著者
角谷 詩織 無藤 隆
出版者
上越教育大学
雑誌
上越教育大学研究紀要 (ISSN:09158162)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.101-112, 2010-02-28

本研究では、テレビ番組の種類として、特に、日本民間放送連盟から放送モラルについての要請が出された経緯をもつ、ドラマ、お笑いのバラエティ、トーク番組、歌・音楽番組の視聴が、子どもの社会的・心理的不適応を高めるのかについて検討する。首都圏40km圏内から無作為抽出された、第一回調査時の小学5年生1,006名を対象とし、2001年2月〜2004年2月の間、毎年1回の縦断的調査を実施した。テレビ要因の他に、子どものメディア所持、テレビゲーム、スポーツや勉強の得意不得意、担任教師との信頼関係、生活習慣、学校の楽しさといった、子どもの社会的・心理的適応に重要な影響力をもつとされている要因を含めた分析を行った。縦断的因果関係を検討するに当たり、小学5年生から小学6年生、中学1,2年生へ、小学6年生から中学1,2年生、中学1年生から中学2年生への縦断的偏相関係を求めた。分析の結果、長期的に子どもの社会的・心理的不適応を高める要因が見出された。児童期後期におけるドラマ、お笑いのバラエティ、トーク番組、歌・音楽番組の視聴は、特に中学生になってからのルール違反傾向や不安傾向を高める要因として機能する可能性が示唆された。「よく見る番組」の要因は、小学5年生から中学2年生にかけて、社会的・心理的不適応状態に比較的安定した影響力を示したことから、その影響が無視できないものであることが推測された。
著者
角谷 詩織
出版者
上越教育大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究の目的は,小・中学生の放課後の過ごし方が,彼らの適応感や学業への態度(学習意欲など)にどのような影響を与えるのかを検討することである。質問紙調査(平成19年7月,平成20年3月,平成20年7,11月),観察(平成19年7月~平成21年12月),インタビュー(平成21年3月)を主たる研究手法とした。小学生での放課後の読書をはじめとするリテラシー活動,中学生における部活動が学習意欲や学業コンピテンスを高める可能性が示唆された。
著者
角谷 詩織 無藤 隆
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.79-86, 2001-06-25 (Released:2010-07-16)
参考文献数
28
被引用文献数
2 4 9

In this study, the significance of extracurricular activities in the life of junior high school students was examined. Seventh and eighth graders participated in a two-stage questionnaire survey, administered in May and October. Based on developmental stage-environment fit theory (Eccles, Wigfield, & Schiefele, 1998), how well extracurricular activity settings fit needs of the students was analyzed. In support of the theory's hypothesis, results indicated that whether an extracurricular activity satisfied the student's developmental needs affected his/her sense of fulfillment and satisfaction in school life. In addition, the effect of seventh graders' commitment to extracurricular activities on their satisfaction of school life was stronger in October than in May. The findings suggested that for students who felt uneasy in class for whatever reasons, extracurricular activities provided an opportunity for relief.
著者
角谷 詩織 無藤 隆
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
お茶の水女子大学子ども発達教育研究センター紀要
巻号頁・発行日
vol.3, pp.75-87, 2006

不安な気持ちの現れや社会的ルール違反傾向を指標とし、テレビを中心とするメディア接触が青少年の意識や行動に及ぼす影響を検討した。首都圏40km圏内から無作為抽出された小学5年生(第1回調査)とその保護者1500組に対して、2001年2月より、毎年1回4年間の追跡調査を行った。第1回調査時での中学2年生、第4回調査時での小学5年生と保護者それぞれ350組ずつも調査対象とした。思春期の発達的変化がみられるとともに、子どもの社会的ルール違反傾向や不安な気持ちを高める要因は多様であること、その中で、テレビを中心とするメディアの要因も含まれることが示された。
著者
角谷 詩織 無藤 隆
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
お茶の水女子大学子ども発達教育研究センター紀要
巻号頁・発行日
vol.1, pp.97-105, 2004
被引用文献数
1

本研究の目的は、児童・生徒の理科に対する意識を、他の教科および諸活動に対する意識との比較によって捉えることである。首都圏および地方の小学5年生から中学3年生4,127名を対象とし、国語、社会、算数(数学)、音楽、体育、家庭科、技術、図工(美術)、英語、総合的学習、給食、休み時間、部活動の13の教科・活動に対する意識を調査した。分析の結果、理科は、中学2、3年生で好事きな教科としてあげる生徒が少ないことが示された。しかし、技術を除く他の12の活動についても同様に、学年とともに、特に中学2、3年生で、好きな教科・活動としてあげる生徒は他の学年よりも少ないことも示された。特に、中学3年生の女子では、他の教科と比較したときにも理科を好きな教科としてあげる生徒が少なかった。一方、男子の全学年、女子の小学5年生から中学2年生まで、他の教科よりも理科が好きな児童・生徒が多いとが示された。「理科嫌い」という問題が女子において顕著であること、同時に、思春期を迎える子どもを囲む学校全般で、教科・諸活動に対するポジティブな意識を高める実践の必要性が考察された。