著者
伊藤 眞
出版者
慶應義塾大学出版会
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.95-119, 2007-04

商学部創立50周年記念 = Commemorating the fiftieth anniversary of the faculty50周年記念論文ライブドアの粉飾事件に関連して,会計基準等がない取引の会計処理について会計専門家はどのように考えるのか,裁判所の証人となった。証言の対象となったライブドアとクラサワ(K社)との株式交換(交換日(2004年3 月15日)は契約日(2003年11月19日)の4 ヶ月後)に関連して,まず子会社(投資事業組合を通して)が消費貸借により取得した親会社株式を売却(2003年12月2 日~19日)し,その後,株式交換日にK 社株主から親会社株式を取得(株式交換契約日(2003年11月19日)に売買契約を締結し1 週間後に前金を支払う)のうえ返還するという一連の取引について,事実関係を可能な限り明確化してみると,株式交換における交換比率の操作とそのLD株式買取契約の結果生じた含み益を実現するためのスキーム取引であることがわかる。この一連の取引について,有価証券消費貸借契約の会計処理の対象,その処理方法,民法上の任意組合の法的性格と会計処理,自己株式処分損益の性質及び会計処理,自己株式の借換えの会計処理,そして親会社株式の取得という商法違反である取引から生じた処分損益の会計処理という6 つの論点に整理した上で,各論点について歴史的経緯を含め検討した。その結論は次のとおりである。 自己株式の消費貸借については,自己株式等会計基準に基づいて考える必要があるが,その消費貸借による取得と返還自体は,金融商品実務指針に基づいて処理し,その運用損益を自己株式処分差額として処理すればよい。投資事業組合は民法上の任意組合であり,組合の積極財産は総組合員の共有である。したがって,重要性を有する組合財産及び損益であれば,出資者は科目ごとに持分相当額を取り込むべきであり,その結果,子会社は親会社株式運用益を損益計算書上取り込むことになるが,それは税引後の金額で連結修正されることによって,親会社の連結財務諸表上,「自己株式処分差益」としてその他資本剰余金に直接計上されることになる。 しかし,この一連の取引はLD が計画・実行したスキーム取引であり,仕組まれたものであると解されることから,任意組合の会計処理を適用する以前に,親会社の連結財務諸表上,「自己株式処分差益」としてその他資本剰余金に直接計上すべきものと解される。
著者
伊藤 眞
出版者
慶應義塾大学出版会
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.67-99, 2017-04

動物カフェとは, 犬カフェ, 猫カフェ, ウサギカフェ, 小鳥カフェ, フクロウカフェ, ヤギカフェ, ハリネズミカフェなど動物と交流できるカフェで, 飼っている動物と休息を楽しめるカフェ(主に犬カフェ)とお店が飼育している動物と過ごすことを目的としたカフェ(猫など)がある。ここでは, 猫カフェ, 犬カフェ, ヤギカフェ, それにフクロウカフェ(あるカフェにフクロウ虐待の内部告発があった)を概観する。お店の猫を眺めたり遊んだりする猫カフェが, 同様の犬カフェよりも多いのは, 猫の方が扱いやすいからである。日本で開発されたメルセデス・ベンツ・ジャパンの「車を売らないショールーム」併設カフェはマーケティング目的であり, 顧客層と車の売上を拡大, その結果, 本社に採用され世界的に展開している。カフェ・チェーンで過労死は発生していないが, 飲食業界の従業員の労働時間は長く過労死が発生している。違法または悪質な労働条件で働かせる企業はブラック企業と呼ばれている。このブラック企業とはどのようなものかを検討した後で, 実際に起きた過労死等の具体的な案件について分析する。その対象は, マクドナルド(過労死になりかけた店長の残業代請求訴訟を含む), 大庄, ワタミ, そして, 最近の事件として電通を扱う。従業員たちは残業しても残業時間を付けることができない圧力を受けており, 過大な残業と睡眠不足により過労死に至っている。「発症前1か月間におおむね100時間」または「発症前2か月間ないし6か月間にわたって, 1か月当たりおおむね80時間」を超える時間外労働が認められる脳・心臓疾患または心理的負荷による精神障害を原因とする過労死の場合は, 業務と発症との関連性が強いと評価され, 労災認定されている。会社のデータでは記録されていない残業をどこまで洗い出すかが鍵となっている。残業時間の限度は, この労災認定時間を下回る時間に設定すべきであろう。論文
著者
伊藤 眞
出版者
慶應義塾大学出版会
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.301-324, 2008-02

商学部創立50周年記念 = Commemorating the fiftieth anniversary of the faculty論文環境省は自主参加型排出量取引を平成17年度より実施しており,平成19年3 月15日付で「排出削減クレジットにかかる会計処理検討調査事業」を公表した。そこには,キャップ・アンド・トレードの会計処理について複数の会計処理が提示され,クレジットの無償交付時に,①クレジットもその償却義務も認識しない,②クレジットとその償却義務を認識する,③クレジットのみ認識(償却義務は温室効果ガス排出時に認識)する3 つの考え方が示され,②と③については,事後測定につき原価法と時価法が示されている。 2004年12月に公表された国際財務報告解釈指針第3 号の方法は③の基であるが,この処理に対し欧州財務報告アドバイザリー・グループ等からの懸念が表明され,直ちにこの解釈指針は廃止された。その批判は,約束期間はじめのクレジット無償交付時にクレジットのみ公正価値で認識するため受贈益が生じるのに対し,クレジット償却義務は,その後の事業活動によるガス排出につれて認識するという処理が,両者は一体であり利益は生じないという経営者の感覚に反し,また,当該受贈益は政府補助金として繰延処理するが,利益の繰延べが負債の定義を満たさないため,政府補助金の繰延処理について廃止検討予定である点,さらに,クレジットは原価又は公正価値(評価差額は資本直入)で測定されるのに対し,排出削減義務は現在価値で測定され変動差額は損益に計上されるため,事後測定と報告においてもミスマッチが生じる点にある。 基準年度の実績排出量から削減義務量を控除して算出された総排出枠(キャップ)と同量のクレジットが無償交付されるが,継続企業であればガスを排出する約束期間後に,通常,当該クレジット量を償却するという契約に基づく義務も存在する。無償交付クレジットは企業にとって生存権的な意味合いのもので,収益によりカバーされる必要のないものである。もし収益によりカバー,又は削減義務以上に排出削減できるのであれば,それがほぼ確実となった時に利益認識すればよい。これに対し,有償で取得したクレジットについては,収益により回収されるか,費用削減によってカバーされる必要があるから,償却義務は実際にガスを排出したときに費用とともに認識すればよい。また,認識したクレジット償却義務の範囲でクレジットの時価評価を行うことにより,経済実態を適正に表示することができると考えられる。したがって,経営者の感覚に合うものは上記②の時価法であり,これが適切な会計処理ということになる。 さらに,クレジットは,企業が対象事業活動を行わない,又は廃業した場合には,契約違反として返還しなければならないと考えられるため,クレジットの返還義務は解除されていないと解され,上記条件付償却義務と一体となって無償交付時の負債を構成するものと解釈できる。
著者
竹内 敬人 伊藤 眞人 小川 桂一郎 吉村 伸
出版者
東京大学
雑誌
試験研究(B)
巻号頁・発行日
1992

3年前このプロジェクトを開始したとき、我々はそもそも「課題研究」が実際にどう運用されるか、クラスでの授業の一部として行われるのか、あるいは夏休み等の宿題・自由活動となるのか、あるいは実質的には無視されるのか、といったことすら分からない状態だった。又、課題研究が取り上げられるにしても、化学史がとの程度対象となるかも見当がつかなかった。そこで、課題研究のテーマとして、「化学の歴史的実験例の研究」が取り上げられたものとして、研究を構成した。そのような前提にたっても、なお、多くの問題点、疑問が残り、我々が最初に討議したのは以下の様な問題点であった。(1)高校生が使える「データベース(DB)」とは何か。そういったものがあるのか。(2)どういう資料をDB化すべきか。(3)DB作成の物理的作業はどのくらい大変なのか。(4)実際に学校で使って貰えるのか。(5)著作権の問題はどうクリアできるか。これらについて、先例となるものは無く、すべて自力で解決していかなければならなかった。研究を計画した当時のコンピュータ事情から言えば、そして、現在においても高校でのコンピュータ事情は、三年前と大差ないことから言えば、FD(1MB)ベースによるDB製作の計画は技術的には極めて現実的なものであり、手堅い企画だったといえる。だが、世の中一般について言えば、コンピュータ事情はかなり変わってきている。さらにいわゆる「マルチメディア」化が急速に進行している。「マルチメディア」化の正体は幾分曖昧だが、ともかく、コンピュータに音声・画像、特に動画像を組合わせたもの進歩は著しい。この様な状況を考えると、我々が構築したDBは、内容の問題ではなく、入れ物の問題のために古くさいものになってしまうだろう。だから、本研究の延長、第二弾として、蓄積したデータの「マルチメディア化」を計画しなければなるまい。さしあたって書き込み可能なCD-ROMをメディアとしたDB構築を検討すべきであろう。その際、本研究で可読化した資料が元になるのは当然である。それに新たに動画像、音声などを加えたマルティメヂア型DBが構築できれば、生徒たちにとっても新しい装いをもった課題研究や化学史に接する機会を得ることになる。その結果これらに対する関心が高まり、ひいては自然科学一般への関心が高まると期待される。
著者
中野 洋恵 中澤 智恵 中山 実 伊藤 眞知子
出版者
国立婦人教育会館
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

1年次の研究の結果、情報を発信する立場からは育児情報が多様化していること、親自身の情報も必要とされていること、インターネットを使った情報提供も期待されていることが明らかになった。そこで、情報の受け手である子どもを持つ母親がどのように考えているのかを明らかにするために、子どもを持つ母親を対象に子育てに関する生活実態と意識に関するアンケート調査を実施した。調査対象者:0〜1歳の子どもを持つ母親調査方法 :東京都、埼玉県の保健所、保健センターに乳児検診に来た母親に調査票配布、郵送による回収配布数2880 回収数1075 回収率37.3%得られた知見:(1)子育てについては「周囲の意見や情報に流されず自分の育児をしたい」と考える母親が多く、子育ての自分らしさが志向されている傾向が見られる。が一方で、「いろいろな情報があり、どれが正しいか迷うことがある」も多く、必ずしも自分の育児に自信を持っているわけではない。(2)子どもを連れて家族で外出する事は多く、「よく」「ときどき」を合わせると9割を超える。子どもを連れていく遊び場情報、お出かけ情報が必要とされる背景となっている。しかし、子どもを預けて夫婦だけでの外出は「全くしない」が半数を超える。(3)子育てに関わる情報のうち最も必要とされているものは、子どもの身体に関するものであり、次が遊び場・おでかけ情報である。また、職業を持っている母親、高学歴の母親ほど自分自身にとっての情報を必要としている。(4)利用されているメディアはテレビが最も多く、雑誌、市や町の広報と続く。インターネット利用は15%である。利用したいメディアには、市や町の広報も上位に挙げられており、公的な情報が期待されている。
著者
井田 慎一郎 山本 紘子 照沼 真衣 伊藤 眞義
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.55-60, 2009 (Released:2009-02-25)
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

PET/PEN/PET-PEN コポリマーからなる三元系ブレンドについて,系内で進行するエステル交換反応が,ブレンド系からコポリマーのみからなる一元系への変化に与える影響を検討した.エステル交換反応の進行度が小さい場合,PET/PEN/PET-PEN コポリマーブレンドは上部臨界溶解温度(UCST)型の相図を示した.エステル交換反応の進行に伴い,ブレンド系は一元系へと変化した.この変化が生じるために必要なエステル交換反応の進行度は,三元系のブレンド比や PET-PEN コポリマーのブロック性にほとんど依存せず約 1 mol%以上であることがわかった.
著者
春田 佳代 山幡 朗子 篠田 かおる 伊藤 眞由美 春日井 邦夫 鈴村 初子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.5_71-5_75, 2011-12-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
17

浣腸による直腸損傷事例は,年間数例報告されている。一要因として,カテーテル挿入の長さが考えられるが,基礎看護技術の書籍に記載されている長さはさまざまである。そこで,下部消化管造影の画像を用いて,浣腸時の体位である左側臥位での成人の生体による肛門縁から直腸前壁までの長さを調査し,安全なカテーテル挿入の長さを検討した。 その結果,性別による肛門管直上部から直腸前壁までの長さに有意な差は認められないため,性別によりカテーテル挿入の長さを変える必要性はないと考えられた。また,年齢が高くなるにつれて,肛門管直上部から直腸前壁の長さが長くなる傾向がみられたが,年齢層別の最小値と最大値に大きな差がみられた。したがって,左側臥位でカテーテル挿入時に直腸前壁に損傷を与えない安全な長さは,測定最小値の2.9cmに解剖学的肛門管2.5cmを加えた5.4cm以下であり,基礎看護技術の書籍では5.0cm以下とすることが安全である,と考えられた。
著者
伊藤 眞
出版者
慶應義塾大学出版会
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.53-84, 2018-08

トリンプ・インターナショナル・ジャパンの吉越浩一郎は, 1992年社長に就任後, 「残業ゼロ」を柱とする生産性向上により19期連続増収増益を達成。「残業ゼロ」導入時の抵抗は徹底的に除去した。伊藤忠商事は, 2013年から夜8時以降の残業を禁止, 午前5時から始業時間の9時までは深夜と同じ割増賃金を払い, 朝食も用意, 朝会議等朝方勤務へ移行させた。第二次世界大戦の負け戦に表出した日本軍の失敗の要因は, 目的が不明確, 戦争に勝つ見通しが持てなかった故に短期決戦を目指し, 戦略策定にグランド・デザインが欠如していたため, 帰納的, 即ち, 行き当たりばったり, 戦略オプションが狭く硬直的, 統合戦略の欠如が致命的であったことにあった。技術体系も一点豪華主義で, 装備も古く, 組織的にも集団主義による人的ネットワーク偏重であり, 人間関係で統合されていた。学習はシングル・ループであった。作戦実行の結果で評価せず, 動機・プロセスがよければ評価されたため, 失敗に失敗を重ねて壊滅的打撃を受けた。日本軍の失敗の過程は, 主観と独善から希望的観測に依存する戦略目的が, 戦争の現実と合理的論理によって漸次破壊されたプロセスであった。日本の軍隊において兵士は「消耗品」であった。日本軍では, 捕虜は本来ありえないもの, あってはならないものであった。だから, 捕虜になった場合の心構えなど, いっさい教育しなかった。それにしても, 日本の軍隊は人間の命を軽視し過ぎた。日本の軍隊には, 重大な決定をなすにあたって, 確たる根拠も責任の所在を明らかにするルールもなく, ただその場の空気に流され, 強い勢いに引きずられて事が運ばれてゆく通弊があった。すでに開戦を決定するときに, そうであった。その傾向は戦後も引き継がれている。社会的弱者とその家族が気楽に相談したり, 寛ぐカフェとして「認知症カフェ」があり, 健康の思わしくない近親者を抱える人や死について関心のある老若男女が語り合う場として「デスカフェ」がある。これらは常設ではないが, 社会的に機能している。2013年の調査結果によれば, フランスにレストラン(総菜屋を含む)は13万5千店あるが, その85%が冷凍食品やレトルトを使っていた。お店が素材から料理していることを表すマークとして"Fait Maison"(自家製)が2014年7月より導入され, 半年の試験期間を経て2015年から義務化された。新しい法律では「自家製」料理は, その場所で, 事前に「重要な変更」が行われていない「原材料」から作られなければならないと規定。しかし, 凍結食品業界のロビー活動は強力で多くの食品が認められた。2015年5月に一部改正, 「『自家製』とは, 生の製品を現場で処理したもの, すなわち, 事前に, どのプロセスでも調理されていないか, または未変性のものを指す」とされた。このような状況で, 調理時間を削減し, 効率的なレストラン経営を行う手段として, シェフの開発したブイヨンを分析し, まったく同じブイヨンを作って供給するARIAKE JAPANおよびレストラン内で作られた場合には自家製と表記できる真空調理法による料理と保存について概観する。さらに, 東京における料理の一端をかい間見る。日本の国際観光客到着数の増加率は, 2012年から2017年に3倍以上になった。これはアジアが経済成長したのに加え, 観光客にとって, 日本は「安くておいしい国」になったためである。海外の軽食・ランチ千円に対し東京では, その3分の1で牛丼が食べられる。「安くておいしい店」は, 千客万来で忙しいが, 利益や賃金は上がらない。日本には, 20代, 30代で高度な知識・能力を有する若者が, 高賃金で働く職場が少ない。稼げないから, 食べ物も安くなる。一方で, 留学生も増えた。日本では就労ビザのない留学生でも週に28時間まで働けるため, 彼らが, コンビニや配送, 建設, 農業など, 低賃金で日本人が働きたがらない業種を支えている。 小熊英二は, もう「安くておいしい日本」はやめるべきだと言う。サービスには適正価格をつけた方が, 観光業はもっと成長できる。牛丼も千円, 最低賃金は時給1500円以上に。さもないと, 低賃金の長時間労働で「安くて良質な」サービスを提供させるブラック企業の問題も, 外国人の人権侵害も解決しない。デフレからの脱却もできないし, 出生率も上がらない。したがって, 経済成長はもちろん維持さえできない。President Koichiro Yoshikoshi of Triumph International Japan achieved the 19 fiscal years consecutive increase in revenue and earnings due to productivity improvement based on "zero overtime" after he became the president in 1992. Resistance to the introduction of "overtime zero" policy was thoroughly eliminated by him. Since 2013, C. Ito prohibits overtime from 8 o'clock in the evening, pays the same extra wage as midnight from 5 am to 9 o'clock, also prepares breakfast for staffs and shifted to morning work including morning meeting. Factors of the Japanese military's failure to appear in a losing battle during the Second World War are as follows. Because the purpose was unclear, and it could not have the prospect of winning the war, it aimed for a short-term decisive battle. Because of the lack of ground design, strategy formulation was inductive, in other words, doing a thing without system, strategy options were narrow and rigid, the lack of integration strategy was fatal. The technical system was one point luxury, military equipment was old. It was a human network process by collectivism, it was integrated by special human relations. Learning was a single loop. Because officers were evaluated if the motivation and process was good, without evaluating them as a result of the execution of the strategy, the army failed and failed to catastrophically. The process of the failure of the Japanese army was the process of gradual destruction of the strategic purpose dependent on subjective observation and wishful observation from subjective self-righteousness, caused by the reality of war and rational logic. In Japanese army soldiers were "consumables". In the Japanese army, prisoners of war were things that were impossible, and should not exist. Therefore, soldiers were not educated at all, such as attitude when they became prisoners. Even so, the Japanese army disregarded human life too much. In making a material decision at Japanese army, there is no definite grounds and no rules to clarify the location of responsibility, just being carried by the air of the place, things will be carried by being dragged by strong momentum there. It was so already when the army decided to open the war. Such trend has been passed to even after the war. There is a "dementia cafe" as a cafe where socially vulnerable people and their families can consult comfortably, interact and relax. Also there is a "death cafe" as a place where young and old men and women who think about death and people who have unhealthy close relatives talk. These are not permanent but they are functioning socially. According to the findings of 2013, there are 13,500 restaurants in France, 85% of which used frozen foods and retort. "Fait Maison" (homemade) was introduced from July 2014 as a mark indicating that the restaurants and shops are cooking from the raw materials, it was compulsory from 2015 after a half-year examination period. The new law stipulates that "homemade" cuisine must be made from "raw materials" beforehand in which "important changes" have not been made. However, lobbying activities in the frozen food industry were powerful and many foods were accepted. Partially revised in May 2015, "Homemade" means that raw products is processed at the site, that is, it is not cooked in any process in advance, or it is undenatured. Under such circumstances, as a means to reduce cooking time and efficient restaurant management, ARIAKE JAPAN analyzes bouillon developed by chef's, make exactly the same bouillon and supply it to the chefs, and when cuisine is made at the restaurant and preserved by vacuum cooking method which can be written as homemade, are reviewed. Furthermore, review a part of cooking in Tokyo. The increase rate in the number of arrivals of international tourists in Japan has more than tripled from 2012 to 2017, which comes from, in addition to the economic growth of Asia, especially China, Japan became "cheap and delicious country" for such tourists. Snacks and lunch overseas cost 1,000 yen is normal. But in Tokyo, tourists can eat a beef bowl one third of them. Delicious, the shop is clean and the service is good. "Cheap and delicious store" is busy with a lot of customers, but profits and wages do not rise. In Japan, young people with advanced knowledge and ability in their twenties and thirties have fewer workplaces that work at high wages. Because they cannot earn money, food is also cheap. On the other hand, foreign students also increased. In Japan, international students who do not have a work visa can work up to 28 hours a week, so they support industries that Japanese do not want to work with low wages such as convenience stores, delivery, construction and agriculture. Mr. Eiji Oguma says that it should stop now "cheap and delicious Japan". Putting a reasonable price on the service, the tourism industry can grow more. Beef bowl shall be 1,000yen, minimum wage to over ¥ 1500 / hour. Otherwise, the problems of black companies that will provide "cheap and good quality" services with long hours of low wages, and even human rights violations of foreigners will not be resolved. We cannot even escape from deflation and claim that the birthrate will not rise.論文
著者
伊藤 眞
出版者
慶應義塾大学出版会
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.13-37, 2017-10

大庄過労死事件の判決における高裁の判断を争点ごとに要約したうえで, 対応するワタミと電通の想定される争点および法的判断について検討する。死亡前の実際の時間外労働時間は3件とも過労死認定基準を超えており, 長時間に及ぶ時間外労働と過労死との因果関係が認められ労災認定された。過労死の「脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準」は専門検討会報告を基礎として定められ, 時間外労働が発症前1ヶ月間に100時間を超える場合, または発症前2ヶ月間ないし6ヶ月間にわたって1ヶ月当たり80時間を超える場合, 業務と心臓疾患の発症との関連性が強いと判断されている。この認定基準を, 大庄事件において経験則として重視することに何らの問題もない, と大阪高裁は判断した。ワタミおよび電通の過労死に関しては「心理的負荷による精神障害の認定基準」が適用されるが, 同様に専門検討会報告を基礎として定められ, 経験則として重視することに何らの問題もないと解される。大庄では, 三六協定で定めた1ヶ月45時間を超える時間外労働が常態化し100時間超も少なくなかった。ワタミ久里浜店で美菜さんの141時間の時間外労働は三六協定の時間を遙かに超え, 電通でも12月の三六協定適用以前から深夜残業・休日残業が常態化し, その限度基準を超えていた。大庄事件判決で, 労災規定の脳・心臓疾患の認定基準につき「①現行基準発出以前から過重労働と心臓疾患との関係を一般社会が認識。②著名な訴訟事件につき過重労働と心臓疾患との関係を認める判例も積み重ねられている。③これら事件は一般にも報道されてきていた。④これらを踏まえ専門検討会報告に基づき厚生労働省により定められた現行認定基準が発出。⑤この発出から事故発生までに5 年以上が経過, 大庄にとっても十分認識可能な状況であった」と判断された。それゆえ, 大庄は労災認定基準をも考慮に入れ, 社員の長時間労働を抑制する措置をとることが要請されており, 長時間労働による災害から労働者を守るための適切な措置をとらないことによって災害が発生すれば, 安全配慮義務に違反したと評価されることは当然とされた。ワタミの過労死についても, 脳・心臓疾患および心理的負荷による精神障害等に関する現行認定基準を考慮に入れて, 社員の長時間労働を抑制する措置をとることが要請されているから, 「安全配慮義務に違反したと評価されることは当然である」という結論はそのまま当てはまる。電通の過労死についても, 1991年に入社2年目の男性社員が過重労働で自殺, 遺族が起こした裁判で2000年3月に最高裁が会社側の責任を認定したので, 認定基準について熟知していたにもかかわらず, 労働状況は変わっていなかったから, 「安全配慮義務に違反したと評価されることは当然である」という結論になる。大庄は, 社員の長時間労働の抑制のために, 社員の労働時間を把握し, 長時間労働の是正のための適切な措置をとっていたとは認められない, と判示された。ワタミも電通も同様である。ワタミの他店配属の美菜さん同期によれば「勤務時間は改竄している。店長もエリアマネージャーも知っている。休憩は1時間取っていることになっているが, 実際は店内が忙しく, 30分しか取ることができない。30分の休みの中で食事, トイレへ行く。そして, 12時間の労働が続く。よっぽどのタフな人でないと社員はできないと思う」状況であった。電通も, まつりさんの深夜残業・休日出勤の業務を私的情報収集・自己啓発などの名目で認めず, 残業申告時間は月70時間に収まっていて, 正確な実態を把握していなかった。専門検討会報告は, 心疾患発生の医学的機序が不明とされる事案においても長時間労働と災害との因果関係の蓋然性を認めるものであり, 多数の社員に長時間労働をさせていれば, そのような疾患が誰かには発生しうる蓋然性は予見できるから, 災害発生の予見可能性はあったと考えるべきと, 高裁は大庄に判示している。精神障害の労災認定基準に関する専門委員会報告書も長時間労働と災害との因果関係の蓋然性を認めるものであり, ワタミおよび電通の場合においても, 同様に災害発生の予見可能性はあったと考えるべきことになる。上記判断に基づき, 大庄において現実に全社的かつ恒常的に存在していた社員の長時間労働について, これを抑制する措置がとられていなかったことをもって安全配慮義務違反と判断された。この高裁の判断は, 同様にワタミと電通(まつりさんの場合, さらに直属上司の苛烈なパワハラがあり, セクハラもあった)にも当てはまる。大庄取締役らの責任についても, 高裁は, 従業員の多数が長時間労働に従事していることを認識あるいは極めて容易に認識し得たにもかかわらず, 会社にこれを放置させ是正するための措置をとらせていなかったことをもって善管注意義務違反があると判断。不法行為責任についても同断である, とした。また, 責任感のある誠実な経営者であれば自社の労働者の至高の法益である生命・健康を損なうことがないような体制を構築し, 長時間労働による過重労働を抑制する措置をとる義務があることは自明であり, この点の義務懈怠によって不幸にも労働者が死に至った場合は悪意または重過失が認められると判断。不法行為責任についても同断である, とした。ワタミおよび電通の取締役らについても, 損害賠償請求裁判の判決が出た場合には, 大庄の場合と同様に上記判断が示されることになると解される。それゆえ, ワタミは, 東京地裁において遺族の主張をすべて認める和解をせざるを得なかった。ワタミの認識と思考方法を見るため, 遺族との和解に至るまでの交渉過程を概観する。また, 電通和解の開示された内容を概観する。さらに, 3社の従業員の心得を概観し経営者の考え方を見てみる。論文
著者
伊藤 眞
出版者
慶應義塾大学出版会
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.31-55, 2016-12

「コーヒーなどを飲ませる飲食店で, 新聞や雑誌がそこで読め, 時の話題について談笑し, 情報交換のできる場所として親しまれているカフェ」を対象としさまざまな観点から事実確認をしたうえで考察する。パリは, カウンター, 室内のテーブル, 外のテラスにより値段が異なるが, ブリュセルはすべて一律, パリのカフェの朝は早く, 閉店時間は深夜2時までであるが, ブリュセルでは閉めたい時間に閉める。パリでは水はコップ, キャラフでのサービスが無料であるが, ブリュセルではミネラルウォーターを注文しなくてはならない。値段はパリの方が高いが, 銀座はもっと高い。店数, 従業員数で, 日本のカフェ・チェーンの1位はスターバックスであり, ドトール, タリーズが続く。2015年から2016年の店数の増減を見ると, スターバックス, タリーズ, ベックスコーヒー, 星野珈琲店, コメダは成長拡大しているが, ドトール, 喫茶室ルノワールは現状維持, UCCグループの珈琲館他と, ドトールのエクセルシオール他は少し減少している。スターバックスの"The Only One", 「ドトール, のち, はれやか」は, セールス・ポイントもしくはブランドスローガンとして秀逸である。これらカフェ・チェーンの食べログ点数(市場の消費者の評価の一端として)は3.00が多く, よくて3.10までである。カフェ・チェーンの競争相手であるDean & Delucaのカフェ, PAULのカフェ, サードウェーブ・コーヒーのカフェ, サロン・ド・ショコラ, 和菓子カフェは, そのお菓子, 食べ物の豊富さ, サービス, 質の高さから食べログの点数は3.50以上であり, カフェ・チェーンより高い評価であるが, 数としては圧倒的に少ない。スターバックスは, 競争相手に対抗し事業拡大を目指し, さまざまな展開を実行もしくは計画している。"A cafe is a type of restaurant which usually serves coffee and snacks, where you can read newspapers and magazines, or chat with other customers about current topics. It is known as a place where information can be exchanged." Consider such café from various viewpoints, after reviewing facts.In Paris, coffee is priced differently depending on the counter, indoor table and outside terrace, but in Bruxelles the price is same. Cafes in Paris open early in the morning and close by 2 o'clock after midnight, but in Bruxelles open later in the morning and close at the time the owner want to close. In Paris water in a glass or a carafe is free, but in Bruxelles you have to order mineral water. The price is higher in Paris, but in Ginza even higher.At the viewpoints of number of shops and staffs, the first place coffee chain in Japan is Starbucks, Doutor and Tully's continue. Looking at the increase and decrease in the number of shops from 2015 to 2016, Starbucks, Tully's, Becks Coffee, Hoshino Coffee shop, and Komeda Coffee are growing and expanding, but Doutor, the Cafe Room Renoir maintains the current number, the UCC group's KOHIKAN (Coffee House) and others, and Doutor group's Excelsior and others are slightly decreasing.Starbucks's "The Only One" and "Doutor, later, Cheerful" are excellent as a selling point or a brand slogan.Tabelog score of these coffee chains' cafe (as a part of consumers' evaluation in the market) is 3.00 mostly, which is up to 3.10. As cafe's competitors, Dean & Deluca's cafe, PAUL's cafe, third wave coffee cafe, Salon de Chocolat, Japanese confectionary cafe, provide high quality of rich sweets and food, service. The Tabelog score is 3.50 or more, which is higher than the coffee chain's cafe, but they are far less as the number.Starbucks Japan aims to expand its business against competitors, and implements or plans various developments.論文挿図表
著者
遠藤 忠 飯田 貴広 古谷 暢英 山田 由美子 伊藤 眞人
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Chemical Software (ISSN:09180761)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.81-92, 1999-06-15 (Released:2000-03-28)
参考文献数
43
被引用文献数
2 5

半経験的分子軌道法を用いて、ベンゼン2量体およびベンゼン(PhH)—モノ置換ベンゼン(PhX)対の生成熱を計算することにより、ベンゼン—モノ置換ベンゼン間相互作用のエンタルピーを求めた。ベンゼン2量体の場合について、計算法、初期の分子間距離(rI)などを検討した。PM3法で求めた相互作用エンタルピーと最適化後の配置は、これまでの実験値および計算値と矛盾しない。PhH—PhX系の初期配置としては、1ケの平行(P)と4ケの垂直配置(Vr 、Vp 、VmおよびVb)(図1)を選んだ。VpあるいはVm配置の場合には(この配置では、PhXの置換基Xに対してパラあるいはメタ位にあるH原子がPhH分子の重心の真上に存在する)、計算から求めたPhH—PhX間相互作用エンタルピー(ΔΔHf)は、GLPCから求めた実験値(ΔΔHt)と良い相関関係を示し(図5)、相関係数(ρ)は0.94(rI = 2.75 Å)になった。この相関式から求めたΔΔHtと実験値ΔΔHtとの差は、約0.1 kcal mol-1以下であった。他の配置の場合には(Vp配置を除くと)、ΔΔHfとΔΔHtとの間に相関関係は認められなかった。