著者
黒沢 文貴
出版者
東京女子大学
雑誌
東京女子大学紀要論集 (ISSN:04934350)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.85-114, 2007-09

In the Meiji period, Japan looked to Western powers for a model of modernization, and many reports on things Western were published. Some were reports by government-funded survey missions, and others were travel accounts by private individuals who had gone overseas. Regardless of the type of writing, each work reflected the image of "a model, modern nation" as seen by its author. In this essay, I will discuss several representative writings that helped shape Japanese perceptions of Belgium in the Meiji-Taisyo period.
著者
加藤 聖文 黒沢 文貴 松田 利彦 麻田 雅文 カタソノワ エリーナ バルターノフ ワシリー キム セルゲイ ムミノフ シェルゾッド フセヴォロドフ ウラジーミル
出版者
国文学研究資料館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

研究実施前から把握されていたロシア国防省中央公文書館(CAMO)が所蔵する関東軍文書のすべての画像データを入手し、目録を作成した。また、研究成果の一部として、ロシア側研究者らを招いて2017年2月24日に法政大学において国際会議「第二次世界大戦史研究(ソ連における外国人捕虜問題)」を開催し、60名以上の参加を得た。しかし、今回収集した関東軍文書は1990年代のロシア混乱期に明らかになった文書と異同があることが明らかになった。今回収集した文書の公開に加え、これらの未確認文書の調査に関しては、ロシア側と交渉を行ったが、研究期間内に解決することができず、現在も協議が継続中である。
著者
黒沢 文貴
出版者
東京女子大学
雑誌
東京女子大学紀要論集 (ISSN:04934350)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.145-154, 2009-03

日露戦争の勝利とそれにともなう日本の大陸国家化、そして第二次日英同盟協約の締結とは、日本軍部に大きな衝撃を与えた。陸海軍にはそれぞれ、日本の大陸権益と植民地の維持・拡大を直接的に支える陸軍と、大陸との海上輸送ルート(シーレーン)の確保と対外的抑止力としての海軍という、日本の大陸政策を支える新たな位置づけが与えられたのである。日英攻守同盟は、ロシア海軍の再建を抑止するという点で、日本海軍に相応の軍事的利益を与えるものであった。しかし、ロシアの対日復讐戦を想定する陸軍にとっては、必ずしも純軍事的利益をみいだせるものではなかった。そうした日英同盟評価とロシアを念頭においた種々の国際認識や国防上の見通しが、日英露仏の接近を促す日露戦後の帝国主義的国際環境の変化のなかで、1907年7月の第一次日露協約締結に日本を向かわせる重要な要因となったのである。こうして日露戦後の日本軍部、とくに陸軍は、日英同盟と日露協約の価値と有効性とを常に注視しながら、帝国日本の大陸政策の一翼を担っていたのである。
著者
黒沢 文貴(1953-)
雑誌
東京女子大学紀要論集
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.85-114, 0000

In the Meiji period, Japan looked to Western powers for a model of modernization, and many reports on things Western were published. Some were reports by government-funded survey missions, and others were travel accounts by private individuals who had gone overseas. Regardless of the type of writing, each work reflected the image of "a model, modern nation" as seen by its author. In this essay, I will discuss several representative writings that helped shape Japanese perceptions of Belgium in the Meiji-Taisyo period.
著者
黒沢 文貴
出版者
東京女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

本研究は両大戦間期における日本陸軍の政治・軍事・社会認識を検討することによって、日本陸軍がなぜ激動の昭和史の推進主体となったのかを明らかにしようとするものである。研究手法としては、陸軍将校の認識や思想に主たる焦点をあてるため、広く軍人の認識や思想を表明している文書を収集整理した。第1章では、陸軍の第一次大戦研究の実態を明らかにした。第2章では、田中軍政との関係に言及した。第3章では、1920年代の陸軍の総力戦構想の全体像を考察した。第4章では、当該期の陸軍にとってのもうひとつの重大事項である「大正デモクラシー」に対する認識に焦点をあて、その柔軟な対応を明らかにした。第5章では、陸軍の軍学校教育制度の改革を、幼年学校の改廃問題を中心にして検討し、その「大正デモクラシー」との関係を考察した。最後の第6章では、1920年代の陸軍のアメリカ認識が、国内の「大正デモクラシー」認識と表裏一体の関係にあったことを明らかにした。以上により両大戦間期の陸軍の思想と行動の原型を提示しえたが、今後は引続き、そうした前提をもとに、昭和期の陸軍の実態に迫っていきたい。