著者
荒岡 草馬 篠田 詩織 藤村 明子 成原 慧
出版者
情報ネットワーク法学会
雑誌
情報ネットワーク・ローレビュー (ISSN:24350303)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.24-44, 2023-11-17 (Released:2023-11-17)

本稿は、「声の人格権」という新たな権利概念について検討するものである。近年、音声合成技術が急速に進歩しており、関連する製品やサービスも数多く登場している。これらの技術が誤った使い方をされた場合、人の声を無断で再現し、本人の意に反した発言をさせるなどの運用がなされる危険性があり、既に国内外で問題となった事例もある。従来、我が国において、人の容姿に対しては「肖像権」という人格権が認められてきたが、人の声に対して人格権を認めた判例はなく、学説においても十分な議論が蓄積されていない。本稿は、そのような「声の人格権」の議論を惹起することを目的とする。
著者
藤村 明子 小林 鉄太郎 森田 光
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. FACE, 情報文化と倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.720, pp.7-12, 2002-03-08

刑事事件の真相を解明していくには、市民から寄せられた情報が大きく役立つ場合がある。ところが現在は、情報提供した市民のプライバシが十分に保たれていないため、情報を提供することに躊躇する市民が増加し、捜査機関は十分な情報等が得られず、犯罪事実の解明が困難になっている。本稿では、市民が自らの匿名性を確保したまま捜査機関に対して情報を提供し、必要な場合を除いては、その個人情報が開示されることがない仕組みを提案する。
著者
間形 文彦 藤村 明子 亀石 久美子 加藤 俊介 板倉 陽一郎
雑誌
研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:21888906)
巻号頁・発行日
vol.2019-DPS-180, no.3, pp.1-8, 2019-09-12

「パーソナルデータは新しい石油」 といわれ,その利活用がユーザや社会に利便性と新たな価値を提供している.その一方で,本人の意思に反する利活用をした事業者が法的制裁を受け,社会的な批判を浴びる事例も後を絶たない.事業者は個人情報の利用目的を特定し,通知又は公表若しくは同意を得てその目的の範囲内で取扱うことはもちろん,その目的と取扱いをユーザにより分かりやすく説明する責任がますます求められる傾向にある.同じユーザに対して複数のサービスを展開する事業者の場合,サービスごとに個人情報の利用目的を次々と定めることが多い.その場合,業務と利用目的の対応関係は複雑となりがちで,複数サービスの提供を受けるユーザは自分の個人情報が何の目的で利用されるのか把握するのは容易でない.他方,事業者にとっても複数の業務において利用目的を逸脱せずに個人情報を扱えるか正しく判断することは困難となる.そこで,数多くの外延を列挙して定義する従来の利用目的の特定方法に代わり,ユーザの意思決定に重要な契約履行上の必要性と利用行為の方向性の 2 つの軸による内包的枠組みを用いて利用目的を分類する方法を提案し,その枠組みを適用した事例を紹介する.
著者
千葉 直子 藤村 明子 高橋 克巳
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.20, pp.115-120, 2009-02-26

インターネット上の違法有害情報問題に関して、そのなかでも特に社会問題化や国際動向により、喫緊の対策が求められている分野を取り上げる。具体的には、出会い系サイト、自殺誘引サイト、児童ポルノ、ネットいじめ、ネット上の犯行予告について、近年の状況や対策動向をとりまとめ、今後の方向性について述べる。Recently, illegal and harmful information on the Internet has become one of the important social problems in terms of public policy and child protection. In this paper, we focus on some problems requiring the urgent countermeasures because of international trend and social environment, such as dating sites, suicide sites, child porno distribution, cyber bullying and notice of crime on the Internet. We survey the recent circumstance, the trend of countermeasures and the future trend.
著者
千葉 直子 藤村 明子 高橋 克巳
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.20, pp.115-120, 2009-02-26

インターネット上の違法有害情報問題に関して、そのなかでも特に社会問題化や国際動向により、喫緊の対策が求められている分野を取り上げる。具体的には、出会い系サイト、自殺誘引サイト、児童ポルノ、ネットいじめ、ネット上の犯行予告について、近年の状況や対策動向をとりまとめ、今後の方向性について述べる。Recently, illegal and harmful information on the Internet has become one of the important social problems in terms of public policy and child protection. In this paper, we focus on some problems requiring the urgent countermeasures because of international trend and social environment, such as dating sites, suicide sites, child porno distribution, cyber bullying and notice of crime on the Internet. We survey the recent circumstance, the trend of countermeasures and the future trend.