著者
西本 憲弘
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.98, no.9, pp.2169-2174, 2009 (Released:2012-08-02)
参考文献数
28
被引用文献数
3 1
著者
キャッスルマン病の疫学診療実態調査と患者団体支援体制の構築に関する調査研究班 吉崎 和幸 岡本 真一郎 川端 浩 水木 満佐央 川上 純 正木 康史 矢野 真吾 井出 眞 宇野 賀津子 八木 克巳 小島 俊行 水谷 実 徳嶺 進洋 西本 憲弘 藤原 寛 中塚 伸一 塩沢 和子 岩城 憲子 古賀 智裕
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.97-107, 2017 (Released:2017-03-17)
参考文献数
75

キャッスルマン病は原因不明のリンパ増殖性疾患で,適切な治療を行わなければQOL低下や生命予後の短縮をきたす。しかしながら,その希少性のためにこれまで明確な診断基準や重症度分類が定まっていなかった。これに対して厚労科研・難治性疾患等政策研究事業の調査研究班では,本疾患の診断基準と病型分類,重症度分類の案を策定した。診断は,病理診断と臨床的な除外診断を併せて行う。組織型は硝子血管型,形質細胞型,および混合型に分類される。臨床的病型は,単中心性(限局型)と,HHV-8関連の多中心性,HHV-8陰性の特発性多中心性に分類した。重症度は主に臓器障害の程度により分類した。難治性とされる特発性多中心性キャッスルマン病は,重症度等に応じてprednisoloneやtocilizumabを用いて治療を行うこととした。今後,本疾患に関するエビデンスを集積し,本診断基準や重症度分類の妥当性を検証するとともに,質の高い診療ガイドラインを策定していく予定である。
著者
西本 憲弘 吉崎 和幸 桑島 正道
出版者
大阪大学
雑誌
萌芽的研究
巻号頁・発行日
1998

カルニチンは、生体にとって重要なエネルギー源である長鎖脂肪酸のβ酸化に関与する分子量161の小分子である。このカルニチンの輸送担体の遺伝子異常を有するJVS(juvenile visceral steatosis)マウスにおいては脂肪肝や低血糖、筋委縮などの全身性カルニチン欠損症状に加え、著しい胸腺の萎縮が認められ、組織学的検索から胸腺細胞のアポトーシスが疑われた。そこでJVSマウスを用いて、胸腺でのアポトーシス現象およびT細胞の分化におけるカルニチンの関与について検討した。【方法】2,4,8週齢のhomozygote(jvs/jvs)、heterozygote(+/jvs)ならびにL-カルニチン(1μmol/grBW,ip)による治療を行ったhomozygoteを用いた。胸腺の重量測定、HE染色、TUNEL法によるアポトーシスの検索に加えて、FACS-によるT細胞表面マーカーの解析を行った。【結果および考察】JVS未治療群では胸腺は萎縮していたがL-カルニチン腹腔内投与により胸腺重量は正常化したことからこの胸腺の委縮はカルニチン欠乏によって生じることが確認された。さらにJVSの胸腺ではアポトーシス陽性細胞の増加がTUNEL法により確認された。胸腺より分離したT細胞数もコントロールに比べ約1/10に減少し、これらの細胞を用いたFACS解析からJVSマウスの胸腺ではCD4^-8^-分画の割合が増加し、CD4^+8^+分画の割合が減少していることがわかった。このことからカルニチン欠乏におけるT細胞の分化をPositive Selectionの段階で障害する可能性も示唆された。JVSマウスはヒト原発性カルニチン欠乏症のモデルマウスであり後天性のものに必ずしもあてはまるとは限らないが、カルニチン欠乏はヒトAIDS患者でも報告されておりカルニチン欠乏状態がT細胞免疫不全を悪化させている可能性がある。カルニチンは経口でも補うことが可能であるからカルニチン欠乏が疑われる場合、不足を補うことで病態の悪化を防ぐことが可能である。