著者
吉田 雅則 西澤 真樹子 見明 暢 和田 岳
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本申請研究においては当初の目的どおり、博物館や資料館に収蔵されている動物(主に哺乳類)の骨格標本から「手」を題材としてフォトグラメトリーにより3Dデータ化、3Dプリンタによる立体出力を行い、手作業による組み立てを経て正確な交連骨格標本のレプリカを作成する。さらにデザイン関係者やアートの実践者、博物館関係者に向けて広く公開し、様々な意見や活用方法に関するレスポンスを得るなどし、それぞれの専門分野への応用の糸口を探ることを目的としている。当該年度においては、昨年度に確立したクリーンなデータを得る手法や立体出力のノウハウを基盤とし、それを実践。撮影方法やデジタルツールの使用法を工夫しつつさらなる効率化を獲得することができた。また「大阪市立自然史フェスティバル」、「いきもにあ」などの展示イベントへの出展や日本哺乳類学会における自由集会での発表なども行うことができ、デザイン関係者や博物館関係者からの意見を収集するなど、当初の目的に適った発表を行うという点においても順調である。さらに、特定非営利活動法人静岡県自然史博物館ネットワークの協力により、ヘラジカの前肢の骨格を借り受けてスキャンを実現した。前年ながら欠損した部分が数点見つかったため、現在は今後は足りない部分を他の標本から流用したりゼロから仮の形状の制作を行うなどの展開を見込んでいる。また、現在は大阪市立自然史博物館より、カバ、シカ、ゾウの前肢を借り受けてスキャンを行っている。 新たな展開としては微細な動物の拡大模型についても検討中である。
著者
大田 尚作 古賀 俊策 相良 二郎 見明 暢 見寺 貞子 友定 聖雄 小玉 祐一郎 Syosaku OTA Shunsaku KOGA Jiro SAGARA Nobu MIAKE Sadako MITERA Masao TOMOSADA Yuichiro KODAMA
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
芸術工学2015
巻号頁・発行日
2015-11-25

2014年度の芸術工学研究所年間活動は、大きく以下の2点を挙げることが出来る。1点目は医とデザイン領域において、医療用器具としての「シューズ用除菌装置の試作開発」である。試作に関してはMIKCS(生命医学イノベーション創出人材センター)との連携を密にし、機構設計・筐体設計・アッセンブリを各々部署で分担し時間的ロスを効率的に進めることが出来た。また、その成果をMIKCSの一般社団法人設立総会において披露し、ポートピアホテルに於いてプレス発表までを行った。2点目は本学において、医療現場における映像と空間・モノというキーワードを設定し、医療従事者、建築家、メーカーの専門家による講師を招きセミナーを開催した。Annual activities of Research Institute of Arts and Design (RIAD) for 2014 are as follows:1. As a collaborative study between medicine and design, we developed sterilization apparatus for shoes. In particular, RIAD and Medical Innovation Kobe Community System (MIKCS) progressed efficiently design of the mechanism, chassis, and assembly. We presented the outcome of these activities at MIKCS establishment meeting for general incorporated association, and further conducted press release of the information at Kobe Portopia Hotel.2. Kobe Design University started research activities regarding images, space, and product in medical field and organized a research seminar inviting experts of medical area, architect, and product manufacturer.
著者
田頭 章徳 久慈 達也 見明 暢 佐久間 華 馬場田 研吾 松本 雄樹 金子 晋也 Akinori TAGASHIRA Tatsuya KUJI Nobu MIAKE Hana SAKUMA Kengo BABATA Yuki MATSUMOTO Shinya KANEKO
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
芸術工学2012
巻号頁・発行日
2012-11-30

優秀な学生、より上を目指す学生をさらに高いレベルに引き上げる目的で立ち上げたデザインチーム DESIGN SOIL は、教員と学生がともにデザイナーとして参加し、質の高い展示会への出展を軸に活動している。DESIGN SOIL では、参加学生に学生としてではなくプロのデザイナーとして作品を発表し、展示会に臨むことを要求している。2011年度は、家具産業が抱える輸送コストの問題に取り組むべく、「SOUVENIR.機内持ち込みができるパッケージサイズの家具、インテリアエレメント.」をテーマとして作品制作を行い、Salone Satellite 2011 やTIDE EXHIBITION 2011 などの最高峰の選抜展に出展を果たした。展示会では、多くの批評、賞賛を得ることができた。多数の先鋭的な雑誌媒体などに掲載されたのも、純粋に作品が評価されたということであり、大きな成果である。最高峰の展示会への出展を目標としているため、参加学生たちの作品の質は概ね向上した。展示会への参加を通して、大学のカリキュラムだけでは経験を積むことが難しい、展示会でのプレゼンテーションの仕方、取り組む姿勢を目の当たりにし、意識改革ができたことは非常に重要な成果である。次年度以降も活動を継続し、教育の方法論の確立を目指したい。"DESIGN SOIL" is a design team which has launched with the aim of raising talented or ambitious students to higher level. The selected students and young teachers participate as a designer to it and the activities is based on exhibiting in high-quality exhibitions. We require the students to make a design and participate in exhibitions as not just a student, but a professional designer.We developed theme of "SOUVENIR . furniture or interior elements which could be dismantled and stored in a package within the hand-luggage size limit allowed by airlines .", and we have participated in top-level exhibitions 'Salone Satellite 2011' and 'TIDE EXHIBITION 2011'.
著者
相良 二朗 見明 暢 田頭 章徳 種村 留美 長尾 徹 野田 和恵 Jiro SAGARA Nobu MIAKE Akinori TAGASHIRA Rumi TANEMURA Toru NAGAO Kazue NODA
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
芸術工学2013
巻号頁・発行日
2013-11-25

少子高齢化が進行している我が国において、認知症者の増加は予想をはるかに上回り、2012年時点で高齢者人口の15%にあたる約462万人が認知症を発症していると発表された(朝田隆、厚生労働省研究班、2013)。一方、2010年現在、高齢者のいる世帯は全体の4割を占め、独居高齢者は男性140万人、女性346万人と推計されている(平成24年版高齢者白書、内閣府)。加齢に伴う生活不安の一つは自身あるいは家族が認知症になることであり、認知症が進行すれば在宅生活をあきらめざるを得ない。アルツハイマーに代表される認知症は進行性の疾患であり、数年間に及ぶ初期症状の段階を経て要介護状態となる。この初期段階における日常生活上の困難や混乱によって生じる「問題行動」は生活行為を縮小させ、認知機能の廃用を引き起こし、認知症の進行を早める危険性がある。著者らは、生活環境とりわけ日常生活で使用する家庭電化製品等(以下家電等と略記)が認知機能の低下に配慮していないことに起因していると仮定し、独居もしくは日中独居の高齢者がどのような家電等を継続使用しているのか、使用を中断したものはないか、といった調査を行い、その結果から認知力が低下しても継続使用が可能な家電等のデザイン方法について7つの知見を得た。In 2013, a research unit of Ministry of Health, Labor and Welfare announced that more than 4.62 million are dementia and around 4 million are MCI (Mild Cognitive Impairment), extremely exceeding expectation. On the other hand, households which have elderly counted 42% in 2010 in Japan. The cabinet estimated 1.3 million men and 3.5 million women of over 65 live alone.One of the fears of aging people is to be a dementia. People must move to institute when the stage of dementia goes deep. The dementia like an Alzheimer's disease become worth in several years, after intermediate stage so called MCI. In this intermediate stage, if some kind of problems happens, family member tend to take his/her independent activities. This makes dementia worth.The authors interviewed 91 elderly who live alone to find what kind of everyday technology are still used or quite using. Finally we found seven items of knowledge to design those elderly friendly.
著者
相良 二朗 種村 留美 長尾 徹 野田 和恵 田頭 章徳 見明 暢 ペイター ボンジェ
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

認知症者を含む独居高齢者(日中独居を含む)91名を対象に、スウェーデンのカロリンスカ研究所が開発したETUQ(日常生活機器使用状況調査表)を用いて訪問調査を実施した。その結果、高齢になり、家族環境の変化や認知力の低下などから、使用が中断された家電製品等の存在や、継続的に使用されている家電製品等が抽出され、それらの特徴が明らかとなった。また、認知力が低下した独居高齢者が抱えている日常生活上の問題が明らかとなった。これらの問題に対し、継続使用が可能な家電製品のインタフェース・デザインについていくつかの知見を得ることができ、適切な使用を促す音声ガイドの有効性が試作を通して明らかとなった。また、音声ガイドのあり方についての知見も得ることができた。
著者
見明 暢 萩原 祐志
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.15-20, 2006-01-31

移動しながら複数の店舗で買い物を楽しむ場合,渋滞や駐車場不足に悩まされることが多い。この問題を解決するために,カーバイシクルと呼ばれるシステムもあるが,最近の若者が好む店舗は繁華街から少し離れた地区の狭い道路に面していることが多く,また,それぞれの店舗は少しずつ離れているため,カーバイシクルも便利な方法とは言えない。本研究は,こうした問題の解決と若者のニーズに応えることを目的として,新しい移動用機器の提案・制作・評価を実施したものである。提案のために,ユーザーの意識調査・類似製品調査を行い,その結果を踏まえ,デザイン・制作を行った。その後,利用該当地区における走行実験・聞き取り調査・商品性の分析を行い,妥当性について考察した。その結果,提案物を用いた移動システムは,製品(システム)として成立する可能性を有することが示された。