著者
宮下 寿哉 中村 由行 比嘉 紘士 田中 陽二 伊藤 比伽留 池津 拓哉 金谷 一憲 鈴木 崇之
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.I_1213-I_1218, 2017 (Released:2017-10-17)
参考文献数
9

2016年8月~9月に連続的な岸壁調査および計4回にわたる船上調査を実施し,東京湾湾奥部における複数の湧昇イベントを捉えた.4回の船上調査のうち一度は青潮発生の直前に対応し,残りのうち2回は青潮に至らない弱い湧昇の直前とそのピーク時に対応していた.各湧昇イベント時の水塊の起源推定を行ったところ,青潮発生時には千葉本航路内でも湾央側の航路底層から硫黄を含む水塊が岸壁まで湧昇し青潮に至ったものと推定された.一方,弱い湧昇時では比較的浅い層の湧昇にとどまり,水面の着色や濁度の上昇はなく青潮として確認されなかったが,その期間には航路内で硫化物や硫黄が活発に生成していたことが示唆された.
著者
菅田 理一 鈴木 崇之
出版者
鳥取看護大学・鳥取短期大学
雑誌
鳥取看護大学・鳥取短期大学研究紀要 = MEMOIRS OF TOTTORI COLLEGE OF NURSING AND TOTTORI COLLEGE (ISSN:21898335)
巻号頁・発行日
no.86, pp.57-64, 2023-01-16

本稿は市区町村要保護児童対策地域協議会(以下,「要対協」とする)の課題を探ることを目的とし,2017 年から2021 年までの先行研究のレビューを行った.その結果,「要対協調整機関の職員の体制強化と専門性確保」「支援対象の定義の曖昧さ」などの課題が抽出できた.要対協は今後,子ども家庭総合支援拠点,子育て世代包括支援センター,児童相談所と連携する必要があり,連携効果の向上に資するような研究がさらに求められている.
著者
陸田 明智 小倉 由佳理 佐藤 愛子 寺井 里沙 鈴木 崇之 升谷 滋行 宮崎 真至 本淨 学 角野 奈津
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.276-282, 2014 (Released:2014-06-30)
参考文献数
25

目的 : レジンペーストの保管温度条件がその硬化物の機械的性質に及ぼす影響について, 曲げ特性および表面硬さを測定するとともに, レーザー顕微鏡を用いてコントラクションギャップの観察を行うことによって検討した.  材料と方法 : 供試したレジンペーストは, ユニバーサルタイプのEstelite Σ Quick, BeautifillⅡ, Filtek Supreme UltraおよびSolareの4製品, インジェクタブルタイプのMI Fillの合計5製品とした. レジンペーストの保管温度条件は, 5℃冷蔵庫保管 (冷蔵条件), 23℃室温保管 (室温条件) およびコンポジットレジン加温器を用いて45℃にした条件 (加温条件) の合計3条件とした. これらの保管温度条件で硬化させた試片について, 曲げ強さ, 曲げ弾性率およびヌープ硬さを測定するとともに, レーザー顕微鏡を用いてウシ抜去歯にレジンペーストを充塡した際のコントラクションギャップの観察を行った.  成績 : レジンペーストの保管温度条件が, 曲げ強さおよび曲げ弾性率に及ぼす影響は, いずれの製品においても, 冷蔵条件と比較して室温および加温条件で有意に高い値を示した. ヌープ硬さについては, いずれの製品においても, 冷蔵条件と比較して室温および加温条件で有意に高い値を示したが, その傾向は製品によって異なるものであった. コントラクションギャップの観察については, いずれの製品においても, 冷蔵条件においては窩洞隅角部にギャップの形成が顕著に観察されたが, 室温条件ではギャップ幅が減少し, さらに加温条件では, ほかの条件と比較してギャップ幅の減少が観察された.  結論 : レジンペーストの保管条件としての環境温度は, その機械的性質および窩壁適合性に影響を及ぼすことが示唆された.
著者
三通田 脩人 鈴木 崇之 比嘉 紘士
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.I_577-I_582, 2017 (Released:2017-10-17)
参考文献数
12

これまでに実施された波崎海岸における波打ち帯の岸沖漂砂量分布特性の検討により,その特性に基づいた前浜地形変化モデルが提案され,地盤高変化や汀線変化が再現可能であることが報告されている.この前浜地形変化モデルを他海岸に適用させるには,波の遡上高さの推定において海底勾配による波特性変化等を考慮させる必要がある.そこで本研究では,既往モデルの他海岸への適用に向けた検討として,底質粒径の異なる海岸への適用を行う際に波の遡上高さ推定時に未知係数を導入し,計算結果として求められる地盤高変化,汀線位置等の精度について検討を行った.その結果,海底勾配の決定に起因する底質粒径を変数とした未知係数を決定させることで,他海岸への適用が可能であることが示唆された.
著者
辻本 暁正 鈴木 崇之 佐藤 愛子 寺井 里沙 高橋 史典 川本 諒 坪田 圭司 高見澤 俊樹 宮崎 真至
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.162-169, 2014 (Released:2014-05-07)
参考文献数
26

目的 : 光重合型コンポジットレジン (光重合型レジン) 修復の臨床応用範囲の拡大に伴って, 大型窩洞に対して一括で充塡できるバルクフィルコンポジットレジンが開発され, 臨床応用されている. しかし, このカテゴリーに属するコンポジットレジンの市販から間もないこともあり, これらの機械的諸性質に関する情報は少ないのが現状である. そこで, バルクフィルコンポジットレジンの機械的諸性質について, 市販されているコンポジットレジンと比較, 検討した. 材料と方法 : 供試した光重合型レジンは, バルクフィルレジンとしてTetric N-Ceram Bulk Fill (Ivoclar Vivadent) およびSDR (Dentsply DeTrey), ユニバーサルコンポジットレジンとしてTetric N-Ceram (Ivoclar Vivadent) およびEsthet・X HD (Dentsply DeTrey), フロアブルコンポジットレジンとしてTetric N-Flow (Ivoclar Vivadent) の合計5製品を用いた. これらの光重合型レジンについて, 硬化深さ, 無機フィラー含有量, 曲げ強さおよび曲げ弾性率および体積重合収縮率を, 通法に従って測定した. また, 供試した光重合型レジンのフィラー性状について, フィールドエミッション型SEMを用いて加速電圧10kVの条件で観察した. 成績 : バルクフィルレジンの硬化深さは, 3.42~4.27mmであり, その値は製品により異なるものの, 市販の光重合型レジンと比較して有意に高い値を示した. 供試した光重合型レジンの無機質フィラー含有量は60.3~77.5wt%であり, ペーストタイプの光重合型レジンがフロアブルタイプのものと比較して有意に高い値を示した. バルクフィルレジンの曲げ強さは123.3~127.5MPaおよび曲げ弾性率は7.0~8.0GPaであり, その値は製品により異なるものであった. バルクフィルコンポジットレジンの照射開始180秒後の体積重合収縮率は, 2.12~2.23vol%であり, ユニバーサルコンポジットレジンより大きく, フロアブルコンポジットレジンより小さい値を示した. 結論 : 本実験の結果から, バルクフィルコンポジットレジンは, 市販の光重合型レジンと比較して, その硬化深さの値が大きくなっているとともに機械的強度も同等あるいはそれ以上であった. したがって, これらのバルクフィルコンポジットレジンは, 今後の光重合型レジン開発の一つの方向性になるものと考えられた.
著者
森 信人 鈴木 崇之 木原 直人
出版者
京都大学防災研究所
雑誌
京都大学防災研究所年報 (ISSN:0386412X)
巻号頁・発行日
no.53, pp.425-432, 2009

沿岸域における台風時の強風時の表層近くの強混合鉛直混合を対象に着目し,現地観測と数値計算を実施した。両者の解析結果から台風接近時に顕著な水温の低下が観測され,極浅海で生じる低温水が沖に輸送されて沿岸部の水温を低下される。海面での海面粗度やTKEフラックスを波浪のスペクトルから与えることにより,台風最接近時の水温低下が再現されている。Since major driving forces of vertical mixing processes are wind and wind wave mixing, the boundary condition of turbulent kinetic energy flux at the ocean face is formulated as cubic of friction velocity by Craig-Banner relation. It is not well verified in general conditions including wave conditions and shallow water environment. This study estimates effects of wave conditions on vertical mixing processes at the ocean upper layers in the stormy condition. The field observation was conducted during typhoon Melor in 2009. The observed water temperature distributions indicate importance of wind and wave induced mixing in the nearshore. The numerical results show that the wave induced vertical turbulent flux significantly influences on the water temperature and the current, respectively.
著者
鈴木 崇之 佐野 善一 小林 透 安達 克樹 持田 秀之 岩堀 英晶 立石 靖
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会九州支部会報 (ISSN:02853507)
巻号頁・発行日
no.71, pp.44-46, 2005-05-15

サツマイモネコブセンチュウ汚染圃場に薬剤処理区と無処理区を設け, サツマイモ(高系14号, 九州139号, ジェイレッド)-ダイコンの体系試験を実施した.無処理区で線虫に感受性品種である高系14号を栽培すると減収, 塊根の線虫害, 線虫密度の増加が顕著だったのに対し, ジェイレッドを栽培すると減収, 塊根の線虫害はほとんどなく, 線虫密度も栽培期間を通じて低く推移した.いずれの試験区でもダイコン根部には線虫による実害はなかったが, ジェイレッド跡では後作ダイコンの根こぶ指数も小さく, 線虫密度も翌年春まで低く維持された.