著者
村上 貴美子
出版者
関西福祉大学社会福祉学部研究会
雑誌
関西福祉大学社会福祉学部研究紀要 = The Journal of the Department of Social Welfare (ISSN:1883566X)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.23-30, 2014-03-20

1922 年に制定された健康保険制度が,わが国最初の社会保険制度であることは周知の事実である.1868 年,明治維新を迎えた我が国は,西欧諸国の文化・社会経済に直面することとなった.その一側面に「保険」制度との出会いがある.民営保険が発展していく中で,1880 年代から90 年代にかけて各種「国営保険」論が展開された.本論は,各種国営保険論が社会政策的意義を持つ「社会保険」に収斂する過程を検証した.
著者
村上 貴美子
出版者
関西福祉大学社会福祉学部研究会
雑誌
関西福祉大学社会福祉学部研究紀要 (ISSN:1883566X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.39-47, 2013-03

1907(明治40)年3月19 日法律第11 号として公布された癩予防ニ関スル法律は,1996(平成8)年3月31 日法律第28 号をもって廃止されるまでの約1世紀にわたるハンセン病対策の基本政策を形成した.本論は,癩予防ニ関スル法律の制定要因を検証することにより,その後の差別意識醸成の根源の一つが法制定時に内在することを明らかにした.癩予防ニ関スル法律の制定に至る過程は,三段階に分けて考えることができる.第1段階は,ハンセン病を伝染病としての取り扱いを議論する段階であり公衆衛生上の論法である.第2段階は,伝染病対策を急性伝染病対策と慢性伝染病対策に分離する段階である.第3段階は,単独法として癩予防ニ関スル法律の制定を議論する段階である.この間一貫している論調が「国家の体面」であり,伝染病の怖さの強調である.この伝染病癩の怖さの強調がその後の差別意識醸成の根源の一因となった.
著者
副田 義也 樽川 典子 加藤 朋江 遠藤 惠子 阿部 智恵子 株本 千鶴 嶋根 克己 牧園 清子 鍾 家新 藤村 正之 樫田 美雄 阿部 俊彦 時岡 新 村上 貴美子 藤崎 宏子 小高 良友 野上 元 玉川 貴子 坂田 勝彦 柏谷 至
出版者
金城学院大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

戦後内政の主要分野を、戦前期に内務省が専管した行政の諸分野に注目して、ひとつの統一的性格をもつものとして研究した。旧来、1947年の内務省解体は、連合国総司令部が強行した、否定的に評価されるべき事態として語られがちであった。しかし、その分割があったからこそ、その後の半世紀以上にわたる日本の福祉国家としての歩みが可能になったのである。すなわち、厚生行政、警察行政、建設行政、自治行政を担当する省庁の分立と発展、政策の複合による内政構造の拡大、深化である。