- 著者
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王 飛雪
中山 徹
- 出版者
- The Japan Society of Home Economics
- 雑誌
- 一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
- 巻号頁・発行日
- pp.273, 2014 (Released:2014-07-10)
目的 2009年8月に台湾を襲った台風第8号(Marakot)による集中豪雨により、各地に甚大な被害が発生した。特に最も深刻な被害を受けた高雄市甲仙区にある集落の小林村では、大規模な深層崩壊による村全体が壊滅し、400人以上の犠牲者が出たことで、Marakot台風災害で犠牲者が最も多いところとなった。災害後、台湾政府が主導して、災害地の復興に力に入れたが、小林村について、行政院と住民の座談会によって、三箇所基地に分散する小林社区を再建することになった。本稿では、2013年5月に現地訪問を行い、深層崩壊による村の災害情況を把握し、小林村の復興に関する情況を検討する。方法 高雄市政府及び行政院再建委員会に訪れ、深層崩壊による村の情況把握及び小林村の復興情報をヒアリングして、資料収集を行った。その上に、元小林村の災害地及び再建後の小林社区に訪れ、現地でのヒアリング調査を行った。結果 本研究では、深層崩壊による元村の情況、三基地の復興情報を把握した。さらに、再建地区に産業発展のケースとされる永齢有機農業園区を考察した。現在の小林村は杉林区大愛園区小愛社区、甲仙区五里埔小林社区及び杉林区日光小林社区の三個所基地に分散されて、共通している特徴を持っているが、それぞれの独自性も持っている。三基地の共通点は、単一民族の平埔族の小型社区なので、互いに共通な認識度は高く、平埔族文化の継続と故郷への思いが強いことである。