著者
小比類巻 淑
出版者
学校法人 山野学苑 山野美容芸術短期大学
雑誌
山野研究紀要 (ISSN:09196323)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.121-124, 2006

前回、油画による作品制作過程におけるシミを用いた無作為性と作為性について述べたが今回は、特に削り出しという技法を用いた時に発生する、削り出しの偶然的効果と自分の意志で意図的に色や形に変化を付ける作為的技法の関係について以下に論じた。
著者
澤村 英子
出版者
山野美容芸術短期大学
雑誌
山野研究紀要 (ISSN:09196323)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.1-7, 2007-03-20

宮中および公家衆から大名家への下賜の品物として存在した御所人形。またの名を拝領人形、お土産人形とも呼ばれ、この人形の性格は男児の前途を祝しての意味合いが強い。御所人形の様式には、江戸時代の各期でいくつかの顕著な特徴が示されていて、そこには人形様式の変化と社会的背景とが大きく関わっていることを考察することができた。
著者
山野 ジェーン愛子 青木 和子 渡辺 聰子 近藤 正子 山下 牧子 西川 奈実
出版者
山野美容芸術短期大学
雑誌
山野研究紀要 (ISSN:09196323)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.51-55, 2007-03-20

著者らは「車椅子利用者のための和装婚礼衣装」(Vol, 12)「車イス利用者のための紋服」(Vol.14)で取り上げた研究によって、ほぼ全ての種類の着物が重イス利用者に対して着付け可能であることを立証できたと思っている。しかし、それらは成人向けであることから、今回は、車イス利用者の子供への着物着付けを試みた。子供への着付けは障害者を問うこと以前にじっとしていないなど困難な面もあるが、障害児へ可能性がまたひとつ広がったので、ここにご報告させていただく。
著者
山野 愛子ジェーン 青木 和子 渡辺 聰子 近藤 正子 山下 牧子
出版者
山野美容芸術短期大学
雑誌
山野研究紀要 (ISSN:09196323)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.1-11, 2006-03-25

高齢や何らかの障害により立位をとることが難しく通常とる姿勢が座位という方にとって、和装は困難・不可能などと思われているが、筆者らは前回の研究(Vol.12)で「車イス利用者のための和装婚礼衣裳」を取り上げ、それまでの留袖、振袖などに加え車イス利用の成人女子の着付けの可能性を広げてきた。そこで、今回は花婿の衣裳にも象徴され男子の礼装の最高位に位置する「紋服」に注目し、僅かな工夫をした上で、その着装を試みたので、ここにご報告させていただく。
著者
近内 トク子
出版者
山野美容芸術短期大学
雑誌
山野研究紀要 (ISSN:09196323)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.35-44, 1993-03-25

Shakespeareは作家として出発した初期の一時期に,ペストの大流行に出会った。1592年から1594年のことのことであった。この間,劇場はこの疫病のため閉鎖されたままであった。この疫病の流行の時期に,彼は詩集を二編,すなわちVenus and AdonisとThe Rape of Lucreceを書き上げ,出版した。この時期に彼は,The Sonnetsの最初の部分も仕上げたと考えられる。Venus and Adonisは1593年,The Rape of Lucreceは1594年に出版されているが,この二つの詩集は両方ともSouthampton伯に献呈された。彼はThe Sonnetsの美しい貴公子に当る人物と考えられる。Venus and AdonisはThe Sonnetsの中の最初の17篇,つまり貴公子に詩人が結婚をすすめた部分と極めて共通している。似た表現が見られるだけでなく,同じテーマや同じ意図が込められている。この論文は,Venus and AdonisとThe Sonnetsの最初の17篇との間の類似性と,テーマの同一性を検討する。結論として,Venus and Adonisは17篇の結婚ソネットと同様,美しい貴公子に,疫病に打ち勝つため早く結婚して子孫をもうけなさいとすすめる詩である。詩人は若い貴公子が,子孫をもうけることで,その生命が永遠に続くことを願って歌っている。
著者
村松 英子
出版者
山野美容芸術短期大学
雑誌
山野研究紀要 (ISSN:09196323)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.29-33, 1993-03-25

今回平安朝における裳の役割について,『枕草子』と『紫式部日記』等を検証した。その結果次のように考察できる。(1)裳が長く変化したことは,着ている人の動作を著しく妨げ,機敏性を失わせた。(2)装飾と考えられていた裳は,公的な場合には着用者の立ち居振る舞いを,その裳を長く発展させたことにより,一段と公的にする効果を導き出させた。以上のことより衣服に付随する装飾のための裳は,着用者の極めて公的な雰囲気を醸し出す要素に発展し,重要な衣服の構成成分になったことが考えられた。
著者
増子 博調
出版者
山野美容芸術短期大学
雑誌
山野研究紀要 (ISSN:09196323)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.53-60, 1993-03-25

日本の古典芸能は一口に言って「間」の芸術である。西洋の時間芸術がリズムにのって流動するのに対して,日本の時間芸術は流れるよりもむしろ止まる。絶え間なく流れ行く時間の中で,いかにして静止するかに腐心する芸術であるといってよい。日本舞踊の「間」という形こうしたテーマをとりあげたこの小論では,邦舞の「間」の問題を三つのステージで捉え,第一のステージでは,いわゆる「常間」という規則正しい間拍子のとり方を吟味の対象とし,第二のステージでは,「常間」では一応の舞踊の形は整うけれども,芸術としての面白味(踊り手の側からみれば「個性」)を出すには,一歩進んでことさらに間のリズムを壊して,変則の間拍子を工夫する必要のあることに触れ,第三のステージでは,間拍子の工夫がただ技術的巧拙の段階にとどまる限り,そこに芸術としての味わいを醸し出す余地はなく,ここで一段飛躍して,芸術に精神性の表出を求める立場から,いわば「気合の芸術」として,日本舞踊の「間」の問題に迫ろうとする。これらの作業が,日本文化の特質解明の一助ともなりうれば幸である。
著者
近内 トク子
出版者
山野美容芸術短期大学
雑誌
山野研究紀要 (ISSN:09196323)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.19-31, 1999-02-25

Shakespeareはその生涯に,40篇近い劇作品を書いたが,喜劇,悲劇,歴史劇とジャンルの違いはあっても,どの作品にも皮肉な視点が組み込まれている。"Gentle Shakespeare"と称された詩人であるが,作品の中には必ずピリッと辛いわさびが効かしてあった。しかしこの工夫が,彼の作品を一筋縄では片付けられない,面白いものにしているのである。彼の悲劇作品では,詩人は劇的アイロニイを追求した。Richard IIIは歴史劇であるが,さまざまな劇的アイロニイが描かれている。劇的アイロニイは,悲劇的アイロニイと呼ばれることもある。劇的アイロニイの最も典型的な例は,他人事と思って発言したことが,自分自身の身に跳ね返ってくる皮肉な運命を言う。例えばRichard IIIの中のHastings公は,Richard王の誘導尋問にかかって,王に魔法をかけた者がいるなら,誰であろうと死刑にすべきだと答える。王はHastingsを魔法使の仲間だと言って,即刻死刑にすることを要求する。暴君Richard王ならではの行為である。この他Richard IIIには,Richard王自身にまつわる究極のアイロニイとも言える,運命の皮肉が作品の中に用意されている。
著者
公文 裕子
出版者
山野美容芸術短期大学
雑誌
山野研究紀要 (ISSN:09196323)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.9-25, 1995-03-25

化粧…この二文字の言葉のもつ意義と思考ほど,人間それぞれの実に様々な考え方,表現法や主張を含むものはないと思う。古今東西を問わず,私達が現世に生まれ生きてゆく過程の中で,個人差はあるにせよ,誰もが美しいものへの願望,美意識,「美しく〜したい」との夢や楽しみ,また精神の高揚から化粧をするのである。これは人として,時代は変われど素直な気持ちでもあろう。人間が生きゆく,社会生活の中において化粧の必要性のある人,不必要と思う人の認識度,尺度は人様々であるが,ここで改めて,私達は何故化粧をするのかということ,すなわち「化粧とその心理について」触れてみたい。開学3年目を迎えて,本学の私の担当分野である美粧(1)・(2)の中での指導時の所感も含め,公開講座,講演,研修時に,この化粧の心理と感想を,幅広い年代層の方々にご協力いただいて,現代の化粧に対する認識性と化粧の心理効果を追求してみた。ここに感想をいただいた全国の多くの方々に,この誌上で改めて謝辞を述べると共に,この調査結果を含めた,上記表題のテーマを考察してみたい。
著者
山本 將 河野 誠二 岡島 由佳 青木 和子
出版者
山野美容芸術短期大学
雑誌
山野研究紀要 (ISSN:09196323)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.27-37, 2002

美容や理容にとって頭毛は最も重要な施術素材であり洗髪など頭毛が水または水溶液に浸漬される機会も多いが,その物理的性質に関する情報は少ない。そこで頭毛の含水量に対する反応について研究した。頭毛は水中で膨潤するが,直毛赤毛,直毛黒毛,波状毛黒毛では10〜12%の仮直径の増加でいずれも差がなかった。なお同一個体由来の59本の直毛黒毛ヴァージン毛の%増加率平均値と標準偏差は112(%)±2.5である。長さの変化も同一個体の直毛黒毛による実験でそれぞれ101.9(%)±0.24であった。水中に浸漬した頭毛は急速に吸水し,約2分で最大値に達して安定する。この変化を同一頭毛で繰り返すと,わずかだが塑性変形の傾向を示す。また膨潤による仮直径の%増加率は,その太さにかかわらずほぼ一定である。一方で,頭毛の横断ブロックでの実験では塑性変形が著明になる。以上のことから,ヘアカットにおいて頭毛含水量を多くした場合の危険性について考察した。さらに頭毛の実験において,その直径に言及する必要があるときはその代用として仮直径を用いることの妥当性を論じた。
著者
小比類巻 淑
出版者
山野美容芸術短期大学
雑誌
山野研究紀要 (ISSN:09196323)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.45-50, 2007-03-20

2006年2月のNew York Cityでの展示に引き続き韓国の釜山でも展示を行うことになった。亜細亜という近しい存在にありながらも違った感性を持ち合わせている韓国で国際的な展示を行う事となった。これについて以下に述べる。