著者
長井 隆行
出版者
電気通信大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究は、子供と自律で遊ぶことのできるロボットを実現するために、まずロボットの開発や子供と遊ぶための遊びモジュールの開発を行った。また、保育士と子どもの遊びを観察することで、子どもと長く遊ぶために必要な要素を検討した。その結果、子どもの表情や行動から子どもの内部状態を推定し、その結果に基づいて行動を決定するモデルを構築した。実際に幼稚園の子どもを被験者とした大規模な実験を行い、その有効性を検証した。また、ロボットと子どもの物理的な接触が関係構築に有効であることや、子どもの性格に応じたインタラクション方法があることを実験的に明らかにした。
著者
中村 友昭 西原 成 長井 隆行 船越 孝太郎 長坂 翔吾 谷口 忠大 岩橋 直人
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

本稿では,マルチモーダル情報によって構築される物体概念と,人の発話を教師なしで形態素解析することで切り出される単語から,ロボットによる語意の獲得を行う.ロボットは,言語などの初期知識を持たないことを想定しているため,音声認識では必ずしも正しく人の発話を認識できるとは限らない.そこで,本稿では物体概念と同時に言語モデルも学習することで,認識誤りの影響を低減し,概念・語意の獲得が可能であることを示す.
著者
Muhammad Fadlil Attamimi Muhammad 阿部 香澄 中村 友昭 長井 隆行
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

知能ロボットが実環境で行動するためには,物体や動き,場所など様々な概念とその関係性を獲得する必要がある.本稿では,多層マルチモーダルLDA を用いた物体,動き,場所,人物の概念形成及び統合を行い,さらに語意を獲得する手法を提案する.相互情報量を用いることで単語と概念の結び付きを獲得し,教示発話における概念の発火順を学習することで,観測データに対する文章生成を実現することを考える.
著者
長井 隆行 影広 達彦 金子 正秀 搏松 明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.721, pp.103-108, 2001-03-22
被引用文献数
1

本報告では,複雑な背景を持つ情景画像から自動的に文字を抽出する手法について述べる.提案方法は.フィードフォワードニューラルネットワークをベースとしている.ニューラルネットワークは,画像中の小領域(ブロック)内の特徴量から.その領域が文字であるか非文字であるかを判別する.その際,文字の特徴量として.ウェーヴレット変換係数.独立成分分析の結果,特徴空間からの距離を組み合わせて用いることで.高精度の識別を行う.また.色による画像の領域分割をベースとした看板領域抽出手法も提案する.文字抽出法と看板抽出法を統合することにより.情景画像中に存在する文字を効率よく抽出することが可能となる.最後に.実際の情景画像を用いた実験結果により.提案方法の有効性を明らかにする.
著者
阿部 香澄 岩崎 安希子 中村 友昭 長井 隆行 横山 絢美 下斗米 貴之 岡田 浩之 大森 隆司
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.263-274, 2013 (Released:2013-05-15)
参考文献数
29
被引用文献数
4

There has been many problems in situations surrounding children such as child neglect, deterioration in the quality of play, etc. We believe that robotic playmates would greatly help to solve these problems. In this paper we propose a playmate robot system that can play with a child. Unlike many therapeutic service robots, our proposed playmate system is implemented as a functionality of the domestic service robot with a high degree-of-freedom. This means that the robot can play with children at a high level, i.e., beyond a therapeutic effect, using its physical features. To sustain the player's interest in the system, we also propose an action selection strategy based on a transition model of the child's mental state. The robot can estimate the child's state and select an appropriate action in the course of play. Part of the proposed algorithms was implemented on a real robot platform, and experiments were carried out to design and evaluate the proposed system.
著者
谷口 忠大 岩橋 直人 新田 恒雄 岡田 浩之 長井 隆行
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

ロボティクス,音声言語,画像研究を含むマルチモーダルインタラクション研究の発展に伴い,自律ロボットが人間と共生することを目標としつつ,記号過程を内包した人間知能構成論的理解を進める研究が始まっている.ロボットが人間や環境との相互作用を通して,コミュニケーションに必要な知識を発見・理解・学習・運用する過程の研究を計算論的に統合することは重要である.本発表では当該研究領域について概説する.