著者
櫻井 秀彦 中島 史雄 多田 裕一郎 芳川 江美 岩橋 芳樹 藤田 健二 早瀬 幸俊
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.129, no.5, pp.581-591, 2009-05-01 (Released:2009-05-01)
参考文献数
23
被引用文献数
16 5

Various functions expected by patient expects are needed with progress in the system for separation of dispensing and prescribing functions. In this investigation, the relationship between patient satisfaction and pharmacy function were analyzed quantitatively. A questionnaire survey was conducted in 178 community pharmacies. Questions on pharmacy functions and services totaled 87 items concerning information service, amenities, safety, personnel training, etc. The questionnaires for patients had five-grade scales and composed 11 items (observed variables). Based on the results, “the percentage of satisfied patients” was determined. Multivariate analysis was performed to investigate the relationship between patient satisfaction and pharmacy functions or services provided, to confirm patient's evaluation of the pharmacy, and how factors affected comprehensive satisfaction. In correlation analysis, “the number of pharmacists” and “comprehensive satisfaction” had a negative correlation. Other interesting results were obtained. As a results of factor analysis, three latent factors were obtained: the “human factor,” “patients' convenience,” and “environmental factor,” Multiple regression analysis showed that the “human factor” affected “comprehensive satisfaction” the most. Various pharmacy functions and services influence patient satisfaction, and improvement in their quality increases patient satisfaction. This will result in the practice of patient-centered medicine.
著者
多田 裕樹 村上 暁信 手塚 勇太
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.791-798, 2020-10-25 (Released:2020-10-25)
参考文献数
20

本研究は都市内に生じる生物季節の実態把握を目的に,東京都心の半径約2kmの範囲内にある,58カ所(169本)のソメイヨシノ(Cerasus x yedoensis ‘Somei-yoshino’)の開花日・満開日の時空間的特徴を2か年にわたり調べたものである。さらに,その差をもたらす都市特有の要因として気温と日射量に着目し,その影響を分析した。本研究により,東京都心部の半径2kmという範囲におけるソメイヨシノの開花および満開の早晩の空間的特徴が明らかとなった。さらに,ソメイヨシノの開花と満開は,経年的に安定した動態を示すものであること,半径2kmの限られた範囲内でも範囲のなかにも大きな生物季節の差が生じ得ることが示された。移動観測により把握した気温分布と,開花日の早晩は必ずしも一致しなかったが,気温のばらつきの多い調査地点には,広幅員道路付近あるいは大規模緑地と市街地の境界付近という特徴が見られた。日射量と生物季節の間に明確な関係は確認されなかった。
著者
櫻井 秀彦 川原 昇平 多田 裕一郎 中島 史雄 猪狩 富夫 百瀬 晴彦 近藤 弘之 小森 雄太 早瀬 幸俊
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.127, no.7, pp.1115-1123, 2007 (Released:2007-07-01)
参考文献数
24
被引用文献数
24 14

Separation of the dispensing function and the prescribing function, Iyaku Bungyo, has been progressing in Japan. We are now witnessing the advent of a new society where patients select pharmacists and their satisfaction is recognized as one of the healthcare outcome indicators. It is necessary to clarify which factors affect patients' satisfaction with the services provided at community pharmacies and how they do so. A survey was conducted among 104 community pharmacies and their patients around the Tokyo metropolitan area in Japan. The questionnaire comprised 11 items (observed variables), each with a five-grade scale. With the transformed data-oriented pharmacy, the percentage of being not unsatisfactory was examined in two multivariate analyses of the relation and structure of patient satisfaction with a community pharmacy. Structural equation modeling (SEM) with factor analysis (FA) was performed using the observed variables and latent factors. Multiple regression analysis was performed with comprehensive satisfaction as an independent variable, examining the factors that affect comprehensive satisfaction with the pharmacy. The result of the FA indicated three latent factors of instruction on the use of drugs, quality of staff, and environment, based on which SEM model was constructed with a relatively high goodness of fit index. The result of multiple regression analyses indicated almost all variables such as satisfaction with reception by the pharmacist affected the comprehensive satisfaction, but privacy did not show a significant effect. These results, notably the relationship between each variables and latent factors, suggested the importance of higher skills of pharmacists, service qualities at pharmacies, and their functions adjusted to the community.
著者
宮崎 総一郎 板坂 芳明 石川 和夫 多田 裕之 戸川 清
出版者
日本口腔・咽頭科学会
雑誌
口腔・咽頭科 (ISSN:09175105)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.183-189, 1998-02-28 (Released:2010-06-28)
参考文献数
10
被引用文献数
2

睡眠時無呼吸の病因ならびに長期治療成績を左右する因子として, 睡眠体位と肥満は重要である.肥満と体位の及ぼす影響を, 気道内圧測定を含む睡眠検査を実施した68例(平均年齢: 47.2歳, 平均肥満度: 120.5%)について検討した.68例をやせ群(肥満度90%未満)+普通体重群(肥満度90%以上, 110%未満), 過体重群(肥満度110%以上, 120%未満), 肥満群(肥満度120%以上)の3群にわけた.肥満群の無呼吸+低換気数(AHI)は47.1/hr.で, やせ・普通体重群(32.6/hr.), 過体重群(31.3/hr.)に比し有意に高値であった.また肥満群の最低酸素飽和度値は80.1%で, やせ・普通体重群(85.0%), 過体重群(85.8%)に比し, 有意に低値であった.食道内圧変動値に関しては, 肥満群45.4cm H20, やせ・普通体重群33.5cm H20, 過多体重群32.5cm H20であった.側臥位の検討では, 肥満群は, 仰臥位と同様, やせ・普通体重群に比しAHI, 食道内圧変動値が有意に大きい値であった.側臥位での呼吸障害の改善度は, その肥満度に反比例していた.また仰臥位から側臥位に体位変換することで, AHIと食道内圧変動値がともに50%以上減少した症例数は67例中30例(44.8%)であった.
著者
佐藤 勇一 長嶺 拓夫 多田 裕行
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.72, no.724, pp.3905-3911, 2006-12-25

rights: 社団法人日本機械学会rights: 本文データは学協会の許諾に基づきCiNiiから複製したものであるrelation: IsVersionOf: http://ci.nii.ac.jp/naid/110006153484/This paper describes the propulsion mechanism of a skateboard. We observed the behavior of a rider on a skateboard and built experimental apparatuses. Further we analyze the characteristic by using a two dimensional analytical model. Comparing experimental and analytical results we show that primary propulsion of a skateboard is given by twisting motion of a rider. Propulsion is influenced considerably by the phase difference between twisting motion and tilting the front and rear wheel axles, that is, torque acting on a skateboard and angle of the two axles.
著者
斉藤 晃 多田 裕
出版者
鶴見大学女子短期大学部
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1994

平成6〜9年の3年間で316名の母親(満期産,経膣分娩)にブラゼルトン尺度(NBAS)を依頼し,105名の協力者を得た。この中の48名から家庭訪問の許可が得られ,1,3,6,9,12ヶ月まで家庭訪問を行ったところ,A群5名,B群35名,C群6名,啼泣強く実験中止した児1名であった。A群児はNBASの自律性においてB,C群児と顕著な差を示した。B,C群児の自律性は生後1ヶ月で上昇するが,A群児は生後8日目に一度低下し,その後1ヶ月目に上昇する。自律性は驚愕反射,振戦等から構成されており,A群児は生後1ヶ月間の成熟過程における何らかの一時的停滞を示唆した。アタッチメント形成には母親の敏感性が重要だといわれている(Ainsworth)。本研究では母親の敏感性の一側面であるの啼泣に対する応答性(随伴性)を測定した。その結果,A群児の母親は1年間を通じて他群よりも一貫して応答性が高く,そして児の啼泣時間も短い。Sroufe(1985)は安全性(B群・非B群)は母親の応答性に左右され,A・C群の違いは気質に影響を受ける,と述べた。そしてEgeland and Sroufe(1981)によれば,安全性に影響を与える要因として,肉体的虐待・敵意,無視・養育不足よりも心理的利用不能性(psycological unavailability)の方が大きな影響があったという。しかし我々のA群の母親は他群と比較して明らかに応答的であり,心理的利用性は高い。本研究の被験者は316名中の46名であり,かなり等質な集団,しかも「開放的,肯定的で受容的な母親」にぞくする。従って,アタッチメントパターンは,母親よりも児自身の気質に大きな影響を受けている可能性大である。そうであれば,彼らが見せたアタッチメントパターンは,ある狭い幅の,すなわち児にとって良好な環境において成長した児が見せる気質的特徴を反映したものだと考えられる。
著者
斎藤 晃 多田 裕
出版者
鶴見大学短期大学部
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

【目的】本研究の目的は早産児の行動特徴が生後1年間の母子相互交渉とアタッチメント形成に与える影響を検討することにある。母子相互交渉に特に影響を与える児側の要因として啼泣しやすさとなだまりやすさ等の情動反応が挙げられる。この特徴はブラゼルトン尺度(NBAS)と心拍変動分析によって予測することが可能である。心拍変動のスペクトル成分中,低周波成分は交感神経と副交感神経に,高周波成分は副交感神経によって変調を受けていることは既知の事実である(Akselrodら,1981)。【方法】被験児: 早産児の母親105名にNBASを依頼し,32名(男児18名の女児14名)の協力を得た。このうち,1年間の家庭訪問とアタッチメント実験の協力を得られたのが25名である。平均出生体重は1664.8g(SD512.16),平均在胎日数は224.1日(SD23.58)であった。手続き: (1)NBAS: 退院前1週間,退院後1週間,1,2,3ヶ月に1名の認定評価者がNBASを行った。(2)心拍変動: NBAS施行日と同一日で,児の深睡眠時に心拍変動の測定を行った。(3)母子相互交渉: 退院後1週間,1,2,3,6,9,12ヶ月に家庭訪問を行い,行動観察を行った。(4)アタッチメント実験: 退院後12〜13ヶ月に母子分離再会の実験を行った。【結果と考察】NBAS値をLester(1984)に従って素点変換し,これを児の行動特徴とした。ただし,慣れ群は欠損値が多いので分析から除外した。心拍変動値に対してはスペクトル分析の一種である自己回帰要素波分析を行い,3種類の周波数成分が抽出された。総パワー中に占めるこれら3周波数成分のパワー比を独立変数に,NBAS値を従属変数として重回帰分析を行った。交感神経によって変調される成分であるPWR1「なだめ」を有意に予測し,なだめやすさは単に副交感神経だけによるものではないことが示唆された。交感神経と副交感神経の働きを意味するPWR2は「状態向上迅速性」と「易刺激性」を有意に予測した。これは交感・副交感神経が優位な児は外部刺激が累積的に増大しても啼泣しづらいことを意味する。また,PWR3は「易刺激性」と「抱擁」を予測した。PWR3が高いほど,啼泣(ぐずりを含む)しやすく,かつ抱きづらいことを示している。これは交感神経が関与している可能性があり,高周波成分であっても単に副交感神経だけの作用とはいえないことを示唆した。児の新生児期の行動特徴であるNBAS項目と心拍変動値を独立変数とし,アタッチメント実験時における児の近接・接触維持,抵抗,回避,遠隔相互交渉の各行動を従属変数として重回帰分析を行った。その結果,CV-RRとPWR2両者の値が高いほど,再会時の近接・接触維持傾向が低く,回避傾向が高いことが示された。CV-RRは副交感神経系の活動を表す指標であり,PWR2は副交感神経の影響を大きく受けている領域である。実験時における児の行動は単に母子相互交渉だけではなく,児が新生児期の行動特徴にも影響を受けることが示された。