- 著者
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高橋 宏樹
宮城 俊作
- 出版者
- 公益社団法人 日本造園学会
- 雑誌
- ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
- 巻号頁・発行日
- vol.63, no.5, pp.753-758, 1999-03-30 (Released:2011-07-19)
- 参考文献数
- 10
本研究では, 造園家・椎原兵市が遺した図面を資料として, 戦前期の日本における造園設計の業務過程において平面図に与えられた意味と役割を検証した。23葉の図面を用いた分析を通じて,(1) 設計者としてデザインスタディを行うための媒体,(2) 即物的な情報を正確に他者へ伝えるための手段,(3) 設計者の内的な思考, 検討の過程とその結果を記録し確認するためのツール, としての平面図の意味と役割が確認された。また, 業務範囲が拡大し, 多様な設計プログラムへの対応が求められるようになるとともに, 平面図に盛り込まれる情報が増加し, 発注者や協働者, 施工者とのコミュニケ可ション媒体としての機能が高まっていった。