著者
深尾 京司 宮川 努 川口 大司 阿部 修人 小塩 隆士 杉原 茂 森川 正之 乾 友彦
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2016-05-31

無形資産推計を含む新しい日本産業生産性(JIP)データベース等を完成させ、OECDやEU KLEMSなど海外組織と連携しながらサービス産業生産性の決定要因を分析した。その結果、近年のサービス産業における労働生産性停滞の主因が人的・物的資本蓄積の著しい低迷や人材の不活用、市場の淘汰機能の不足にあることを明らかにした。また医療、教育、建設、住宅等のアウトプットの質を計測する手法を開発し、非効率性の原因を探った。4つのテーマについて主に以下の分析を行った。①統括・計測:サービス産業の生産性計測と生産性決定要因の分析、各産業の特性を考慮した上での非市場型サービスの質の計測、ミクロデータによる生産性動学分析、②生産と消費の同時性:応募時に計画した、余暇とサービス消費の不可分性を考慮した効用関数の推計、③資本蓄積:産業レベルの無形資産データの作成とそれを利用した分析、および無形資産と有形資産間の補完性の分析、④労働・人的資本:教育や医療サービスが労働の質を高めるメカニズムの研究と、個人の生産性計測、サービス購入と労働供給の関係の分析。これらの具体的な成果は、下記に纏めた。深尾京司編(2021)『サービス産業の生産性と日本経済:JIPデータベースによる実証分析と提言』東京大学出版会、423頁;第1章深尾他、第2章深尾・牧野、第3章宮川・石川、第4章川口・川田、第5章森川、第6章阿部・稲倉・小原、第7章杉原・川淵、第8章乾・池田・柿埜、第9章小塩他、第10章深尾他、第11章中島、終章深尾。
著者
和田 昭彦 阿部 修
出版者
日本医用画像工学会
雑誌
Medical Imaging Technology (ISSN:0288450X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.18-21, 2016 (Released:2016-01-30)
参考文献数
10

MRトラクトグラフィーの神経線維追跡を基本原理として,脳領野を対象とした神経ネットワークの描出・解析を行う手法(structural connectivity analysis)が臨床応用可能となっている.グラフ理論を用いた隣接行列の解析で得られる特徴量からネットワークの全体および局所評価が可能である.近年,アルツハイマー病の発症・進行に認知機能関連の神経ネットワークの断裂・統合障害が関連するとの仮説が提唱されており,アルツハイマー病の診断・進行のバイオマーカーとして神経ネットワーク解析の貢献が期待される.
著者
阿部 修治
出版者
社団法人日本化学会
雑誌
化学教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.325-329, 1966-09-20
著者
阿部 修 力石 國男 石田 祐宣 小杉 健二 上石 勲 平島 寛行
出版者
The Japanese Society of Snow and Ice
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.513-518, 2007-07-15 (Released:2009-08-07)
参考文献数
5

2007年2月14日午前11時過ぎに八甲田山系前岳の北東斜面で発生した表層雪崩について,現地調査および周辺の気象・積雪観測からその発生要因を考察した.その結果,この雪崩は強風により生じた吹きだまりの一部が崩落した可能性があることがわかった.また,今回雪崩があった沢は,典型的な雪崩地形であることがわかった.
著者
西口 周 青山 朋樹 坪山 直生 山田 実 谷川 貴則 積山 薫 川越 敏和 吉川 左紀子 阿部 修士 大塚 結喜 中井 隆介
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2013, 2014

【はじめに,目的】一般的に,加齢に伴う脳萎縮などの脳の器質的変化が,アルツハイマー病(Alzheimer's disease:AD)や軽度認知機能障害(mild cognitive impairment:MCI)の発症リスクを高めるとされている。また,ワーキングメモリ(working memory:WM)低下はADやMCIの前駆症状であり,認知機能低下と共にWMに関連する脳領域の活動性が低下すると報告されている。つまり,ADやMCIの発症を予防するためには,WM関連領域の脳活動を高め,脳萎縮を抑制することが重要であると予想されるが,脳萎縮とWMに関連する脳活動の関連性はまだ十分に検証されていない。そこで本研究では,地域在住高齢者における脳萎縮とWM課題中の脳活動との関連性を機能的磁気共鳴画像法(functional magnetic resonance imaging:fMRI)を用いて明らかにすることを目的とした。【方法】対象は地域在住高齢者50名(73.5±5.2歳,男性27名,女性23名)とした。Mini-Mental State Examination(MMSE)<24点の者,重度な神経学的・整形外科的疾患の既往を有する者は除外した。全ての対象者のWM課題中のfMRI画像及び構造MRI画像は3.0TのMRI装置(シーメンス社MAGNETOM Verio)にて撮像した。WM課題としてはブロックデザインを用いて,画面上に映る点の位置がひとつ前の点の位置と一致するかを問う1-back課題と,画面上に映る点の位置が中心かどうかを問う0-back課題を交互に8ブロック行なった。また,構造MRI画像をVSRAD advanceにより処理し,対象者の脳全体における定量的な灰白質萎縮割合を算出した。統計解析は,統計処理ソフトウェアSPM8を用いてfMRIデータを処理した後,1-back課題と0-back課題のサブトラクションを行ない,WM課題中の脳活動部位を同定した。続いて,相関分析にて脳萎縮割合とWM課題中の脳活動部位の関連性を検討した。なお,WFU PickAtlasを用いて,解析範囲を前頭前野,内側側頭葉に限定した。【倫理的配慮,説明と同意】本研究は当該施設の倫理委員会の承認を得て,紙面および口頭にて研究の目的・趣旨を説明し,署名にて同意を得られた者を対象とした。【結果】本研究の対象者のMMSEの平均値は,27.5±1.9点であった。WM課題において,右の海馬,海馬傍回を中心とした領域,両側の背外側前頭前皮質(Brodmann area:BA9),右の下前頭回(BA45)を中心とした領域に賦活がみられた(p<0.005,uncorrected)。また,脳萎縮割合と関連がみられたWM課題中の脳活動部位は,両側海馬及び両側の背外側前頭前皮質(BA9),右前頭極(BA10)を中心とした領域であった(p<0.005,uncorrected)。なお,これらの関連性は負の相関を示しており,脳萎縮が小さいほど上記の領域の脳活動量が大きいという関連性が認められた。【考察】本研究の結果により,脳萎縮の程度が低いほど,視空間性WM課題中の海馬,背外側前頭前皮質を中心とした領域の脳活動が高いことが示唆された。視空間性WMは前頭前野や海馬の灰白質量と関連すると報告されており,本研究はそれを支持する結果となった。海馬を含む内側側頭葉は記憶機能の中枢であり,一方,背外側前頭前皮質はWMを主とする遂行機能を担う領域とされており,双方ともにともに加齢による影響を受け,萎縮が強く進行する領域であると報告されている。つまり,これらの領域の活動が低下し萎縮が進行することが,記憶機能や遂行機能の低下を主とする認知機能低下を引き起こし,ADやMCIの発症リスクを高める要因の一つになりうると考えられる。今後は,二重課題や干渉課題といったWMの要素を取り入れた複合的な運動介入を行ない,関連領域の脳活動を高めることで,脳萎縮を抑制できるかどうかを検証していく必要があると考える。本研究は横断研究のため脳萎縮と脳活動の因果関係は不明であり,また脳の詳細な萎縮部位は同定していないことが本研究の限界であると考える。今後は,詳細かつ縦断的研究を行なうことが検討課題である。【理学療法学研究としての意義】高齢者の認知機能低下を抑制することは,近年の介護予防戦略において重要な役割を担っている。本研究の結果により,脳萎縮の程度には記憶や遂行機能に関連する領域の脳賦活が関連することが示された。本研究を発展させることで,脳萎縮や認知機能低下抑制を目的とした非薬物療法のエビデンスを構築するための一助となると考えられる。
著者
金澤 恵里 五十嵐 大貴 阿部 修 築地 徹浩 安永 和敏
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
「運動と振動の制御」シンポジウム講演論文集 2013.13 (ISSN:24243000)
巻号頁・発行日
pp._C27-1_-_C27-10_, 2013-08-25 (Released:2017-06-19)

Manifold blocks are recently used to connect hydraulic components in a hydraulic system that has flow channel inside. They are useful in reducing the size and weight of hydraulic systems. This paper deals with solid manifold block and laminated manifold block as trip equipment with which the turbine of a thermal power or a nuclear power plant is equipped. They are different from machining. We investigate pressure drops of their pipe flow with computational fluid dynamics (CFD) and compare the two types. We devised the new technique of having included CFD in pipeline network calculation. The final purpose is to design a laminated manifold block as trip equipment with which reduction in size and weight or reduction in pressure drops is realized. The conclusions from the aforementioned results are as follows. First, Branch/junction model can be calculated by the new technique of having included CFD in pipeline network calculation. Second, we achieved designing of a laminated manifold block as trip equipment with which reduction in size and weight or reduction in pressure drops is realized.
著者
梅村 宜生 田中 良昌 中野 慎也 南山 泰之 阿部 修司
巻号頁・発行日
2018-06-18

Japan Open Science Summit 2018(JOSS2018)2018年6月18日(月)・19日(火)学術総合センター主催:国立情報学研究所、科学技術振興機構、物質・材料研究機構、科学技術・学術政策研究所、情報通信研究機構、学術資源リポジトリ協議会
著者
神崎 修三 阿部 修実 田端 英世
出版者
公益社団法人日本セラミックス協会
雑誌
窯業協會誌 (ISSN:18842127)
巻号頁・発行日
vol.94, no.1085, pp.159-166, 1986-01-01
被引用文献数
2 1

無添加非晶質窒化ケイ素粉末及びイットリアを10wt%添加した粉末を窒素中, 1200℃から1500℃で1時間結晶化した. 得られた粉末を1750℃, 1時間, 49MPaの条件でホットプレスし, 粉末の特性, 焼結性及び焼結体の機械的性質について検討した.<br>イットリアの添加は, 非晶質窒化ケイ素のα相への結晶化及びα/β転移のいずれも促進する. 無添加で結晶化させた粉末は形や大きさが不規則になるが, イットリアを添加して結晶化させると微細で均一な粒径のα及びβ窒化ケイ素粒子となる. イットリアを添加後仮焼した場合, 焼結体のかさ密度, 室温及び1200℃での抗折強度は仮焼温度とともに増加するが, 窒化ケイ素を結晶化させた後イットリアを添加した場合は密度, 強度とも高温で仮焼するほど低下する. 仮焼した粉末のα相含有率は焼結体の密度及び強度にほとんど影響を及ぼさない. 非晶質窒化ケイ素にイットリアを添加して結晶化した場合, 焼結性, 機械的性質及び微構造を制御する要因は粉末の形態及び窒化ケイ素とイットリアの反応生成相であると考えられた.
著者
阿部 修治
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.68, no.11, 2013-11-05
著者
興梠 征典 掛田 伸吾 中村 純 森谷 淳二 香月 あすか 吉村 玲児 小笠原 篤 村上 優 宮田 真里 阿部 修 渡邉 啓太 上田 一生 井形 亮平 杉本 康一郎
出版者
産業医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

うつ病患者と健常者におけるCOMT遺伝子多型とNET遺伝子多型が、脳微細構造に及ぼす影響を、MR統計画像解析を用いて検討した。3次元高分解能MR画像による脳容積解析では、COMT遺伝子多型のMet carrier群において、健常群に比し患者群では尾状核の体積が有意に小さかった。Valine/ Valine型においては差がなかった。NETではG1287A多型において有意な関連が見られ、G/A型やA/A型に比べG/G型では左前頭前皮質の容積減少の程度が、健常群よりも患者群において有意に大きかった。これらの所見が、MDD患者の症状に関連している可能性が示唆された。