著者
鈴木 明美
出版者
日本オーラル・ヒストリー学会
雑誌
日本オーラル・ヒストリー研究 (ISSN:18823033)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.154-164, 2006

This paper has a purpose to analyze a collaborative work of Etsu Inagaki Sugimoto. Sugimoto wrote a book called A Daughter of the Samurai in English in 1925. The book received wide recognition both in America and Europe. Although A Daughter of the Samurai classified as an autobiography, we could clarify the book as a work of fiction. I would like to show a collaborator of this book, an American woman called Florence Mills Wilson. Sugimoto and Wilson were life long friends, worked together with their united hearts and minds. Their cross-cultural experiences led to a collaborative work of a life story of a daughter of the samurai, contained full of sympathy.
著者
鈴木 明美
出版者
名古屋市立大学
雑誌
人間文化研究 (ISSN:13480308)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.13-24, 2008-06

本稿は、明治期に渡豪した初期移民、柏木坦の半世紀にわたる足跡を考察し、オーストラリアにおける日本人移民史の一端を明らかにすることを目的とする。オーストラリアにおける日本人移民は、北部のトレス海峡に位置する木曜島で真珠貝採取業に従事した自由・契約労働移民とクィーンズランド州のサトウキビ農園で契約労働に従事した人々に大別できる。移民のなかには、オーストラリアに定住し、実業家となったり、契約労働期間終了後に別の事業に従事した人々がいる。これらの人々は、連邦結成後、白豪主義が導入されたオーストラリアで、外国人登録をして生活していたが、第二次世界大戦開戦と同時に、「日本人」であることを理由に、「敵性外国人」として強制収容された経験を持つ。終戦後、ほとんどの「日本人」が本国送還されたが、木稿で取り上げる柏木坦は、オーストラリア人の妻とオーストラリア生まれの娘がいたことなどを理由に、残留を許可された少数の「日本人」のうちの一人である。和歌山県出身の柏木は、木曜島で日本人コミュニティーのリーダー的存在として活躍後、ブリスベンで実業家として成功した。オーストラリア連邦公文書館には、敵性外国人として強制収容された「日本人」の個人ファイルが保管されており、一部を除いて公開されている。木稿は、公文書館のファイルをもとに、オーストラリアにおける日本人移民史を個人の記録から読み解こうとするものである。
著者
福島 脩美 土田 恭史 森 美保子 松本 千恵 鈴木 明美
出版者
目白大学
雑誌
目白大学心理学研究 (ISSN:13497103)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.63-75, 2007

カウンセリング研修参加者間の話し手・聴き手役割演習(模擬カウンセリング)において,まず個別方式(2人の間で相互に話し手と聴き手を交代)で実施し,次に集団(井戸端会議)方式(小集団内で1人の話し手に他の参加者が共同の聴き手になって順次全員が話し手となる方式)で実施し,最後に一人で想定書簡によって経験の整理を行うという3つの演習をセットにしたプログラムを開発し,その効果を体験振り返り評定と感情気分評定によって検討した。体験振り返り評定は,先行研究の参加者体験報告(自由記述)をもとに項目化し,専門家の点検と因子分析を経て,クライエント体験評定については2因子(関係性因子と効果性因子),カウンセラー体験評定については1因子(共感的傾聴成分)が同定され,3つの尺度が作成された。そして事前の感情気分評定の後,研修プログラムを構成する各方式の直後に感情気分評定とクライエント/カウンセラー体験の評定を求めた。その結果,感情効果(肯定的感情の促進と否定的感情の緩和)においても,クライエント体験(関係性と効果性)評定とカウンセラー体験(共感的傾聴)評定においても,個別方式の効果をその後の集団(井戸端会議)方式がさらに促進すること,そして想定書簡の後には幾分か低下することが認められた。この結果から,それぞれの方式の特徴と意義について考察した。
著者
糸井 裕子 福島 道子 郷間 悦子 鈴木 明美 金子 順子 小野崎 美幸 竹中 陽子 落合 佳子 吉田 昌 足羽 紀子 鈴木 美智江 原 毅
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は、がん医療における多職種連携を基盤にがん患者の適応支援、症状緩和によりQOLの向上を目指すものである。特に早期に退院し社会復帰することが可能な腹腔鏡下胃切除術を受けたがん患者の社会復帰による問題を明確にし、対応策を多職種で開発した。この対応策や情報をホームページで公開し支援している。支援は、医師、看護師、栄養士、理学療法士、ソーシャルワーカー等で行っている。また、がん患者による相互支援を助けるためにWEB版サバイバーシップも運営している。そして、ホームページ利用者の活用頻度とQOLの関連を調査しアウトカムを評価した。