著者
阿部 修
出版者
The Japanese Society of Snow and Ice
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.239-245, 1996-05-15 (Released:2009-08-07)
参考文献数
23

積雪の内部構造に関する情報をより簡便に得るために開発された積雪用ゾンデの現況を経緯および展望を含めて紹介した.まず,積雪層構造を測定するためのこれまでの方法と新しい方法について述べ,長所や短所を指摘した.その上で複数のセンサーを組み込んだ複合ゾンデの構成,使用方法および測定結果を紹介した.さらにゾンデの性能評価や今後の展望について言及した.
著者
阿部 修 王 良〓 唐 孝思
出版者
独立行政法人防災科学技術研究所
雑誌
防災科学技術研究所研究資料 (ISSN:0917057X)
巻号頁・発行日
vol.197, pp.1-90, 2000-02-29

日中共同で崑崙山脈の策勒河上流の喀拉塔什(カルタス)において, 1994年9月から1997年8月までの3年間にわたり, 山地水文観測装置による地上気象観測を行った. 測定項目は, 気温, 地温, 風向, 風速, 全天日射量, アルベド, 降水量および積雪重量である. これで, 前報のものを含めて6カ年分のデータが得られ, 1〜12月の年統計値としては5カ年分収録されたことになる. この結果, 年平均気温は, 1992年の2.6℃から1996年の-2.1℃まで約5℃も低下していた. また, 年平均地温は年平均気温に比べて約3℃〜7℃高くなっていた. 月平均風速は, 年間を通じてほとんど変化がなく, 1.8〜2.7m/sの範囲にあった. 月平均全天日射量は, 冬至で約2MJ/m^2, 夏至で約17MJ/m^2であった. 年降水量は, 平均すると152mmで, モンスーンの5〜7月に集中しており, 11月から翌年4月までの冬期の降水量は年降水量の13〜26%と少なかった.
著者
榛澤 文恵 渕上 達夫 吉野 弥生 羽生 政子 今井 由生 齋藤 勝也 阿部 修 橋本 光司 稲毛 康司 葛谷 光隆
出版者
日本大学医学会
雑誌
日大医学雑誌 (ISSN:00290424)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.304-308, 2008-10-01 (Released:2011-11-28)
参考文献数
16

ロタウイルス感染症に伴い第 3 病日に意識障害を認めた 5 歳の男児例を経験した.便中ロタウイルス抗原が陽性で,髄液細胞数は正常だが,頭部 CT で脳浮腫を,脳波では全般性高振幅徐波を認め,ロタウイルス感染に関連する急性脳症と考えた.ロタウイルス関連脳症の頻度は少なく,その病態生理は明らかではない.ロタウイルス関連脳炎・脳症の発症には本例のようにけいれんを伴わないことがあり,診断には注意を要すると考えた.
著者
西村 浩一 阿部 修 和泉 薫 納口 恭明 伊藤 陽一
出版者
名古屋大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2006

本研究は、「地震と豪雪」の複合災害の中で、「冬に地震が発生」した際の雪崩災害危険度の評価手法を開発し、被害軽減に資することを目的とした。今年度は、主に地震時の積雪の破壊強度とその挙動を調べる目的で、防災科学研究所の雪氷防災実験棟において小型振動台を用いた積雪の破壊実験を実施した。実験にはロシアのAPATIT雪崩研究所殻からChernouss博士も参加し、共同で実施された。加速度計を埋め込んだ積雪ブロックを凍着させ、一定振幅のもとで2次元の振動数を増加し、積雪がせん断破壊した時点の加速度、上載荷重、断面積から、「新雪」、「しまり雪」、「しもざらめ雪」の「高歪速度領域の積雪破壊特性」とその密度依存性が求められた。また2次元振動に伴う、法線応力の効果についても議論を行った。さらにこの破壊特性を積雪変質モデル(Snowpack)に組み込んで、対象領域の地震発生時の雪崩発生危険度予測図を作成した。一方、こうした一連の取組みに対して、トルコの公共事業省災害監理局から共同研究と技術支援の依頼があり、研究協力者2名とともに現地視察を行ったほか、地震による雪崩発生の現況および危険度評価と災害防止手法開発に関する意見交換を実施した。現在、今後の共同研究策定に向けて調整を実施中である。
著者
阿部 修士
出版者
東北大学
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2008

本研究ではまず健常被験者を対象として、虚再認と嘘の神経基盤を機能的磁気共鳴画像法による実験で検討した。嘘は虚再認に比べ前頭前野の活動が高く、また虚再認は嘘に比べ内側側頭葉(右海馬前方)の活動が高いことを報告した。嘘の神経基盤についてはパーキンソン病患者群を対象とした神経心理学的研究を行い、前頭前野が重要な役割を果たすことを報告した。さらに、これまで行ってきた研究成果をまとめた総説を発表した。