著者
石川 健三 鈴木 久男 中山 隆一 河本 昇 末廣 一彦 JACKIW Roman WIEGMANN Pau 細谷 裕
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

低次元場の理論の研究とその応用をテーマとする本研究では、量子ホール効果の場の理論、重力の量子論並びに弦の量子論が中心的課題として取り上げられた。これら物理学の基本的諸問題に関する多方面にわたる研究が展開され、以下の成果があげられた(1)極めて特異な量子的な物理現象である量子ホール効果の厳密性に関して、ホール系のガス状態が負の圧縮率を持つことが示され、さらにこのことより縦抵抗が有限な値をとる現実の実験状況下でもホール抵抗の値が厳密に量子化されることがしめされた。また、量子的な多体効果が重要な働きをしている分数量子ホール諸問題について、空間の対称性を最大限に保つvon Neumann格子表現を使い、相互作用によりfluxが凝縮し、Hofstadterのbutterflyスペクトルと同様なものになる一粒子状態を持つflux相に基ずく新しい平均場理論が提案された。この意味で、Hofstadterのbutterflyスペクトルと分数量子ホール効果の関連が初めて明らかにされた。(2)時間や空間の反転に関する不変性を破る超伝導では量子ホール系と同様に電磁場に対するChern-Simons項が導かれる。磁場の役割をp波のCooper対凝縮がし、u(1)対称性が破れているときのChern-Simons項の係数には補正があること等について解明された。(3)任意次元に一般化された偶数次元のChern-Simons作用が無限階質量殻上既約という極めて特殊なゲージ対称性の構造を持つ理論であることが示されまたこの理論の量子化に成功した。(4)3次元Chern-Simons重力と4次元BF理論を格子上にのせる試みに成功した。(5)ストリング理論におけるD-Particleの有効理論のコンフォーマル対称性が示され、またハミルトンーヤコービ方程式を用いたストリングの新しい定式化にせいこうした。(5)超弦理論について、その相転移がヒッグス場による対称性の破れと解釈できる相転移点まわりでの物理量の計算について、定量的に解析する技術の開発に成功した。(6)量子情報理論における量子的絡み合い状態についてのエントロピーの持つ関係式の導出に成功した。
著者
脇谷 尚樹 鈴木 久男 篠崎 和夫 篠崎 和夫
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

強誘電体(BaTiO_3)と強磁性体(CoFe_2O_4またはNiFe_2O_4)を複合化させたエピタキシャル成長薄膜を作製し、強誘電性と強磁性の相互作用について検討を行った。複合薄膜の強誘電特性に及ぼす外部磁場の印加効果を調べたところ、磁場印加によって強誘電性が変調されることを見いだした。SrRuO_3/(La,Sr)MnO_3/CeO_2/YSZ/Si基板上に作製したBaTiO_3-NiFe_2O_4エピタキシャル成長複合薄膜の断面TEM観察結果より、作製した薄膜はともにナノ粒子状のBaTiO_3 とNiFe_2O_4がエピタキシャル成長関係を保ちながら分相している、0-0型の複合構造をしていることが明らかになった。
著者
脇谷 尚樹 鈴木 久男 坂元 尚紀 篠崎 和夫 符 徳勝
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

成膜時に磁場印加が可能なPLD装置(ダイナミックオーロラPLD)を用いてNb-SrTiO3(001)単結晶上にエピタキシャル成長させたSr過剰組成のSrTiO3薄膜には基板の垂直方向に向かって自発的に超格子構造が生成する。この現象が生じるメカニズムとしてはスピノーダル分解であることが明らかになった。また、この薄膜では強誘電性が発現するが、その原因はスピノーダル分解によって生じた、組成の異なる層の界面におけるひずみのためであると考えられた。
著者
細川 満子 千葉 敦子 山本 春江 三津谷 恵 山田 典子 今 敏子 工藤 久子 玉懸 多恵子 鈴木 久美子 古川 照美 桐生 晶子 櫻田 和子
出版者
青森県立保健大学
雑誌
青森県立保健大学雑誌 (ISSN:13493272)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.159-165, 2008-12

本研究の目的は、効果的な在宅看護実習を展開するために、学生に実習前に身につけさせたい態度について、教員はどう捉えているか明らかにすることである。研究方法は、北東北3県の教育機関34校に所属する在宅看護実習担当教員を対象に郵送法による無記名式自記式質問紙調査を実施した。調査の結果、13名から回答(回収率は38.2%)が得られた。回答者の臨床経験年数は平均7.0年、教員としての経験年数は平均10.4年であった。実習前に、学生に身につけさせたい態度として293コード抽出され、『対象者の生活様式・価値観にあわせた行動ができる』、『信頼関係形成に向けた行動ができる』、『礼節を重んじることができる』、『学生自身の自立した生活ができる』、『主体的に学ぶことができる』、『医療人としての倫理性を遵守できる』の6カテゴリーとなった。在宅看護実習では、学生は生活者である療養者を援助する者として、『学生自身の自立した生活ができる』ことが基盤となる態度であり、全てのカテゴリーのベースになっていることが考えられた。在宅看護は療養者とその家族の多種多様な生活事象の理解をした上で、健康問題や生活課題をアセスメントし、生活条件やQOLの向上、維持を図る看護について「生活モデル」での援助を展開する必要がある。在宅看護において看護師は訪問者としての立場で支援関係を成立させて、限られた時間で看護を展開するという特徴があるため、『対象者の生活様式・価値観にあわせた行動ができる』ことが重要である。そのためには『信頼関係形成に向けた行動ができる』、『礼節を重んじることができる』態度が在宅看護実習では必須である。また、今後ますます求められる『医療人としての倫理性を遵守できる』ことや、『主体的に学ぶことができる』態度を形成するための教育内容が必要であることが示唆された。
著者
小町 守 鈴木 久美
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.217-225, 2008 (Released:2008-03-11)
参考文献数
16
被引用文献数
3 6

We propose a method for learning semantic categories of words with minimal supervision from web search query logs. Our method is based on the Espresso algorithm (Pantel and Pennacchiotti, 2006) for extracting binary lexical relations, but makes important modifications to handle query log data for the task of acquiring semantic categories. We present experimental results comparing our method with two state-of-the-art minimally supervised lexical knowledge extraction systems using Japanese query log data, and show that our method achieves higher precision than the previously proposed methods.