著者
萬谷 直樹 岡 洋志 佐橋 佳郎 鈴木 理央 綾部 原子 鈴木 まゆみ 神山 博史 長田 潤 木村 容子 伊藤 隆
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.197-202, 2015 (Released:2015-11-05)
参考文献数
27
被引用文献数
17 14

甘草による偽アルドステロン症の頻度については十分にわかっていない。われわれは甘草の1日量と偽アルドステロン症の頻度の関係について,過去の臨床研究を調査した。甘草を1日1g 使用した患者での偽アルドステロン症の頻度は1.0%(平均)であった。1日2g,4g,6g での頻度はそれぞれ1.7%(平均),3.3%,11.1%(平均)であった。過去の文献において,偽アルドステロン症発症頻度の用量依存的な傾向が示唆された。
著者
米山 宏 鈴木 まゆみ 藤井 浩一 小田島 安平
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.49, no.7, pp.585-592, 2000-07-30 (Released:2017-02-10)
参考文献数
14

三種混合ワクチン(DPT)接種とBCG接種によるアトピー性疾患発現効果と抑制効果について検討するために, 東京都神津島村在住の0歳から3歳の全小児82名, 小学1年生全生徒31名および中学1年生全生徒30名, 合計143名を対象として調査を行った.0歳から3歳児では, DPT接種群におけるアトピー性疾患(22/39人, 56.4%), 気管支喘息(10/39人, 25.6%)の各頻度は非接種群におけるそれぞれの頻度(4/43人, 9.3%, 1/43人, 2.3%)に比して有意に高率であった(p<0.01).またアトピー性皮膚炎の頻度(7/39人, 18.0%)も非接種群(1/43人、2.3%)に比して有意に高率であった(p<0.05).小学1年生では, ツベルクリン反応陽性者にアトピー性疾患を有するものはなかった.しかし, 中学1年生では関連はみられなかった.以上より, DPT接種はアトピー性疾患の発現に促進的に作用する可能性を持ち, BCG接種はアトピー性疾患の発現を抑制するが, その抑制効果はかならずしも持続的なものではない可能性があると考えられる.
著者
木村 容子 清水 悟 田中 彰 鈴木 まゆみ 杵渕 彰 稲木 一元 佐藤 弘
出版者
社団法人日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.265-271, 2008-03-20
参考文献数
19
被引用文献数
6 10

抑肝散およびその加味方の有効な頭痛の患者タイプを検討した。対象は,随証治療にて抑肝散およびその加味方を投与した頭痛の患者45人(男性6人,女性39人,中央値38歳,範囲25-68歳,片頭痛34例,緊張型頭痛6例,混合型頭痛5例)とした。年齢,性別,身長,体重と,初診時に認められた体質傾向と随伴症状からなる31項目を説明変数とし,頭痛改善の有無を目的変数として,多次元クロス表分析により最適な説明変数とその組み合わせ検討した。この結果,単変量解析では,抑肝散による頭痛改善に有効な情報は,「眼痛」,「背中の張り」,「目の疲れ」,「イライラ」の順であった。多変量解析では,「眼痛」,「イライラ」,「背中の張り」の組み合わせが,抑肝散による頭痛改善を予測する一番よいモデルとなった。古典的考察を加え,抑肝散およびその加味方は「肝」と関連する頭痛において治療効果を期待できると考えられた。また,抑肝散およびその加味方は,呉茱黄萸で軽快するもののストレスによって再び増悪する頭痛にも有効で,ストレスなどの頭痛発作の誘因や増悪因子を抑えるはたらきがあると推察された。従来,抑肝散には緊張興奮型などの腹証が重要視されてきたが,本研究では興味深いことに,むしろ背部所見に頭痛改善と強い相関を認めた。これまで抑肝散に関する背部所見の有用性について述べた報告はなく,今後は抑肝散証では背診も重要となることが示唆された。
著者
米山 宏 鈴木 まゆみ 藤井 浩一 小田島 安平
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.49, no.7, pp.585-592, 2000
被引用文献数
3

三種混合ワクチン(DPT)接種とBCG接種によるアトピー性疾患発現効果と抑制効果について検討するために, 東京都神津島村在住の0歳から3歳の全小児82名, 小学1年生全生徒31名および中学1年生全生徒30名, 合計143名を対象として調査を行った.0歳から3歳児では, DPT接種群におけるアトピー性疾患(22/39人, 56.4%), 気管支喘息(10/39人, 25.6%)の各頻度は非接種群におけるそれぞれの頻度(4/43人, 9.3%, 1/43人, 2.3%)に比して有意に高率であった(p<0.01).またアトピー性皮膚炎の頻度(7/39人, 18.0%)も非接種群(1/43人、2.3%)に比して有意に高率であった(p<0.05).小学1年生では, ツベルクリン反応陽性者にアトピー性疾患を有するものはなかった.しかし, 中学1年生では関連はみられなかった.以上より, DPT接種はアトピー性疾患の発現に促進的に作用する可能性を持ち, BCG接種はアトピー性疾患の発現を抑制するが, その抑制効果はかならずしも持続的なものではない可能性があると考えられる.