著者
林 勲男 杉本 良男 高桑 史子 田中 聡 牧 紀男 柄谷 友香 山本 直彦 金谷 美和 齋藤 千恵 鈴木 佑記
出版者
国立民族学博物館
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008-04-08

大規模災害被災地への人道支援や復興支援は、災害規模が大きくなるほど、地域を越え、国を越えたものとなる。そうした支援が被災地の従来の社会関係資本を正しく評価し、それを復旧・復興に活用し、さらにはその機能と価値を高めることによって、将来の更なる災害に対する脆弱性を克服することに繋がる。しかし、地域や国を越えての異なる文化や社会構造の理解は容易ではなく、多分野の専門家や住民との協働が求められる。それは、開発途上国の被災地への支援だけでなく、先進国で発生した災害の被災地支援についても同様であることが、2011年3月発生の東日本大震災で示された。平穏時から、対話と協働に基づく活動と研究が重要である。
著者
高桑 史子
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究は、島嶼・沿岸・山村部に立地する過疎高齢社会において議論されている「脆弱性」の克服、自律性を維持するための戦略などの言説の検討と、実践されている自主防災組織や環境保全活動において、住民と多様な文化的・社会的属性をもつ「外部者」による働きかけの相互行為によって生成されてきた脱境界的・超境界的な共同体が創成される過程を明らかにすることを目的とした。実際に当該社会からの文化発信や地域の歴史・自然などの特色を生かした地域おこしの企画が内部者と外部者双方からの相互行為により行政も巻き込んで実践され、そこから強固な地域社会(共同体)が生成される過程が明らかになった。
著者
伊藤 眞 渡邊 欣雄 鄭 大均 高桑 史子 何 彬 綾部 真雄 渡邊 欣雄 鄭 大均 高桑 史子 何 彬 綾部 真雄
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

東アジア各国にも日本の老人クラブに似た組織がある。しかし、高齢者の多くは、そうした組織にあまり依存せず、主体的に人生を享受している。一方日本の老人クラブの活動には、概して受け身的な傾向が認められる。高齢者が多様化する現在、トップダウン型の組織化は不適切である。高齢者を高齢者として枠づけない考え方が重要である。本調査研究は、高齢者に自由な場を提供することこそが組織の持続化につながることを提言する。