著者
蘆原 郁 桐生 昭吾
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.56, no.8, pp.549-555, 2000-08-01 (Released:2017-06-02)
被引用文献数
2

オーディオ信号の広帯域化による可聴域の音質変化について調べるため, 周波数帯域が48kHzと24kHzの検査音を作製し, それぞれの再生時に可聴帯域内に生じるスピーカの非線形歪を観測した。8種類のスピーカについて調べた結果, スピーカの定格周波数範囲の広さに関係なく, ほとんどのスピーカで, 信号の周波数帯域の拡張が可聴帯域内の非線形歪率を増加させることが示された。非線形歪率の変化は, 特にパルス性の検査音の場合に顕著であった。結果から, オーディオ信号の周波数帯域を不必要に拡張することが, 可聴域の音質劣化を招くことが示唆された。
著者
桐生 昭吾 蘆原 郁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.236, pp.9-13, 2004-07-23
被引用文献数
3

コピー防止としてレコード会社大手が導入している通称CCCD(Copy Controlled Compact Disk)に関し、導入の経緯、問題点について述べる。数種の実際のCCCDについて、エラーの有無を調査した。また、パソコンにおける再生などの調査を行った。また、今後の著作権保護のあり方についても言及した。
著者
犬飼 幸男 多屋 秀人 佐藤 洋 蘆原 郁 倉片 憲治
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
環境工学総合シンポジウム講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2006, no.16, pp.101-106, 2006-07-11

National criteria for the assessment of low frequency noise annoyance in Sweden, Denmark, Netherlands, Poland and U.K. were reviewed, and the basic concepts were compared. The Experience from these countries in applying the criteria was also reviewed, and a common difficulty of these criteria in practice was showed. Japanese criterion, "Reference values of mental and physical discomfort" was compared with these criteria, and the advantages and the problems were discussed for future improvements in the criteria.
著者
蘆原 郁 桐生 昭吾
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.62, no.12, pp.871-876, 2006-12-01
参考文献数
20
被引用文献数
3
著者
李 尚禧 吉野 公喜 蘆原 郁
出版者
日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.1-9, 1998-11-30
被引用文献数
1

聴覚障害者の語音識別能力における個人差の原因を解明することは、聴覚障害児・者の言語訓練・聴能訓練プログラムの開発において重要である。本研究では、聴覚障害者の母音ホルマント周波数の弁別能力と語音識別能力との関係を明らかにすることを目的とした。感音聴覚障害者12名を被験者として、自然音声の日本語母音の第2ホルマント周波数を人工的に変化させた加工音声を作製し、実際の音声知覚により近い状態におけるホルマント周波数の弁別閾値の測定を行った。その結果、ホルマント周波数の弁別能力と語音識別能力の間には高い相関関係が見られ、語音識別におけるホルマント周波数の弁別能力の重要性が示唆された。また、平均聴力レベルとホルマント周波数の弁別閾値の間には必ずしも一致が見られないことが示された。
著者
蘆原 郁
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.55, no.12, pp.838-844, 1999-12-01
被引用文献数
2

聴覚内の非線形性に由来する差音及び結合音の可聴域を明らかにするため,周波数掃引音による差音及び結合音知覚閾値測定法を提案した。周波数変化方向を手がかりとして非線形成分と原音を知覚的に分離させる本手法により,健聴者を被験者とする閾値測定を行った結果,広い周波数帯域にわたり,閾値上20dB程度の刺激で結合音,閾値上50dB程度の刺激で差音がそれぞれ知覚できることが確認された。しかし,可聴周波数帯域をこえる超音波では,提示音圧が80dB SPLに達しても差音や結合音が知覚されなかった。結果から,可聴周波数全域にわたり,差音及び結合音の閾値がMAFに対して,ほぼ一定の関係に保たれていることが示唆された。