著者
川村 隆浩 江上 周作 田村 光太郎 外園 康智 鵜飼 孝典 小柳 佑介 西野 文人 岡嶋 成司 村上 勝彦 高松 邦彦 杉浦 あおい 白松 俊 張 翔宇 古崎 晃司
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

本発表では,2018年よりスタートしたナレッジグラフ推論チャレンジについて報告する.近年,機械学習技術の進展によりさまざまな社会システムにAI技術が組み込まれつつある.今後,そうしたシステムを安心・安全に使っていくためにはAIによる判断・動作を適切に説明する技術が重要になってくるだろう.そこで,本会セマンティックWebとオントロジー研究会では,データセットとしてシャーロック・ホームズの小説を題材としたナレッジグラフを構築,公開し,説明付きで犯人を当てる(推論または推定する)技術を募集するチャレンジを企画・開催した.発表では,第1回となった2018年のチャレンジの概要と共に,ナレッジグラフの構築手法,SATや推論,文書ベクトルなどを用いた4つのアプローチ,およびそれらの評価方法・結果等について述べる.また最後に,2019年に予定している次回チャレンジの計画について紹介してまとめとする.
著者
古崎 晃司 江上 周作 松下 京群 鵜飼 孝典 川村 隆浩
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.2E6GS302, 2022 (Released:2022-07-11)

「ナレッジグラフ推論チャレンジ」は説明可能性を有したAI技術の体系化と普及促進を目的とした技術コンテストである.このチャレンジでは,知識グラフとして表現された推理小説を用いた「1.犯人の推定」と「2.推定理由の説明」をタスクとしている.提供する知識グラフは,説明生成に用いられることを念頭に,対象とする小説の追加や知識グラフとして記述する内容の検討等の改良を重ねてきた. 本研究では,これまでの考察をもとに,説明生成に利用することを想定した知識グラフ構築におけるガイドラインを提案する.推論チャレンジで公開している8つの短編推理小説を対象とした知識グラフを元に記述内容の修正方針を検討し,10項目からなる知識グラフ構築のガイドライン案を作成した.さらに作成したガイドラインをそれら8つの知識グラフに適用し,その妥当性の検討を進めている.本発表ではガイドラインの概要と知識グラフに適用して得られた知見を報告する.
著者
江上 周作 鵜飼 孝典 太田 雅輝 川村 隆浩 松下 京群 古崎 晃司 福田 賢一郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.SWO-057, pp.05, 2022-08-05 (Released:2022-08-10)

ナレッジグラフのトリプルに出典,文脈,時間等の様々なメタデータを付与するメタデータ表現モデル(MRM)が複数提案されている.本研究では同一のナレッジグラフに対して異なるMRMを適用したデータセットを作成し,ナレッジグラフ埋め込み手法によるリンク予測の精度評価を行うことで,各MRMの特性を埋め込みの観点から分析する.
著者
澤村 勇輝 谷津 元樹 森田 武史 江上 周作 鵜飼 孝典 福田 賢一郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2023, no.SWO-059, pp.02, 2023-03-17 (Released:2023-03-23)

自然言語文中のエンティティ名をWikidataなどの大規模知識グラフのリソースと対応づけるタスクであるエンティティリンキング(EL)は,質問応答などの基盤技術として注目されている.最先端のEL研究は英語を対象としており,日本語を対象としたEL研究は少ない.ELモデル構築には言語モデルや知識グラフ埋め込みを利用しており,日本語ELモデルを構築するには言語モデルや知識グラフ埋め込みの日本語対応が必要となる.本研究では,英語ELモデルを日本語対応するための課題の分析を行う.Wikidataを対象とした英語ELモデルPNEL(Pointer Network based Entity Linker)構築において言語依存の埋め込みを変更することにより,日本語ELモデルを構築した.英語データセットであるwebQSP,SimpleQuestions,LC-QuAD2を翻訳し,日本語と英語ELモデルの比較評価から,モデル構築における課題を埋め込み手法の観点から分析した.
著者
粂照宣 鵜飼 孝典 西野 文人
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.9, pp.1-6, 2006-01-26
被引用文献数
1

企業などの組織では,業務上のフォーマルなコミュニティ(プロジェクト) 以外にインフォーマルなコミュニティが存在する.このコミュニティは,プロジェクトメンバが作業を円滑かつ効率的に進めるために重要な役割を果たしている.また,組織運営として,その実態を把握しておくことで,プロジェクトの状況把握,担当者への作業指示や人材・資源の投入などを効率的に行うことができる.しかしながら,このようなインフォーマルなコミュニティは,プロジェクトメンバの作業状況やプロジェクトの進捗状況の変化にあわせて,時々刻々できては消えて行くために,その実態を把握することは困難である.また,特に大きな企業では,その存在を発見することすら困難である.本稿では,様々に変化するコミュニティのある時点の状況を予定表のデータから抽出する方法を提案し,実験結果を報告する.In an enterprise organization, a lot of informal communities exist besides formal communities,like as projects, on the business. The communities are playing important roles so that the project's members may proceed work smoothly and efficiently. And the managers can understand the project status, instruct person in charge about the job and manage person and the resource efficiently by understanding the realities. However, it is difficult to understand the real status of informal community, because it may be variable by member's job change and the progress of the project. Moreover, it is difficult in an especially big enterprise even to discover the existence. In this paper, we proposes the method of express the situation of point with the informal communities from the the schedule data, and we describe the experiment result.
著者
森 俊人 谷津 元樹 森田 武史 江上 周作 鵜飼 孝典 福田 賢一郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2023, no.SWO-059, pp.08, 2023-03-17 (Released:2023-03-23)

DBpediaやWikidataなどの大規模知識グラフは集合知により構築されるため,人手で構築するのには限界があり,不完全な知識グラフが構築されることがある.この問題を解決するために,知識グラフ中の欠損したエンティティや関係を補完する知識グラフ補完に関する研究が行われている.最近は,知識グラフの埋め込みに基づく知識グラフ補完の研究が注目されている.知識グラフの埋め込みに基づく手法の多くは,学習時に利用する知識グラフ(既存の知識グラフ)に含まれるエンティティの表現ベクトルを用いて関係予測などを行う.既存の知識グラフに含まれないエンティティ(未知エンティティ)は表現ベクトルを計算することができないため,未知エンティティに関する知識グラフ補完を行うことは困難である.最新の話題に対応した知識グラフに基づく質問応答や対話システムを構築するためには,未知エンティティを対象とした知識グラフの構築や補完が必要だと考えられる.本研究は,Wikipediaの赤リンクをDBpediaにおける未知エンティティとみなし,DBpediaを拡張することを目的とする.赤リンクとはWikipediaにまだ存在しない記事(記事名)への,初期設定では赤色で表示されるリンクであり,DBpedia上には赤リンクに対応するエンティティは基本的には存在しない.赤リンクはその性質上,記事が作られるべきであると判断されて作られているため,今後,赤リンクに対応する記事が作成され,DBpediaにおける新たなエンティティとして追加される可能性が高い.本稿では,Wikipediaの記事から赤リンクを抽出して未知エンティティとみなし,DBpediaにおける既存エンティティとの関係構築を行う方法について検討する.
著者
鵜飼 孝典 江上 周作 福田 賢一郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.SWO-057, pp.06, 2022-08-05 (Released:2022-08-10)

知識グラフ推論チャレンジにおいて、知識グラフ埋め込みを用いたリンク予測による犯人の推定を行う研究がいくつか行われている。それらの多くは、提供された知識グラフを主語、述語、目的語の三要素(基本パターン)に変換して用いている。本研究では、提供された知識グラフをそのままの形で用いて予測する場合(イベント中心モデル)と、基本パターンに変換して用いる場合を比較し、予測モデルの違いについて考察する。
著者
鵜飼 孝典 青山 浩二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.3, pp.157-162, 2009-01-15

現在,多くの組織がチーム間に壁があり,コミュニケーション不足によるミスが多く発生する,コミュニケーションが不足していて,十分に情報や知識がいきわたらないという問題を抱えている.しかしながら,このような問題を可視化することは容易ではなく,適切な施策を導出し,実施,評価することはさらに難しい.我々は,組織内のメンバ間の関係をアンケートによって得て,それを時系列的に図示するツールを開発した.このツールによって,チーム間の壁などの問題が一目瞭然となり,施策の効果も適切に視覚化される.本稿では,その表現力と効果を事例により検証する.事例として,インタビューを中心にしたある組織のフィールド調査を実施し,コミュニケーション改善の施策を適用したものを用いる.この施策の前後の組織内のメンバ間の関係をアンケートによって得て,それを本ツールにより視覚化し,そこから得られる考察を,フィールド調査によってえた考察で検証することで,本ツールの有効性を示す.A lot of organizations have it now, and communications where there is a wall between team, and a lot of mistakes by the poor communication are generated are insufficient, and have the problem that neither information nor knowledge spread enough. However, it is more difficult to derive not easiness but an appropriate measure, and to execute the visualization of the wall between team, and the visualization of the place where communications are insufficient. Moreover, because it is not possible to expect it, the measure that cancels the lack of communications doesn't generally evaluate a short-term result easily. We obtained the relations between members in the organization by the questionnaire, and developed the tool that showed it in the figure in the time series. The wall between team becomes obvious with this tool, and the effect of the measure is visualized appropriately. In this article, we applies to the model to obtain the design manual of the knowledge management that we have developed the result, the measure necessary for the organization is derived, and the result of application is used. First of all, the relations between members in the organization before and after this measure are obtained by the questionnaire, and it is visualized with this tool. The effectiveness of this tool is shown by verifying the consideration obtained from the relations between visualized members by the field survey on that.
著者
鵜飼 孝典 三末 和男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.31, pp.25-30, 2002-03-22
被引用文献数
1

インターネットユーザの多くが,良くアクセスするURLを自分のブラウザにブックマークとして保存している.しかしながら,URLは変化が激しく,すぐに陳腐化するという問題がある.本稿では,ブックマーク内のURLを新鮮で有効なものに保つことを目的とするブックマーク管理システムについて報告する.本システムのアイデアは協調フィルタリングをベースとし,Yahoo!やOpenDirectory Projectのような大規模ディレクトリを一ユーザとして扱うというものである.評価実験により,ユーザ数が少なくても有効なURLの推薦が可能だとわかった.Most Internet users keep URLs that they are going to access often in their browsers as the bookmarks. Bookmarks in the browser are easy to be obsolete. In this article we describe a bookmark maintenance system that supports to keep users' bookmarks fresh and useful. The system recommends the useful URL to users with social filtering the users and large directory like Yahoo and the Open Directory. The collaboration of users and such large-scale directory enable useful recommendation to the small number users.