著者
南 喜一
出版者
一般財団法人 林業経済研究所
雑誌
林業経済 (ISSN:03888614)
巻号頁・発行日
vol.10, no.7, pp.25-26,7, 1957
著者
泉 桂子
出版者
一般財団法人 林業経済研究所
雑誌
林業経済 (ISSN:03888614)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.1-16, 2016 (Released:2016-11-07)
参考文献数
34
被引用文献数
2

山梨県内に位置する小菅村、丹波山村、道志村、早川町、西桂町を対象として1985年前後~2010年までの(1)高齢化、(2)町村財政、(3)女性就業率の推移を明らかにした。(2)には、小菅村、丹波山村固有の視点として、東京都水源林の事業費支出の推移と水道事業におけるその位置づけを含めた。まず第1に、高齢化について、対象町村は全国に比べ、高齢化のピークをいち早くくぐり抜けた高齢化先行地であること、第2に、西桂町を除く対象町村の財政は人口1万人未満の他町村に比べ人口1人あたり歳出総額が多く、同様に人口1人あたり町村税収入が少ないことが明らかになった。道志村、早川町、西桂町や近年の小菅村は人口1人あたり町村税収入を一定割合保っている。また、対象町村の女性就業率は全国平均、県平均に比べて、小菅村、道志村、西桂町で高く、上記3町村では第2次産業の女性就業者が減少した分、第3次産業の女性就業者が増加し、加えて道志村では第1次産業の女性就業者が一定数見られた。
著者
矢部 三雄
出版者
一般財団法人 林業経済研究所
雑誌
林業経済 (ISSN:03888614)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.1-16, 2018 (Released:2018-10-01)
参考文献数
106

御料林における森林鉄道は、伐木作業員向けの物資輸送を目的として敷設されていた阿寺軽便軌道を明治40(1907)年に木材輸送用として改良したことに始まる。その後、順次、森林鉄道が開設されるが、その多くは大正期後半以降の竣工であり山林局所管国有林に比べ後発であった。その要因は、御料林が主要河川流域にまとまって編入され、木材の河川流送が確保されたことにより陸送への転換圧力が大きくなかったことによる。なお、大正期に入ると主要河川は電源開発の対象となり、木材輸送手段の陸送への転換が不可欠とされたが、御料林では木材を大都市部に輸送する方式を採用していたことから普通鉄道との接続が森林鉄道導入の前提となった。本論では、御料林において開設された森林鉄道の概要を把握した上で、その開設の状況から、森林鉄道導入の要因及び普通鉄道との接続状況について明らかにする。なお、森林鉄道の開設経費に影響を与えた昭和天皇の御下問問題にも触れる。
著者
福田 淳
出版者
一般財団法人 林業経済研究所
雑誌
林業経済 (ISSN:03888614)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.1-16, 2005
被引用文献数
1

欧州諸国では、違法伐採木材を政府調達又は国際貿易から排除する規制措置が実施・検討されている。英国では、2000年に環境大臣が、全ての中央政府機関に合法かつ持続可能な木材の調達に向けた取組を義務付ける声明を発出してから、「アドバイス・ノート」の策定や「CPET」の設置などの具体的な取組を進めてきた。英国のほか、デンマーク、フランス、ドイツ、オランダにおいても、木材に関する調達政策の取組が実施・検討されている。一方、EUでは、木材生産国との自主的な二国間協定に基づき、協定締結国からの木材輸入に合法性証明書の添付を義務付ける「FLEGT証明制度」の検討が進められている。政策導入の影響としては、英国による調達政策の場合、調達される木材を認証木材にシフトさせるような影響を与えること、EUによる貿易政策の場合、第三国経由の迂回輸入や対象外品目への加工による規制の回避を誘発することが考えられる。
著者
池田 友仁 志賀 和人 志賀 薫
出版者
一般財団法人 林業経済研究所
雑誌
林業経済 (ISSN:03888614)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.9-28, 2017 (Released:2017-07-01)
参考文献数
21

本論文では、2000年に地種区分の見直しが行われた秩父多摩甲斐国立公園を事例に地域制国立公園の理念が地種区分と施業規制にどのように反映されているか、その実態を明らかにした。このため、国立公園地域の施業規制の実態と森林所有者に対する地種区分の決定過程を検討し、多摩川・荒川源流部の埼玉国有林と水道水源林の森林管理計画と施業区分の変遷から地種区分の変更が森林施業に与えた影響を小班単位に分析した。地種区分の見直しの際に国・都県と東京大学秩父演習林には、関東地方環境事務所から事前協議が行われたが、東京大学秩父演習林以外では当時の記録は確認できず、私有林所有者への対応は関係都県に任され、公示後に初めて見直し結果を知ったとする私有林所有者もみられた。土地所有権の制限を伴う地種区分の根拠と決定過程の透明性の確保や多様性を持つ地権者の森林管理の実態解明とともに専門的技術者や情報を持たない私有林所有者に対する支援が必要となる。
著者
坂口 喜一郎
出版者
一般財団法人 林業経済研究所
雑誌
林業経済 (ISSN:03888614)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.18-26, 2002

聖域なきグローバル化と規制緩和の進む中での経済活動の進展に伴い、林業分野の市場においても従来の業界事情への配慮を求める甘えはますます通じなくなっている。ユーザーの瑕疵担保保証制度等の要求に対応して国産材は規格の揃った輸入材・輸入集成材と比較され、国産材はそれに耐えて競争することが当然とされる。これまで国産材は建築現場で材の一本一本の個性まで考慮して木取りされ利用されるものとして生産されてきた。しかし市場では乾燥・集成材化された輸入材の方が使いやすいとのニーズが強まり、輸入材と同一土俵上での価格、品質、安定数量供給が求められている。