著者
門岡 幸男 小川 哲弘 高野 義彦 守屋 智博 酒井 史彦 西平 順 宮崎 忠昭 土田 隆 佐藤 匡央
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.79-83, 2019 (Released:2019-04-23)
参考文献数
19

Lactobacillus gasseri SBT2055株 (LG2055) の摂取による消化管を介した保健機能に関する研究を行った。内臓脂肪蓄積抑制作用については, はじめに, LG2055を含む高脂肪飼料を摂取したラットで腸間膜脂肪の脂肪細胞の肥大化が抑制されることを見出した。さらに, この知見を基にヒト介入試験を実施し, 有効性探索, 用量設定および最終製品での確認という一連の試験において, LG2055の摂取による内臓脂肪蓄積抑制作用を確認した。免疫調節作用については, マウスにおける小腸免疫グロブリンA産生促進作用およびインフルエンザウイルス感染防御作用を確認し, さらに, ヒト介入試験においてインフルエンザワクチン特異的抗体価およびナチュラルキラー細胞活性の亢進を確かめた。以上の成果の活用例として, 内臓脂肪蓄積低減作用に関する知見に基づいた特定保健用食品の許可取得および機能性表示食品としての届出があげられ, 実際の商品への保健機能表示が可能となった。
著者
清水 克哉 河口 沙織 高野 義彦 石河 孝洋
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2020-08-31

電気抵抗ゼロで電流が流れる超伝導現象は低温でおこるものとされてきたが、近年の高圧力技術と計算科学の進歩によって、高圧力の条件下では室温でも超伝導になる「室温超伝導体」の実現への期待が高まってきた。本研究は、室温超伝導体を高圧力下で合成すること、超伝導体によるデバイス回路を高圧装置内で動作させることを目的に掲げ、室温で動作する超伝導デバイスの作成へつなげる。我が国の高圧力を用いた超伝導物質合成技術、計算・数理データ科学、結晶構造解析技術、精密デバイス化技術を集結し、室温超伝導の実現にとどまらず、その超伝導を実用へつなげることを目指すものである。