- 著者
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阿部 俊彦
- 出版者
- 公益社団法人 土木学会
- 雑誌
- 土木学会論文集D1(景観・デザイン) (ISSN:21856524)
- 巻号頁・発行日
- vol.73, no.1, pp.37-51, 2017 (Released:2017-11-20)
- 参考文献数
- 10
- 被引用文献数
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7
東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県気仙沼市内湾地区では,震災前は防潮堤が無かったため,宮城県から示されたL1津波を防ぐための防潮堤の計画高さに対して,多くの地域住民が反対した.筆者は,住民等で構成される内湾地区復興まちづくり協議会のコーディネーターとして,協議体制を構築し,模型やCGなどを使ったワークショップを企画運営に関わり,宮城県が設計を進めていた防潮堤の高さ,位置,形式,意匠デザインの設計変更案の検討支援をおこなった.本研究では,その合意形成に至る一連の協議プロセスを整理し,多主体が関係する景観デザインのプロジェクトにおけるコーディネーターとしての専門家の役割と工夫を示すことを目的とする.