- 著者
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公文 裕子
- 出版者
- 山野美容芸術短期大学
- 雑誌
- 山野研究紀要 (ISSN:09196323)
- 巻号頁・発行日
- vol.3, pp.9-25, 1995-03-25
化粧…この二文字の言葉のもつ意義と思考ほど,人間それぞれの実に様々な考え方,表現法や主張を含むものはないと思う。古今東西を問わず,私達が現世に生まれ生きてゆく過程の中で,個人差はあるにせよ,誰もが美しいものへの願望,美意識,「美しく〜したい」との夢や楽しみ,また精神の高揚から化粧をするのである。これは人として,時代は変われど素直な気持ちでもあろう。人間が生きゆく,社会生活の中において化粧の必要性のある人,不必要と思う人の認識度,尺度は人様々であるが,ここで改めて,私達は何故化粧をするのかということ,すなわち「化粧とその心理について」触れてみたい。開学3年目を迎えて,本学の私の担当分野である美粧(1)・(2)の中での指導時の所感も含め,公開講座,講演,研修時に,この化粧の心理と感想を,幅広い年代層の方々にご協力いただいて,現代の化粧に対する認識性と化粧の心理効果を追求してみた。ここに感想をいただいた全国の多くの方々に,この誌上で改めて謝辞を述べると共に,この調査結果を含めた,上記表題のテーマを考察してみたい。