著者
久良木 優太 宮澤 和貴 青木 達哉 堀井 隆斗 長井 隆行
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020)
巻号頁・発行日
pp.1Q3GS1104, 2020 (Released:2020-06-19)

人間は複数の感覚情報を利用することによって,1つの感覚情報よりも正確で抽象度の高い情報表現を得ることができる.とりわけコミュニケーションにおいてこの情報表現は重要となる.コミュニケーションでは,話し手が自らの感覚器官により観測した情報を言語化して表現する一方で,聞き手は話し手から得た言語情報を自らの感覚器官で得られる情報へと変換することで話し手の言葉を理解する.このように情報は双方向にやり取りされるため,マルチモーダル情報を単方向に予測するだけでは不十分であり,双方向に予測可能でなければならない. 本研究ではBERTを用いて物体画像と言語情報を相互に予測可能なモデルを提案する.提案モデルの有用性を検証するためにクロスモーダル情報予測とマルチモーダル情報の分類タスクを行った.結果として,マルチモーダル情報表現を獲得し,物体画像と言語情報に関するクロスモーダル情報予測が可能なことを示した.また,マルチモーダル情報を利用することで,単モダリティのみを利用した場合よりも分類精度が向上することを示した.
著者
谷口 忠大 岩橋 直人 新田 恒雄 岡田 浩之 長井 隆行
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第25回 (2011)
巻号頁・発行日
pp.2B2OS22a1, 2011 (Released:2018-07-30)

ロボティクス,音声言語,画像研究を含むマルチモーダルインタラクション研究の発展に伴い,自律ロボットが人間と共生することを目標としつつ,記号過程を内包した人間知能構成論的理解を進める研究が始まっている.ロボットが人間や環境との相互作用を通して,コミュニケーションに必要な知識を発見・理解・学習・運用する過程の研究を計算論的に統合することは重要である.本発表では当該研究領域について概説する.
著者
本間 大貴 青木 達哉 堀井 隆斗 長井 隆行
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.3J2GS6b03, 2021

<p>近年,我々の生活を直接支援してくれるホームロボットの実現が期待されているが,未だ実現には至っていない.その理由の1つとして,ロボットにおける人間の言語命令の処理の難しさが挙げられる.例えば,与えられた発話の内容はいつ行うべきなのかを,ロボットが判断できる必要がある.「キッチンのシンクに片づけて」と言われたとき,その内容をすぐに行うと判断し,何も物をつかむことなくシンクに行ってしまっては意味がない.また,発話は人間が与えるものであるため,言い間違えをしてしまう可能性がある.そのため,発話を全て鵜呑みにせず,発話が妥当であるかどうかをロボット自身が判断する必要がある.提案手法は,ロボットの状態の遷移,各状態におけるマルチモーダル情報の分布を学習する確率モデルを利用し,状態ごとの単語の出力分布から言語命令の尤度を計算することで,先述した2つの問題を解決する.提案手法の有効性を示すため,時制の推定精度を他の手法と比較した.また,発話が間違っていた場合に,発話者が本当に言いたかったと思われる発話をスムーズに提示できるか,そもそも発話を疑うことでどれほど精度が向上するかを定量的に示した.</p>
著者
三木 晴子 阿部 香澄 堀井 隆斗 長井 隆行
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.185-188, 2021 (Released:2021-03-24)
参考文献数
5

This paper proposed a developmental support system of toddlers' language skills by using a telepresence childcare robot. The childcare robot can attract toddlers' attention during interaction based on its actions. This ability is a significant advantage that differs from static devices (i.e., tablet). Our system and robot played language quizzes with toddlers to collect developmental information about toddlers' language skills. They made reports for a childcare worker to help their assessment in the visiting support program. Experimental results showed that our system has the potentials to evaluate toddlers' language development quantitatively and support childcare workers in the visiting program.
著者
嘉藤 佑亮 中村 友昭 長井 隆行 山野辺 夏樹 永田 和之 小澤 順
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.1Q4GS1101, 2020 (Released:2020-06-19)

本研究では人が行う巧みな動作をロボットに学習させ,小売店舗における商品整列動作を行う.人は初期環境が異なれば同じタスクであっても異なる戦略を使うことでより最適な動作を行うことができる.そこで我々はロボットが初期状態に応じた戦略を自律的に選択できるシステムを提案し,シミュレーション上の強化学習によって獲得した複数の整列動作モデルとそれらを使い分けるための判別器を作成した.このシステムを使用して整列タスクを実施した結果,1つの動作モデルのみを使用した場合よりも精度の高い整列を実現した.また,シミュレーション上で学習した動作モデルを使用し,実環境においても整列動作が可能であることを確認した.
著者
中村 友昭 安藤 義記 長井 隆行
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回全国大会(2015)
巻号頁・発行日
pp.2D3OS12b1, 2015 (Released:2018-07-30)

これまでロボットが取得したマルチモーダル情報をカテゴリ分類することで,物体概念を形成する手法を提案してきた.しかし,我々が用いている概念は物体概念だけではなく,色を表す概念や,硬さを表す概念など物体の特徴を表す概念も存在している.そこで本稿では,HDPにCRPによるモデル選択を導入し,物体だけではない様々な概念を同時に形成する手法を提案する.
著者
長野 匡隼 中村 友昭 長井 隆行 持橋 大地 小林 一郎 金子 正秀
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.2G404, 2018 (Released:2018-07-30)

本稿では,連続的な時系列データを教師なしで分節化する手法を提案する.ガウス過程(GP)を出力確率分布とした隠れセミマルコフモデル(HSMM)により,連続的な身体動作を単位動作に分節化する手法(GP-HSMM)が提案されている.しかし,GP-HSMMでは,予め分類されるクラス数を与える必要があった.そこで,階層ディリクレ過程(HDP)を導入することで,GP-HSMMをノンパラメトリックベイズモデルに拡張したHDP-GP-HSMMを提案する.提案手法では,GPから単位動作が生成され,それらが結合されることで,動作全体が生成されると考える.クラス数を階層ディリクレ過程とSlice Samplingにより決定し,Forward filtering-Backward samplingによりパラメータを推定することで教師なしの身体動作の分節化が可能となる.
著者
中村 友昭 長井 隆行
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.23-32, 2016-12-30 (Released:2017-09-01)
参考文献数
17

In this study, we define concepts as categories into which a robot classifies perceptual information obtained through interaction with others and the environment, and the inference of unobserved information through the concepts is defined as understanding. Furthermore, a robot can infer unobserved perceptual information from words by con-necting concepts and words. This inference is the understanding of word meanings. We propose probabilistic models that enable robots to learn concepts and language. In this paper, we present an overview of the proposed models.
著者
稲邑 哲也 タン ジェフリートゥ チュアン 萩原 良信 杉浦 孔明 長井 隆行 岡田 浩之
出版者
Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.698-709, 2014

ロボカップ@ホームはHuman-Robot Interaction (HRI) 研究の発展のために,今後重要な位置づけを持ったコンペティションである.HRIにおける研究開発では,膨大な量の対話実験による経験データベースが必要となる場合が多いが,実機のロボットでは実験実施のコストが高く,また,シミュレーションでは人間とロボットとの身体的インタラクションに制約が生じる.そこで,没入型のユーザインタフェースと,複数のクライアントが同時に同一の仮想世界にログイン可能な機能の双方をロボットシミュレータに搭載し,HRI研究を促進させることの可能なロボカップ@ホームシミュレーションの枠組みを提案する.また具体的なシステム実装に必要となる基盤技術の設計指針を示す.
著者
中村 友昭 長井 隆行 岩橋 直人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.375, pp.7-12, 2010-01-14

本稿では,ロボットが身体性を利用することで取得する視覚・聴覚・触覚のマルチモーダル情報を用い,総合的に物体のカテゴリ分類を行うことで,物体概念を形成する手法を提案する.ロボットは,複数の情報を利用することにより,今まで画像だけでは分類することができなかった物体であっても分類することができるようになり,より人間の感覚に近い物体概念を形成することが可能である.提案するアルゴリズムはグラフィカルモデルに基づいており,物体のカテゴリゼーションはそのパラメータである条件付確率を推定する学習の問題となる.提案手法は教師なし学習であるため,人間が正解を教えることなくロボットの自律的なカテゴリゼーションが可能である。また,学習結果を利用した未知物体のカテゴリ認識や,カテゴリを通した機能の確率的推定も可能となる.さらに本稿では,マルチモーダルLDAにより形成された概念を基に,単語の意味を接地する手法を提案する.提案手法では,入力されたマルチモーダル情報に対応する単語を確率的に推論することや,単語からその単語が指す概念を推定すること,さらに単語とモダリティとの結びつきを求めることが可能となる.本論文では,提案するアルゴリズムを実際のロボットに実装することで,提案手法の有効性を示す.
著者
中野 幹生 能勢 隆 田口 亮 水谷 了 中村 友昭 船越 孝太郎 長谷川 雄二 鳥井 豊隆 岩橋 直人 長井 隆行
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.23, 2009

発話と画像情報を入力として,物の名前を覚えるロボットが研究されているが, 名前を覚えさせるモードをあらかじめ設定しておかなくてはならなかったり, 名前を覚えさせる発話のパタンが決まっていたりした.本稿では,さまざまな ドメインの対話を行うことができ,対話の途中で物の名前を教示する発話を聞 くと学習を行うことができるロボットのアーキテクチャとその実装について述 べる.
著者
岩崎 安希子 下斗米 貴之 阿部 香澄 中村 友昭 長井 隆行 大森 隆司
出版者
Japan Society of Kansei Engineering
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18840833)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.219-227, 2013
被引用文献数
2

Various robots had been developed lately, not only for industrial use but for home use too. In our previous study, we had developed a playmate robot system that is designed to play with children. Child personality observation is important during play situations for smooth interaction, in order to sustain the child's interest. Therefore, we considered that the robot system should be able to distinguish children's personality types or tendencies. As a result, the relationship between the child's personality test score and head movement observed during the robot play interaction was found to be significant. This suggests the possibility of an adaptive robot system that plays with children in accordance to each child personality.
著者
半田 正樹 長井 隆行 榑松 明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CAS, 回路とシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.717, pp.1-6, 2001-03-22
参考文献数
7

音声認識システムでは、周囲に雑音が存在すると認識率が大幅に低下してしまう.複数の人が音声認識システムを利用するような環境では、入力音声に周辺の人の音声が重畳してしまい誤認識をしてしまう.この様な環境でも音声認識システムを効率的に使うためには、入力音声から周辺の人の音声を分離する必要があり、混合音声の分離方法を確立することが求められる.そこで本稿では、周波数振り分けによるマルチチャンネルの混合音声の分離法を提案する.これは、Caoらが提案する固有分解法の周波数領域での解釈から導かれる.本手法は、入力音声をFFTにより周波数領域に変換し、各周波数成分が元々どのチャンネルの成分だったのかを判断して、周波数の振り分けを行うことにより音声分離を行う.独立成分分析(ICA)との性能比較、計算機シミュレーションにおける実験結果、および実環境での実験を通して、本提案手法の有効性を明らかにする.