著者
齋藤 智子 椎塚 久雄
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.23, pp.158, 2007

現代は悩みを持たない人はいないと言っても過言ではないほど,ストレスに溢れた社会である.ストレスを抱え込みすぎないためにも,人それぞれ様々なストレス発散方法がある中で,本研究では「会話」に着目した.親しい人に話を聞いてもらうとすっきりした経験をした人が多いように,ロボットと会話がストレス軽減に繋がるのではないかと考えた.本研究ではロボットの会話部分を中心に研究し,「大学生の学校に関する悩み・愚痴」に関するシナリオを作成した.作成したシナリオデータをロボットに出力し,実験を行った.実験にはPOMS(気分プロフィール検査)を用いて,会話前後の気分を測定して結果を分析した.その結果,ロボットとの会話による混乱・怒りなどのストレス因子が軽減し,活気の因子が高くなるという良好な気分プロフィールを得ることが出来た.
著者
齋藤 智子 佐藤 由美 Saitou Tomoko Satou Yumi サイトウ トモコ サトウ ユウミ
出版者
千葉看護学会
雑誌
千葉看護学会会誌 (ISSN:13448846)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.8-14, 2006-12-30
被引用文献数
4

本研究は,介護支援専門員(以下CMとする)がケアマネジメントを行う上で感じる対応困難の実態を明らかにし,CMへの支援の方向性を検討することを目的とした。調査方法は,N県内の居宅介護支援事業所に勤務するCM693名を対象に,無記名の自記式アンケート調査を実施し,345名(回収率49.8%)からの回答を得た。対応困難の実態として,独自に作成した対応困難内容41項目について(1)対応困難と思う程度(2)実際に対応困難を感じた経験頻度について尋ねた。その結果,困難と思う内容として特に高かったのは虐待への対応,独居認知症者へのケアプラン立案であった。困難を感じた経験では,家族内の意見が不一致の際の意見調整が高かった。対応困難内容41項目を困難感の程度と困難経験の頻度との関係でみると,困難感・経験頻度とも高い項目,経験頻度は低く困難感は高い項目,困難感は低く経験頻度は高い項目,困難感・経験頻度とも低い項目に分類された。また,困難感の程度には,経験年数,基礎資格,以前の在宅療養支援経験の有無が関連している項目もあった。CMへの支援として,困難感・経験ともに高い項目は,CM全般に対する研修内容として優先的に取り上げていく,経験頻度は低く困難感は高い項目は,個別支援に重点を置いていくなど,対応困難の実態やCMの特性に合わせた支援内容・方法を検討していくことが必要であることが示唆された。The purposes of this study were to identify difficulties experienced by care managers in care management and to find ways to adequately support them. The anonymous self reporting questionnaire survey was conducted to 693 care managers in N prefecture. Forty one items of difficulties were extracted from the preceding research. The questionnaire asked the subjects to rate the degree of difficulty and frequency of their experience. The highest degree of difficulties they perceived were response to abuse cases and care plan designing for the demented living alone. In terms of frequency, many reported coordination of families with different and contrasting opinions. Forty one items were further grouped by degree and frequency into four; "high in both degree and frequency", "high in degree but low in frequency", "low in degree but high in frequency" and "low in both degree and frequency". We have to prioritize and plan our support of care managers based on the data we collected. It is important to train all care managers on the items of high degree of difficulty and frequency. Concerning items of high degree but low frequency, individual support of managers is recommended. It was also found to be critical to design adequate training, taking the care managers' professional experience into consideration since sense of difficulty was correlated with their years of experience, type of background qualification and previous experience in home care.
著者
齋藤 智子 椎塚 久雄
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第24回ファジィ システム シンポジウム
巻号頁・発行日
pp.70, 2008 (Released:2008-12-06)

技術の進歩により、家庭用ロボット、受付ロボットなど様々なコミュニケーションロボットがあり、それぞれの場面でその必要性が求められている。そこで本研究のアプローチとして、誰かに話を聴いてもらいたいとき,カウンセリングに行くほど深刻ではないけれど,親しい人には話しにくい悩みがある場合に、気軽に悩みを相談できるコミュニケーションロボットを考えた。本研究では、特に「会話」に着目し、悩みや愚痴について話すコミュニケーションロボットの会話モデルの開発を行う。まず、ロボットを使用するユーザを大学生と設定し、大学生に普段感じている悩みや愚痴に関するアンケートを行う。それを元にシナリオを作成し、ロボットにシナリオデータを出力する。このロボットを使って会話実験を行う。実験にはPOMSと呼ばれる気分プロフィールテストと多変量解析を用い、ロボットとの会話によってユーザの気分にどのような効果や要因があるのか調べた。
著者
佐藤 由美 結城 恵 齋藤 智子 中山 かおり 山田 淳子 齋藤 泰子
出版者
群馬大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、群馬県内の南米系外国人集住地域において、外国籍住民と日本人住民、関係者が研究者と協働で『子供の健康づくり』の観点で課題を共有し、有効な活動方法を見出していく参加型アクションリサーチである。1年目は日本移住者が多いブラジルサンパウロ州を訪問し、子供の教育と保健医療体制、出稼ぎ状況について理解を深めた。2、3年目は、群馬大学主催の在日外国人学校健康診断を中心に、外国籍住民や関係者の意向調査や協議を通じて、今後の方策を検討した。
著者
齋藤 智子 佐藤 由美
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.319-328, 2006 (Released:2006-12-26)
参考文献数
13
被引用文献数
4 2

【目 的】 介護支援専門員が認識する対応困難事例の特徴を明らかにすることを目的とした. 【対象と方法】 N県内の居宅介護支援事業所に所属し, ケアマネジメントを行っている介護支援専門員16名を対象に, グループインタビューを実施した. 今までのケアマネジメントの中で, 対応困難を感じた状況・場面と具体的な困難内容について聴取し, 質的帰納的に分析した. 【結 果】 介護支援専門員の対応困難は, ケアマネジメントプロセスの「計画立案」「実施」の段階で多く認識されており, 困難内容は, 家族内の調整, サービス利用の説得, 専門的対応を必要とする課題に対する対応等, ケアマネジメントに十分な時間をかけることを必要とし, また専門的知識や適切な支援者との連携を必要とする内容であった. 【結 論】 介護保険制度下におけるケアマネジメントの質の向上のために, 介護支援専門員が認識する対応困難の特徴をふまえた支援を行っていく必要がある.