著者
ハザリカ へマンタ 片岡 俊一 笠間 清伸 金子 賢治 末次 大輔
出版者
The Japanese Geotechnical Society
雑誌
地盤工学ジャーナル (ISSN:18806341)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.13-23, 2012
被引用文献数
8

東北地方太平洋沖地震は,その地震動および津波によって東日本の広範囲で甚大な被害をもたらした。本論文は,青森県三八上北地方および岩手県北部において発生した地盤災害に対しての調査結果をまとめたものである. 調査地域の範囲内では地震そのものより複合性のある被害(例:津波による地盤災害や液状化による被害など)が顕著であった. 本論文では, 特に地震動, 押し波, 引き波および構造物の構造形式などを着眼とした太平洋沿岸部の被害について述べる.
著者
金子 賢治 岸野 佑次
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
応用力学論文集 (ISSN:13459139)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.385-396, 2001-08-29 (Released:2010-03-17)
参考文献数
23

Observing numerical results obtained by Granular Element Method, we discuss the incremental stress-strain behavior of granular materials. We assume a periodic boundary for the numerical experiments to avoid disturbances caused by boundary controlling. Stress-probe tests starting with the intermediate data of a bi-axial compression test give a set of incremental stress-strain relationships. The result indicates that the flow direction for plastic loading is not constant as is assumed in the classical plasticity theory and depends on the direction of the stress increment. Comparing the numerical results with a proposed flow rule, we conclude that the origin of the direction dependency is the volumetric component of plastic strain.
著者
神野 憲博 濱田 純一 金子 賢治
出版者
一般社団法人 日本鉄鋼協会
雑誌
鉄と鋼 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.103, no.9, pp.539-548, 2017 (Released:2017-08-31)
参考文献数
50
被引用文献数
1

In this study, Cu-added ferritic stainless steel sheets were investigated to understand the influences of Cu contents on the high-temperature strength during the high-temperature deformation. High-temperature proof stress at 700~900°C was improved greatly by addition of more than 1% of Cu. In the case of static aging at 900°C, the rod-shaped ε-Cu particles satisfied the K-S orientation relationship with the α matrix, but spherical-shaped ε-Cu particles without specific orientation relationship started appearing during the tensile deformation at 900°C. Similarly, the spherical-shaped and fine ε-Cu particles were observed during the thermal fatigue process in the temperature range from 200°C to 700°C with a 50% restriction ratio. During the observation using the high-temperature in-situ TEM straining, it was clarified that the ε-Cu particles were divided by dislocation shearing and parts of them were found dissolved. According to the LSW theory, it was suggested that the microstructure with fine and spherical-shaped ε-Cu particles was formed by the repetition of dissolution and precipitation during the high-temperature deformation.
著者
諸山 正則 今井 陽子 唐澤 昌宏 木田 拓也 北村 仁美 横溝 曠子 三上 美和 金子 賢治 内藤 裕子 服部 文隆
出版者
独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

明治期に万国博覧会が開催された地域の主要美術館のコレクションの調査を平成22年度はヨーロッパ、同23年度はアメリカにおいて、工芸作品の所在及び実地の調査を実施した。イギリスのアシュモリアン美術館と大英博物館(担当:唐澤昌宏、服部文孝)、フランスのチェルヌスキ美術館とギメ美術館、装飾美術館、エルリー美術館(担当:北村仁美、三上美和)、ドイツ、チェコ、オーストリアではハンブルグ工芸美術館、マインフランケン美術館、ナープルステク・アジア・アフリカ・文化博物館、プラハ国立美術館、オーストリア国立応用美術館、ウィーン民族学博物館、ゲルマン博物館(担当:今井陽子)、アメリカではフィラデルフィア美術館とウォルターズ美術館、フリーア美術館、国立自然史博物館(担当:諸山正則)、フィールド・ミュージアムとミシガン大学美術館、サン・アントニオ美術館(担当:横溝廣子)、ポートランド美術館とロサンゼルス・カウンティ・ミュージアム、サンフランシスコとシアトルのアジア美術館(担当:木田拓也)で各種の明治期工芸の収蔵作品調査を実施した。追加調査として、横溝が、ロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート美術館で漆工や金工作品等の調査を行った。そうした明治期に各地で開催された万国博覧会に出品された工芸作品や海外の有力なコレクションとして流出した近代工芸の優れた作品資料の実地調査が達成され、データの収集及び撮影に基づく記録が作成された。各担当で整理しその特質を研究して調査成果を論考にまとめ、報告書『明治期に流出した近代工芸作品の調査』を編集発行、統一されたデータとして整理し、データベース化を検討した成果を掲載した。
著者
金子 賢治 馬場 則男 陣内 浩司
出版者
公益社団法人 日本顕微鏡学会
雑誌
顕微鏡 (ISSN:13490958)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.37-41, 2010
被引用文献数
1

<p>近年,電子線トモグラフィ(TEM-CT)法がナノスケールの空間分解能で内部の複雑な立体的情報を解析する手法として注目を集めています.本稿ではその1:原理と題してTEM-CT法の原理や歴史的背景,連続傾斜像の撮影と再構築,ラドン変換や再構成法について概説します.</p>
著者
富山 秀男 金子 賢治 石村 速雄 長谷部 満彦 市川 政憲 岩崎 吉一 岡島 尚志 大場 正敏 藤井 久栄 品田 雄吉 草壁 久四郎 登川 直樹
出版者
東京国立近代美術館
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1990

アメリカやカナダを中心とする北米地域に限定しての本研究では、映画,写真,デザインの3分野でそれぞれ下記の諸施設を実地調査し、大きな成果を挙げることができた。それらはいずれヨ-ロッパと合体した形式により、海外における本課題全般を扱う詳しい調査報告書としてまとめる予定である。(1)映画 カナダではモントリオ-ル国立フィルム局、オタワの国立フィルム・ア-カイヴ、トロントのオンタリオ・シネマテ-ク、ヴァンク-ヴァ-の太平洋シネマテ-ク。アメリカではスタンフォ-ド大学フィルム・ヴィデオ図書館など。カナダの国立フィルム・ア-カイヴの活動は国費によってフィルムの収集、保存、修複、上映などの諸事業を積極的に行っており、それに対応する施設面でも同じ建物内に広い保存庫を持っていて参考になった。またその他の機関も州や民間組織と連携して活発な保存、上映活動が行われているのには感心させられた。(2)写真 カナダ国立美術館、カナダ現代写真美術館(オタワ)、アメリカではシカゴ美術館、ジョ-ジ・イ-ストマン・ハウス国際写真美術館、ニュ-ヨ-ク近代美装館、ニュ-ヨ-ク国際写真センタ-、ニュ-ヨ-ク歴史協会、ニュ-オ-リンズ美術館、サン・アントニオ美術館、サンタフェ美術館、アモン・カ-タ-美術館(フォ-トワ-ス)、ポ-ル・ゲッティ美術館(マリブ)、サンフランシスコ市立美術館の各写真部。このうち写真を展示する場合の照明について、イ-ストマン・ハウスやニュ-ヨ-ク近代美術館を代表とする多くの施設で、歴史的なものと現代作家のものでは大幅に照度を変えていること、及びその科学的根拠などについて大いに学ぶところがあった。収蔵庫については、白黒写真とカラ-写真とで保存に適する温湿度条件が異なるための措置として、どの施設でも別々の保存庫を備えていること、及びそのデ-タを得てきた。またそうした低温保存のカラ-写真を展示場に出す場合の取扱い方法として、守らなければならない配慮とそのための設備も各所で実見し、シカゴ美術館が最もコンパクトで合理的であるとの感想を得た。なお、展示品以外の研究者用閲覧にどう応じるかの制度や方法についても、各館多少の差違を持ちながら一様に門戸を開いており、それを可能ならしめるためのスタディ・ル-ムのあり方を数えられた。収集作品については各館まちまちだが、いずれも性格をもつことが意図されており、国際的な集め方から地域や時代を限定したものまでさまざまであった。最後に収蔵作品の分類や整理に関しては、どの施設もコンピュ-タ-を導入して鋭意その作業を進めている最中であり、時代、テ-マその他いろいろな検索が瞬時にして可能なのには目を見張った。これは写真部だけには限らないが、最も基本的な体制のあり方として、当方の遅れが痛感された事柄である。(3)デザイン オタワに新設されたカナダ文明史博物館、カナダ漫画美術館 ミネアポリスのウォ-カ-・ア-ト・センタ-、シカゴの現代美術館、ニュ-ヨ-クのク-パ-・ヒュイット美術館、アメリカン・クラフト美術館など。新設の文明史博物館は考古から現代美術までを幅広く手がけるなかで、工芸やデザインについての関心が強く、「日本の包装」などの企画展を開催した施設、外国の民族的文化もさかんに紹介している。ウォ-カ-・ア-ト・センタ-は美術のみならず前衛舞踊、音楽、演劇をも重視する新しい芸術活動の推進の場として機能しており、デザインや写真についても市民(成人や子供)向けの教育プログラムに組み入れて実演、制作を行っているのが印象的だった。またク-パ-・ヒュイット美術館はデザイン部門の作品収集で最大施設の一つ。スミソニアン・インスティテュ-ションの運営だが、研究者向けの特別観覧の制度に学ぶベきものが多かった。アメリカン・クラフト美術館の取り上げる各種デザインの幅広さ、それらを包括する視点の独自さが注目された。なお、最後にこれら北米諸機関を実地調査するに当り、映画、写真、デザインのそれぞれに関して我が国では入手困難な多くの資料、カタログ類及び多数の図書を購入することができ、今後の研究に道すじがついたことを感謝の念をもって報告したい。