著者
蔡 兆申 中村 泰信 阪本 利司
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.63, no.12, pp.1232-1238, 1994-12-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
43

トンネル素子の微細化を進めると,ある時点で系の静電エネルギーが十分大きくなり,熱ゆらぎや量子ゆらぎに対して無視できない量になる.このような素子にひとつ余分に電子を出したり入れたりするのには,ある決まった量の余分なエネルギーが必要である.このような物理を利用した回路技術がシングルエレクトロニクスであり,例えば一素ゲート電荷 (Qgate=e) のみにより,電流のオンオフやひいては単一電子の輸送の制御などのことができる.本文ではわれわれがAl接合により作製した単一電子電荷計,電子箱,電子トラップなど各種回路の動作実験を中心に,シングルエレクトロニクスの研究動向および将来の展望を考察する.
著者
森岡 あゆ香 辻 幸秀 白 旭 宮村 信 阪本 利司 杉林 直彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, no.2, 2015-08-25

不揮発の抵抗変化素子であるNanoBridgeを用いた再構成可能回路は、従来のSRAMを用いた再構成回路に比べて高い電力効率を有している。今回、NanoBridgeを用いた再構成回路に実装した論理回路の電力・遅延を評価するための静的タイミング解析ツール(STA)を構築した。単位セルであるリーフセルの選択、実デバイスとの比較について報告する。精度を落とさずリーフセル数を大幅に削減することに成功し、短時間で遅延時間と電力の評価ができ、実測とも一致した。
著者
川浦 久雄 阪本 利司 砂村 潤 馬場 雅和 佐野 亨 飯田 一浩 井口 憲行 馬場 寿夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SDM, シリコン材料・デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.640, pp.23-26, 2003-02-03

近年の電子線リソグラフィー技術は10nmレベルまで達し、ナノサイズのデバイス作製が可能になった。ナノデバイスの魅力は、マクロスコピックな素子では実現不可能な機能を提供可能な点にある。例えばナノデバイスにより、量子効果の検出、単一電子帯電効果の増幅、原子・分子の直接ハンドリング等が可能となる。本稿では、上記機能を利用した3種のナノデバイス(極微細MOSFET、10値記憶可能な単一電子素子メモリ、ナノバイオ素子)について紹介する。