と「文化へのアクセスの不平等」という観点から、理論的かつ経験的に社会学の観点から分析する。すなわち、①文化が原因となる不平等とは何か、②文化資源の不平等な配分とは何か、という2種類の問題を扱う。これらの問題を研究するために、理論的には社会分化論として文化資本概念を展開させる。社会調査としては、関東地方で郵送調査とインタビュー調査を実施し、調査で収集されるデータを、多重対応分析の特性を活かした混合研究法によって分析する。
著者
藤本 一男 山尾 貴則
出版者
作新学院大学 作新学院大学女子短期大学部
雑誌
作大論集 = Sakushin Gakuin University Bulletin (ISSN:21857415)
巻号頁・発行日
no.5, pp.385-409, 2015-03-15

概 要 本稿は、本学人間文化学部で開講されている「社会調査及び実習1」で実施された調査の報告である。調査のテーマは中学生・高校生の携帯電話利用実態の把握であるが、前回、前々回(2013、2012実習)と同様に、それらを踏まえながらも「携帯電話利用の中からどのようなコミュニケーション・ルールが見出されるか」を中心的な調査課題としている。今回は更にLINE利用に関する質問を追加し、対面/非対面コミュニケーションの選択が、性別や学年(年齢)といった回答者属性によるものと、LINEなどの利用/非利用によるものに区分できる可能性の示唆を得た。加えて、それを踏まえて、リテラシー教育の課題をさぐる手がかりを提示する。
著者
藤本 一男
出版者
作新学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

データの幾何学的配置を分析の基礎におく「幾何学的データ解析」という分析フレームワークを用いて、社会調査におけるカテゴリカルデ ータ分析の方法を構築する。その際、以下の問いにGDAを用いることで答えることを示す。・「取得したデータの構造を破壊しない分析は可能か」カテゴリカル・データを分析するためには、数量化が必要 となるが、どうすれば、データ構造を破壊せずに可能か。・「観察データに対して変数の連関性を評価することは可能か」実験が 可能な場合は、実験計画法として因果分析が可能である。だが、社会調査データでは、この前提は成立しない。この観察データに対して「効果」の評価を行なうことはいかに可能か。
著者
藤本 一男
出版者
関東社会学会
雑誌
年報社会学論集 (ISSN:09194363)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.7, pp.97-108, 1994-06-05 (Released:2010-04-21)
参考文献数
40
被引用文献数
1

This paper approaches the idea of the Japanese “Workholic” as an idea centered on such mechanisms as “satisfaction”. An old criticism of the “Workholic” is based on the suppression of the individual by the company, i. e. a passive self which is strongly dependent on a company. However, the mechanism which brings about overwork voluntarily cannot be sufficiently explained by these approaches alone. Mbreover, there are problems whih emphasizing the importance of the individual. My approach pays attention to the self not in the schema of “individual vs company” but in that of the company as a field where the self is emerged. This approach aims to explain the mechanism that the pursuit of the satisfaction lead to alienation, anomie, overwork, and over-conformity.