著者
久保田 秀和 黒橋 禎夫 西田 豊明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.86, no.8, pp.600-607, 2003-08-01
被引用文献数
4

本論文では,知識カードを用いた分身エージェントの実現手法を提案し,EgoChatシステムとして実装した.分身エージェントとは作成者本人の代理として任意のユーザと会話可能なエージェントである.提案手法では分身エージェントの会話コンテンツを知識カードと呼ばれる意味的なまとまりをもつ文章断片を用いて構築し,分身エージェントの発話とユーザの発話とを同様の扱いが可能な知識カードとして扱う.知識カードを用いた会話生成は文章断片の組合せによって行われるため,分身エージェント作成者にとってエージェントとユーザとの間で行われる会話内容を予測することはたやすく,会話生成のためのコンテンツ作成作業が容易である.また,会話型エージェントが実社会で利用されるためには利用者からの反応や状況の変化に応じた会話コンテンツの継続的な改訂作業が必要となるが,提案手法では分身エージェントがユーザとの間に行った会話を会話ログとして記録し作成者本人ヘフィードバックすることによって,会話コンテンツの改訂作業を支援する.
著者
岩爪 道昭 武田 英明 西田 豊明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理
巻号頁・発行日
vol.95, no.265, pp.79-86, 1995-09-28
被引用文献数
4

本稿ではオントロジづこ基づく情報の収集・分類法を提案する.近年、インターネットに代表される情報ネットワークで提供される情報源は急速に多様化、大規模化しており、人間の処理能力では対応が困難になってきている.従来の情報検索ツールには、対象領域に関する体系的な知識が欠如しているため、ユーザの要求と関連のあるものは何か判断したり、検索結果を体系的に分類して分かりやすく示すことは不可能であった.我々は、情報ネットワークに散在する大量の情報群から、オントロジ-を利用して必要な情報を自動的収集・分類する知的エージェントIICAを考案し、プロトタイプシステムの開発を行った.また、WWWおよびネットワークニュースを対象した情報収集および分類の評価実験を行った.実験の結果、我々のアプロ-チが、広域ネットワークに散在する多様な情報の収集・分類に有効であることが明らかになった.
著者
前田 晴美 糀谷 和人 西田 豊明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報学基礎(FI)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.70, pp.1-8, 1996-07-25
被引用文献数
2

既存の雑多で構造の不均質な情報を統合する手法を提案する.基本となるアイディアとして,雑多な情報をゆるやかに関連づけるための連想構造とよぶデータ構造を用いる.連想構造は単純な表現であり,生データから容易に生成できることと,人間が直観的に理解しやすいことが特徴である.我々は,連想構造を用いて既存の情報源から情報を収集し,整理する過程を支援するシステムCM?2を試作した.CM?2では,()既存の雑多で構造の不均質な情報源から情報を取り込み,CM?2の連想構造を生成する情報キャプチャ機構,()与えられた視点から情報の切り出しと構造化を行う知的情報統合機構,()キーワードによる連想的な検索を可能にする連想検索機構を実現した.CM?2の有効性を実験によって確かめた.In this paper, we present a method to reorganize diverse information obtained from existing information sources. The basic idea is the use of a plain information representation called associative structures which enable to link information chunks using associative indexing. It is easy to generate associative structures from raw data and they are comprehensive to humans intuitively. We have developed a system called CM-2 which helps users to gather and reorganize information from existing information sources. We describe the system's three major facilities; (a) an information capture facility which allows users to gather information from heterogeneous information sources and generate CM-2 associative structures, (b) an information integration facility which helps users to reorganize information from the user's point of view, and an (c) associative retrieval facility which gives users access to information through associative indexing mechanisms using keywords. We verify our approach by analyzing results of experiments.