著者
吉川 貴己 青山 徹 林 勉 山田 貴允 川邉 泰一 佐藤 勉 尾形 高士 長 晴彦
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.205-211, 2015 (Released:2016-02-25)
参考文献数
22
被引用文献数
4 2

胃癌手術後には,手術侵襲,術後合併症,術後後遺症などによって,体重が減少する.体重と脂肪量は術後,継続的に減少していくが,筋肉量は3カ月以降増加に転じる.術後1 カ月での体重減少率15%以上は,術後S-1継続の危険因子と報告されたが,ERAS管理など最新の管理によって体重が維持されるようになり,その意義は薄れてきている.一方,新規に報告された術後1カ月での除脂肪体重減少率5%以上は,術後S-1継続の新たな危険因子として,鋭敏な指標である.術後の筋肉量維持には,術後合併症の予防,手術侵襲の制御などが重要であろう.術前運動療法や手術侵襲の軽減を期待した腹腔鏡手術の効果はControversialである.現在,EPA強化栄養療法や,グレリン投与,投与カロリーの増強などの介入研究が臨床試験として行われている.
著者
井奥 加奈 高田 陽子 青山 紗弓 竹井 よう子
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.190-195, 2005 (Released:2007-04-13)
参考文献数
14
被引用文献数
3 4

野菜類におけるフラボノイド含有量の季節変動を検討するため, 6月に流通する主な市販野菜のフラボノイド含有量とピーマンに含まれるケルセチン・ルテオリン含有量の季節変動を検討した. ピーマンにおいては10-12月にケルセチン・ルテオリン含有量とも多くなり, 5-6月に減少する傾向がみられた. フラボノイド含有量が多い時期は, 産地間の含有量にも有意な差がみられた. そこで, 緑黄色野菜5種類 (ケール, こまつな, ほうれんそう, チンゲンサイ, 青じそ) に関して6月におけるケルセチン含有量と1月におけるケルセチン含有量を比較した. その結果, ケルセチン含有量の多いケール以外では有意な差がみられなかった. したがって, 野菜類のフラボノイド含有量の季節変動は変動が大きな野菜と小さな野菜がある可能性が示唆された.
著者
福井 花央 片山 修一 後藤 隆文 中原 康雄 大倉 隆宏 人見 浩介 青山 興司
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.1096-1100, 2018-08-20 (Released:2018-08-20)
参考文献数
13

卵巣広汎性浮腫massive ovarian edema(以下MOE)は正常の卵胞構造を有したまま,間質の浮腫により卵巣腫大を呈するまれな病態である.我々は女児に発症したMOEの2例を経験したので報告する.症例1は9歳,女児.主訴は食思不振,嘔吐,腹部腫瘤.下腹部正中から右側に,10 cm大の腫瘤を認めた.MRIで骨盤内腫瘤の被膜下にMOEに特徴的な所見であるネックレスサインと呼ばれる多数の小囊胞構造を認めた.術中所見では右卵巣が捻転しており,腫瘍や壊死の可能性を考え付属器切除術を施行した.症例2は4歳,女児.主訴は腹痛,嘔吐.MRIでネックレスサインを認めた.画像,臨床経験から術前にMOEと診断し,腹腔鏡下右卵巣捻転解除術および固定術を施行した.女児の急性腹症ではMOEの可能性を念頭におくべきである.
著者
青山幹雄著
出版者
鉱脈社
巻号頁・発行日
1994