著者
長谷川 伸吾 赤池 英夫 角田 博保
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.30, pp.1-5, 2012-03-14

タブレットを使用する際、操作の安定性を高めるために両手で端末を把持する状況がある。しかし、画面サイズが大きいタブレットでは親指が届かない位置へのタッチ入力が困難になってしまう。この問題を解決するために本研究では、タブレットを両手で把持した状態で使用可能な 13 種類の操作と、それらの入力時に発生する固有の加速度と音の特徴を用いた判別方法とを持つ入力手法 "Taplet" の提案と評価をおこなった。評価実験の結果、音についてはおよそ 88.1%、加速度については 50.6% の分類精度を持つことがわかった。そのため、加速度によって入力を検出し、音によって入力を分類するという雑音環境でも利用可能な判別方法を実装し、そのテストをおこなった。For stable operation, tablet devices are often used by holding in both hands. But, in such situation, it is hard to touch screen positions where no finger can reach. To solve this problem, we proposed a set of interactions called "Taplet" and evaluated it. Taplet conveys user's intentions to application softwares on a tablet using acoustic features obtained by doing specific behavior to the device. It can classify 13 different interactions(simply tapping, tapping with nail, scratching and so on) with about 88.1% accuracy. And, even under noisy environment, it can detect the timing of those interactions by catching change of acceleration as a trigger.
著者
塚本 徳子 角田 博子 菊池 真理 負門 克典 佐藤 博子 川上 美奈子 福澤 晶子 岡部 薫 向井 理枝 源新 めぐみ 平松 園枝 斎田 幸久
出版者
Japan Association of Breast Cancer Screening
雑誌
日本乳癌検診学会誌 = Journal of Japan Association of Breast Cancer Screening (ISSN:09180729)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.239-246, 2007-10-30
参考文献数
9
被引用文献数
3 2

わが国で現在乳癌検診の中心はマンモグラフィで行われているが, 高濃度乳房である閉経前女性に対して超音波検診が注目されている。超音波検診の成績は過去多くの報告があるが, 日本乳腺甲状腺診断会議 (JABTS) によりまとめられた超音波検診の要精査基準に従って精度管理され行われたシステムでの報告はまだない。われわれは技師が検査を行い, 医師がこの要精査基準に従って判定した3年間の検診成績をまとめ, この体制での乳房超音波検診の有用性について検討した。<br>乳房超音波検査延べ受診者は17,089名であり, 約90%が50歳未満であった。判定は, カテゴリー1が8,289名 (48.5%), カテゴリー2が8,183名 (47.9%), カテゴリー3以上の精査対象者が616名 (3.6%) となった。このうち73.4%にあたる452名の追跡が可能であり, 48名 (0.28%) が乳癌と診断された。手術症例46例の中で早期乳癌は37例 (80.5%) あり, そのうちマンモグラフィでは検出できなかったものは16例と43%を占めていた。<br>乳房超音波検診の診断に際し, 乳房超音波診断ガイドラインを診断基準に用いることで, 有所見率の高いと言われている超音波検査でも精査率を上げ過ぎることなく早期乳癌の検出に寄与することができた。
著者
藤田 晋也 赤池 英夫 角田 博保
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.28, pp.9-16, 2009-03-06

本研究では,ウェアラブル機器向けの新しい日本文入力手法を提案する.近年,携帯電話やスマートフォンのような携帯情報端末が急速に普及してきており,ウェアラブルコンピュータも登場し始めている.このような環境では,フルキーボードに代わる優れた入力手段が求められている.そこで,曖昧性をもった運指情報と,これを絞込むための統計的手法を用いた入力手法を提案,実装し,有用性の評価を行った.評価実験により,平均で 1 分間あたり 33.5 文字の漢字かな混じり文を入力できることが示された.これは,同一被験者群におけるフルキーボード入力速度の 42.9% に相当し,実用に値するような入力速度が得られることを確認した.In this research, we propose a new Japanese text input method for wearable devices. Recently, handheld terminal such as cellular phone and smartphone is widely used, and wearable computers begin to appear. In such environment, a more suitable alternative to a full keyboard is required. Then, we proposed the input method using ambiguous fingerwork information and statistical techniques that restrict the information. As a result of an evaluation experiment, it turned out that 33.5 Japanese characters per a minute could be typed in on an average. It reached to 42.9% of the full keyboard input speed in the same test subject group, and we confirmed that practicable input speed was obtained with the proposed method.
著者
角田 博明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, no.1, pp.413-414, 1996-09-18
被引用文献数
2

周回衛星による移動体衛星通信サービス開始を数年後に控え,またほぼ同じ時期にアジアを中心とした静止衛星による同様なサービスが計画されている.一方わが国では,静止衛星を対象に技術開発要素の大きい分野を中心として衛星搭載機器の研究開発を進めている.本稿では,このような状況を踏まえ,静止衛星による移動体通信では不可欠な大型展開アンテナについてその技術の動向と将来の展望を概説する.
著者
久野 靖 角田 博保
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.29, no.9, pp.854-861, 1988-09-15
被引用文献数
3

近年 ピットマップ画面とマウス装置を持ち Unixオペレーティングシステムを搭載した高機能ワークステーションが多く見られるようになっている.しかし実際にこれらのシステムの使われ方を見ると 利用者は単にピットマップ画面上に複数の端末窓を開き その上で作業をしているにすぎないことが多いように思われる.そこで筆者らはそのような環境の問題点を分析し ごく少数のツールを作成することでその欠点を補うことを試みた.これらのツールは既存のUnix環境を置き換えるものではなく Unixの多数の指令群と有機的に組み合わせて使えるようなものとした.これらのツール群は起動されると端末窓とは独立に窓を開き そこに表示された情報は利用者が陽に指示するまで消えることなく利用可能である.これらのツール群により非常に多数の窓が作られるため その有機的な関係を整理し使いやすくすることにも留意した.またこれらのツール群の有効性を調べるための簡単な模擬実験も行ったが その結果 必要な情報がスクロールして消えて行ってしまうという端末窓の問題点が大幅に改善されたとの感触を得た.