著者
五十嵐 大 高橋 克巳
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.4_40-4_49, 2012-10-25 (Released:2012-12-25)
被引用文献数
1

近年,プライバシー保護とデータ活用を両立するための技術である,プライバシー保護データマイニング(PPDM, Privacy Preserving Data Mining)の研究が盛んとなってきている.この分野で特に重要な研究テーマのひとつは,技術的に何を満たせばプライバシーが守られていると言えるのかということを解析する,プライバシー概念の研究である.そんな中現在最も注目を浴びているプライバシーの概念が,2006年にDworkが提唱したDifferential Privacyである.本稿ではPPDM分野の概要および,Differential Privacyの簡単な紹介を行う.
著者
高橋 克巳
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.66, no.11, pp.585-590, 2016-11-01 (Released:2016-11-01)

個人情報の活用と保護の技術に関して,個人情報の取り扱いの原則を解説し,個人情報の定義を述べた上で,原則に基づいたデータ収集,データ処理,データ保管の技術的観点からの解説を行う。個人情報取り扱いの原則はOECD8原則やISO/IECプライバシーフレームワークを参照しながら,利用目的,データ最小化などという独特の概念を説明し,個人情報保護法が求める保護の技術的意味に迫る。さらにこれらに対してデータ最小化に貢献する匿名化技術や情報セキュリティに貢献する暗号技術の概要を解説する。
著者
三浦 信幸 横路 誠司 井上 香織 高橋 克巳 高橋 健司 島 健一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HI,ヒューマンインタフェース研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.86, pp.39-44, 1999-11-25

本稿では,インターネット上に存在する雑多な形式の情報を,位置に応じて適切に提供するための情報構造化や情報フィルタリングを行う手法を検討する.このような情報を適切に提供するためには,雑多な形式の情報に対して構造化を行い,構造化された結果を利用して,位置を含めた様々な観点から情報を分類・フィルタリングする必要がある.検討した手法では,情報構造化に際してパターンマッチや特定分野の辞書を用いた形態素解析などを行う.また,情報フィルタリングに際しては,構造化された情報と構造化されなかったHTMLファイル中の名詞や固有名詞の中からtfidf値を参考に頻出する情報を抽出する.さらに,検討した手法のプロトタイプである,モーバイルインフォサーチ3実験(MIS3)について紹介する.
著者
竹之内 隆夫 高橋 克巳 菊池 浩明
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.59, no.10, pp.872-873, 2018-09-15

データを秘匿したまま処理できる秘密計算技術の性能が近年向上し,実用化への期待が高まりつつある.特に,秘密計算を用いて,異なる組織のデータを秘匿しながら結合・分析することで,組織間での安全なデータ利活用が促進されることが期待されている.しかし,秘密計算にはさまざまな方式や利用形態が存在することから,一般の技術者からの理解が十分とは言いがたいのが現状である.本特集では,秘密計算の基本的な解説を行いつつ,さまざまな方式や利用形態を紹介する.また,技術の説明だけでなく,秘密計算の実用化への取り組みや,実用化に必要な制度や運用面での現状の課題や期待について説明する.
著者
山本 太郎 千葉 直子 植田 広樹 高橋 克巳 平田 真一 小笠原 盛浩 関谷 直也 中村 功 橋元 良明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 : IEICE technical report (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.124, pp.41-47, 2011-07-05

我々はインターネットの利用における安心について研究を行っている.初期グループインタビューの結果により,我々は「安心」そのものではなく,より認識し易い「不安」にまずは着目することとし,不安発生モデル仮説を立てた上で,東京都における訪問留置方式による質問紙調査,10ヵ国における国際電話比較調査,在日外国人グループインタビューを実施してきた.また,具体的なネットサービスに関するWebアンケート調査についても実施・分析中である.本論文では,これまでの取り組みのまとめとして,それらの概要について紹介する.
著者
菊池 亮 高橋 克巳
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.69-73, 2013-02-01
参考文献数
4

健全なログ情報活用のためには,プライバシー上のリスクに対する正しい理解の上で,最善な技術的措置を講じることが重要である。本稿ではログ情報の活用のために必要と考えられるプライバシー保護の技術的手段に関して考察を行う。本稿ではログ活用のプロセスをログ情報の提供者,処理者,活用者の3主体に分類し,その主体間でそれぞれ,入力プライバシー,処理プライバシー,出力プライバシーを定義する。次にその上でのリスクを定義し,リスクの要因となる処理形式や背景知識について整理し,対策となる技術を紹介する。
著者
三浦 信幸 高橋 克巳 島 健一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.1523-1535, 1998-05-15
被引用文献数
10

本論文では,個人適応型WWWにおけるユーザモデル構築法を提案する.個人適応型WWWとは,従来の一般的なWWWが,基本的には,すべてのユーザに対して同一の情報内容を同一の情報提示方式で提供してきたのに対し,ユーザモデルとコンテンツモデルの擦合せにより,ユーザ1人1人の特性に応じて提供する情報内容・情報提示方式をユーザごとに動的に変更しながら動作するWWWである.本提案手法の特徴を以下に示す.1)ユーザに余計な負荷となる事前アンケートは用いず,WWWへのアクセス履歴のみからユーザの特性を把握する.2)ユーザモデルをグラフで表現することにより,ユーザのアクセス行動の遷移をモデルに反映できる.3)WWWコンテンツ自身のハイパーリンク構造やコンテンツの意味的な関係を表現したコンテンツモデルとユーザのアクセス履歴を組み合わせてユーザモデルを構築することにより,より多様な個人適応が可能なモデルを構築できる.本論文ではユーザモデルとして,状態モデル・行動モデル・学習モデル・メタモデルの4つを提案し,主に状態モデルについて,実際に外部に公開中の2つのWWWサイトのアクセス履歴に適用し,約4万人分のユーザモデル構築を行い,構築結果の評価実験を行った結果,ユーザ間の相違点・共通点を適度に表現できること,従来法では見つかりにくいユーザ特性を見つけられること等を確認し,提案手法の有効性を示した.This paper proposes a user-models construction method for personal-adaptive WWW.Though Web system has provided same information in same layout to all users,personal-adaptive WWW adapts contents of information and how to users'preferences.Features of our proposal method is as follows.1) User-models are constructed from access histories,not using questionnaires.Questionnaires are excessive works for users.2) User-models are represented as graphs in order to express users'activities.3) User-models are constructed from access histories and WWW contents-models.As WWW contents-models express hyperlink structures of contents and semantic relationships among contents.These user-models enable more various personal-adaptations.We define four user-models,user-status model user-activity model,user-learning model and user-meta model.We show experimental results of constructing user-models,especially user-status model,from access histories of real two public WWW sites.We constructed fourty thousand users'models and the results show effectiveness of our method in the viewpoints that we can get more various and more interesting users'profiles than what are produced by usual construction methods and that constructed user-models have both different points and common points.
著者
高橋 克巳 Pramudiono Iko 喜連川 優
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.176, pp.7-12, 2004-07-06

Webのサービスへのアクセス記録を解析するWebログマイニングにおいて、ログデータを地理的な位置にもとづいて解析する方法に関して述べる。Webで利用者の現在位置や利用者の望む位置に関する情報の提供サービスがさかんになってきており、効果的な解析方法と、有効な利用方法の考察が必要である。本稿では、インターネットでの位置に関する情報提供サービスの大規模ログデータを解析した作業の報告を行う。解析から、住所ワードの推薦には、commodityである情報対象に対する近隣地域の提示、およびspecialtyに対する中心地域の推薦が可能であること、およびそれぞれのルールを選ぶ際には相関ルールの支持度だけでなく、単語間の相互情報量が有効であることについてのべる。最後に本解析結果を使った単語を推薦して検索の補助を行うシステムについて説明する。
著者
川前 徳章 高橋 克巳 山田 武士
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J90-D, no.10, pp.2746-2754, 2007-10-01

本論文はユーザの情報検索を効率化するために,ユーザの興味とオブジェクトのトピックに着目した新しい情報検索モデルを提案する.我々は情報検索におけるユーザとその検索対象であるオブジェクトの関係はユーザの興味とオブジェクトのトピックの関係に射影することで説明できると仮定し,この射影を行うための手法としてLatent Interest Semantic Map(LISM)を提案する.LISMの特徴はLatent Semantic Analysisとユーザモデルの構築を同時に行い,射影した空間を用いることでユーザとオブジェクトの関係をユーザの興味やトピックの内容といった意味的な観点から説明できる点にある.この手法を協調フィルタリングに適用することで,ユーザのオブジェクトに対する評価予測やリコメンデーションを興味やトピックといった意味的な観点から実現できる.これらの手法を著名なベンチマークデータに適用した実験の結果,協調フィルタリングにおいて提案手法が情報検索においてユーザの情報検索を効率化することを確認した.
著者
横路 誠司 高橋 克巳 三浦 信幸 島 健一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.7, pp.1987-1998, 2000-07-15
参考文献数
17
被引用文献数
13

インターネット上に分散するWWW文書を位置指向に検索するシステムを開発した.本システムでは,任意の地理的領域に属するWWW文書を検索することが可能である.本検索システムの実現のために,3つの手法を開発した.まず,位置指向検索に必要なWWW文書を選択的に収集する手法,次に,WWW文書から住所を抽出し,抽出住所を緯度経度と対応づけることによる構造化手法,そして,構造化された文書の緯度経度を用いた,地理的検索手法である.選択的収集手法は,WWW文書の内容を予測し,位置に関連した情報を高い割合で収集することができる.構造化手法では,住所辞書を持った形態素解析と,住所表記の正規化を用いて,WWW文書からの住所抽出を行った.その結果,正しい住所の抽出を保証したうえで,出現住所文字列の92%の抽出を丁目レベルで実現した.地理的検索手法では,構造化で付与された緯度経度情報と検索領域の重なりに存在するWWW文書の情報を提示する.この手法の評価実験を行った結果,提案手法は,検索領域として住所文字列を使用する従来のキーワード検索で少なくとも約25%存在していた検索もれを解消することができた."We developed a location-oriented search system for WWW documents on the Internet.This system can search WWW documents related to any geographical area.The system has three modules.(1) ``Location oriented selective information collecting robot''that collects documents from the Internet,(2) ``Location oriented structuring parser''that extracts address strings from the WWW documents andputs longitude-latitude information to the original document,(3) ``Location oriented structured search'' that performs geographical search.Our ``robot'' collects documents related to the location selectivelyby estimating the target document has the location information or not.Our ``parser'' extracts address strings using the morphological analysis andnormalization of address variants.It extracts 92% of detailed address strings while guaranteeingthe precision of the extraction.And our ``location oriented search'' method searches the documents whichits longitude-latitude overlaps to the polygon of the search request.This method can search all documentsthat conventional keyword search overlooks at least 25% of documents.
著者
山本 太郎 関 良明 高橋 克巳
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN)
巻号頁・発行日
vol.2013-GN-88, no.11, pp.1-8, 2013-05-09

我々は,情報工学と社会科学の学際的アプローチにより,インターネットを利用する際の 「安心」 に関する研究を行っている.その一環として,不安を制御することによる安心の獲得を実現するための現実的なソリューションを検討するにあたり,23 種類の実在ネットワークサービスの各利用者を対象として,各サービスにおける不安に関する Web アンケート調査を 2011 年に実施した.本論文では,そのうち画像共有サイト 2 種について,それぞれ不安を感じるサービス利用者 89 名および 100 名が,どのような不安を,どのような理由で感じ,どのような解決策を望んでいるのか等について,調査結果を提示するとともに,得られた知見と考察について言及する.
著者
山本 太郎 千葉 直子 間形 文彦 高橋 克巳 関谷 直也 中村 功 小笠原 盛浩 橋元 良明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 : IEICE technical report (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.231, pp.25-30, 2010-10-08
被引用文献数
4

我々は,インターネットにおける安心の研究の一環として,東京23区在住者500名を対象として,インターネット利用時の不安をテーマとした,訪問留置方式により質問紙調査を実施した.本論文では,その調査及び我々の研究の概要を述べるとともに,調査結果から得られたCGM利用者と非利用者の傾向の違いについて述べる.一例を挙げると,CGM利用者であるかどうかと個人情報書き込み等の不安の大きさとの間に有意な相関が見られ,CGM非利用者の方がより強く不安を感じていることが判明した.
著者
千田 浩司 五十嵐 大 高橋 克巳
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.54, no.9, pp.2137-2145, 2013-09-15

セキュアマルチパーティ計算(MPC: Secure Multi-Party Computation)はPrivacy Preserving Data Mining(PPDM)の主要技術の1つとして近年注目されているが,通常の計算と比べ膨大な処理をともなうことが実用の障壁となっている.MPCの処理を軽減させる手法の1つに,数値からビット列への変換を暗号化したまま行う「ビット分解プロトコル」がある.SchoenmakersとTuylsはEurocrypt 2006でPaillier暗号を用いたビット分解プロトコルを提案しているが,MPCの高速処理に適した暗号として期待される加法準同型ElGamal暗号を用いた方式は我々が知る限り実現できていない.本論文では,従来のビット分解プロトコルでは加法準同型ElGamal暗号への適用が困難であることを述べ,従来とはまったく異なるアプローチにより,semi-honestモデルにおける,加法準同型ElGamal暗号を用いたビット分解プロトコルをいくつか構成する.特に事前処理を許す2パーティ限定の提案方式は,従来と比べ大きく処理削減できることを示す.またビット分解プロトコルが特に有効となるいくつかの具体的なMPCの応用方式を提案する.
著者
千田 浩司 五十嵐 大 柴田 賢介 山本 太郎 高橋 克巳
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.1993-2008, 2011-06-15

入力データや演算ロジックを秘匿しつつ各種情報処理を可能とする技術の実現可能性が1982年にYaoによって提起されたが,実用上は非現実的な処理時間を要するためもっぱら理論研究のみにとどまっていた.しかしながら近年では,アルゴリズム改良や計算・通信環境の急速な発達に加え,医療分野やサービス分野等での個人のプライバシに関わる情報の安全な活用や,クラウドコンピューティングにおける機密情報保護等の社会的ニーズの高まりを背景に,当該技術に対する実装報告や実用化の動きも見られるようになった.本論文では,当該技術のうち特に情報処理の種別を限定せず汎用的に適用可能な秘匿回路計算(Secure Circuit Evaluation)技術に着目し,従来のアプローチを概観した後,より効率的に処理可能,かつ運用上の利点が見込める委託型2パーティ秘匿回路計算を提案する.また実装により提案方式のパフォーマンスを明らかにするとともに,実用上の価値や課題を探るため実証実験を行った結果について報告する.さらに,個人のプライバシに関わる情報の安全な活用や,クラウドコンピューティングにおける機密情報保護の実現に向け,技術的視点から考察する.A cryptographic technology concept that achieves various information processing keeping input data and/or an operation logic secret was proposed by Yao in 1982; however, it has entirely been stayed only in the theory research due to a heavy processing time. Recently, however, social needs for utilizing personal information safely in the fields of medicine and services etc. and for the cloud computing security are increasing with rapid development of ICT (information and communication technology) environments. In this paper, we focus on secure circuit evaluation as a solution for the Yao's concept and propose a delegation-based 2-party secure circuit evaluation. Moreover, we report on an empirical result of the proposed scheme to clarify the performance and to consider the potentiality on practical use, in particular, for safe uses of personal information and cloud computing security.
著者
千葉 直子 藤村 明子 高橋 克巳
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.20, pp.115-120, 2009-02-26

インターネット上の違法有害情報問題に関して、そのなかでも特に社会問題化や国際動向により、喫緊の対策が求められている分野を取り上げる。具体的には、出会い系サイト、自殺誘引サイト、児童ポルノ、ネットいじめ、ネット上の犯行予告について、近年の状況や対策動向をとりまとめ、今後の方向性について述べる。Recently, illegal and harmful information on the Internet has become one of the important social problems in terms of public policy and child protection. In this paper, we focus on some problems requiring the urgent countermeasures because of international trend and social environment, such as dating sites, suicide sites, child porno distribution, cyber bullying and notice of crime on the Internet. We survey the recent circumstance, the trend of countermeasures and the future trend.
著者
高橋 克巳
出版者
東京大学大学院情報理工学系研究科電子情報学専攻
巻号頁・発行日
2006-09-20

報告番号: 甲21780 ; 学位授与年月日: 2006-09-20 ; 学位の種別: 課程博士 ; 学位の種類: 博士(情報理工学) ; 学位記番号: 博情第103号 ; 研究科・専攻: 情報理工学系研究科電子情報学専攻