- 著者
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金 炫
- 出版者
- 東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林
- 雑誌
- 東京大学農学部演習林報告 (ISSN:03716007)
- 巻号頁・発行日
- vol.102, pp.1-69, 1999
本研究は5章から構成されている。第I章では,本研究の背景,目的,対象地について述べ,さらに研究の進め方の立脚点を明確にして,温泉地研究の中での本研究の位置づけを行った。本研究の目的は,(1)韓国の温泉地開発の現状を把握するとともに,法制度を中心とした韓日両国の相違点の分析を通して韓国における温泉地開発の特徴を明らかにし,韓国での温泉地開発の今後の課題を考察する。(2)韓日の温泉地における街路空間と街路景観の実態を明らかにし,現状の温泉地景観の特徴を把握する。(3)韓日両国の温泉地の景観評価構造と両国の差異を明らかにし,韓国における今後の温泉リゾート地の景観のあり方に関して考察することの3点である。研究の対象地としては,韓国において,宿泊施設やレクリエーション施設などの集積があり,それが資源となって明確な温泉街が形成されている水安堡温泉,白岩温泉,釜谷温泉を選定した。一方日本においては,伝統的な温泉地景観を有する代表格であり,独自に景観条例を制定し,伝統的な町並みの保存に努めている城崎温泉を対象地とした。