著者
中澤 弥子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.67, 2015

<b>目的</b> 発表者は、文化庁の派遣事業で平成26年度文化交流使として、ヨーロッパ7か国(フランス、ドイツ、ポーランド、ハンガリー、イタリア、スロバキア、イギリス)で約2か月間、日本の食文化を紹介する交流活動を行った。本研究の目的は、その活動参加者を対象としたアンケート調査結果から、ヨーロッパ7か国の日本食文化への関心について明らかにすることである。<br><b>方法</b> ヨーロッパ7か国での日本食文化についての講演会及び日本食のワークショップ等、文化交流活動の参加者を対象に、日本食文化への関心等について各母国語(イタリアの食科学大学の学生は英語)でアンケート調査を行い、その結果について検討した。<br><b>結果</b> ドイツ・ベルリンで行った太巻き祭り寿司のワークショップの参加者24名のアンケート結果では、全員が「今日の講演会及びワークショップを楽しめた」、「食した日本食(太巻き祭り寿司・味噌汁・日本茶)はおいしかった」、「日本食の作り方を、また、機会があれば習ってみたい」及び「日本の食文化または日本食について関心がある」と回答した。好きな日本食には、寿司、刺身、天ぷら、味噌汁、ラーメン、うどんなどが自由回答され、日本食の好きなところとして、健康的、食して美味しいのみならず目でも楽しめる、様々な味覚が楽しめる、油脂が少なく重くない等が自由回答された。その他6か国の調査結果でも同じ傾向の回答が得られ、日本食文化への関心の高い参加者が多かった。
著者
柴田 優子 布施谷 節子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.61, pp.294, 2009

<B>目的</B>若い女性は、今も昔も大人の女性への憧れと、身長を高く脚をきれいに見せたい欲求や、衣服とのコーディネートからハイヒールを履いてきた。しかしながら、美しい歩容はなかなか見受けない。そこで、裸足歩行とハイヒール歩行とを実験によって比較し、その違いを明らかにする中で、美しい歩容を追求したいと考えた。<BR><B>方法</B>被験者は20歳代女性45名である。実験に用いた靴はヒール高8cmのピンヒールでポインテッドトゥであり、サイズはS,M,L,LLの4種類を用意した。被験者は各自が最も適合すると判断した靴を履き、反射マーカーを右体側の耳珠点、肩峰点、大転子点 膝蓋骨側面、踵点、外果点、甲の中央、つま先につけ、10m歩行を3回繰り返した。裸足歩行も同様に行った。これを2台のビデオカメラで撮影し、右足離床から着地し次の離床までを1歩として捉えた。1歩のスタート時から膝が最高点に達した時点と次の離床時までについて、左右前後上下の変化量として各マークのXYZ座標値の差を算出した。また、上体と腰、膝、足首の空間角度を捉えた。解析はヒューテック製Mpro3Dによった。<BR><B>結果</B>(1)裸足歩行では、上体の上下動が小さく、足部は外側に大きく蹴り出し、踵を高く上げているのに対して、ハイヒール歩行は上体の上下動が大きく、踵をあまり上げず、床面にほぼ平行に移動し、歩幅が小さく上体がやや後ろに引けていることがわかった。 (2)膝の上下の動きを経時変化で見ると、裸足歩行は個人差が見られるのに対して、ハイヒール歩行はパターン化した動きであった。(4)ハイヒールを履きなれた人とそうでない人を比較すると、履きなれない人は左右上下のブレが大きいことがわかった。
著者
小出 あつみ 間宮 貴代子 松本 貴志子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.70, pp.133, 2018

<b>目的</b> 本研究は,伝統的発酵食品である豆味噌を中心とした6種類の味噌について理化学的特徴を検討した。<br><b>方法</b> 試料の味噌はイチビキ (I),野田(N),カクキュ(K),まるや(M)の豆味噌と野田の合わせ味噌(NM)および白味噌(NW)である。味噌の比重・塩分・糖度を測定した。色差計でL*・a*・b*値を,クリープメータ物性試験システムでテクスチャーを測定した。遊離アミノ酸分析は㈱イチビキに依頼した。統計処理は有意水準を5%で示した<i>Tukey</i>法で行った。<br><b>結果</b> 味噌の比重ではMが,塩分ではNWが,糖度ではMの値が有意(<i>p<0.05</i>)に高かった。色調では豆味噌の色調がNMとNWより有意に濃く,豆味噌の L*値に顕著な差はなかったが,a*値とb*値はN> M =I >K の順番で濃かった。テクスチャーの硬さ荷重・付着性・ガム性荷重は同じ傾向を示し,K >M >N >I >NM=NWの順番に高かった。しかし,凝集性はNMとNWで高かった。遊離アミノ酸含有量のうま味,甘味,苦味成分ではN・K・Mが高い値を示した。よって,豆味噌はNMとNWより濃い色調と硬いテクスチャーであり,遊離アミノ酸含有量が顕著に多かった。また,豆味噌のうち重石をした木桶熟成(K・M・N)味噌はタンク熟成(I)より比重,塩分および糖度の値が高く,色が濃く,硬く,遊離アミノ酸量が多かった。この要因として熟成方法の違いによる水分量の寄与が考えられた。
著者
徳山 孝子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.67, 2015

<br><br><b>目的</b> 幕末から明治期における金モール刺繍の普及について着目した。この時期は西洋文化が導入され、軍服にもフランス、イギリス式が採用され、金モール刺繍が多く用いられた。例えば、金モール刺繍を施した肩章、襟章などがある。このように多くの用途があり、軍服にはなくてはならないものであった。<br>&nbsp; 本研究では、金モール刺繍を日本で製織するようになったきっかけ、製織技術の伝来、製織し始めた人物を明らかにすることを目的とした。 <br><b>方法</b> 研究を進めていくなかで、金モールの製造には中野要蔵が深く関わっていることがわかった。<br><b>結果</b> 東京・日本橋区呉服町で「中野屋」という名で洋織物商を営んでいた。最初は、慶応時代に輸入業を始めていたことがわかった。外国武官、外交官が来朝した際に、はじめて金モールが何であるかを知ったとされている。1872年の服装制定により、モールが肩章などに多用されることとなった。当初は輸入品で間に合わせていたが不便であったため、機械を購入して金モールを製造し始めたことがわかった。明治12年製造に着手して以来、各地で需要が高まり、東洋派遣米国海軍からの注文、特約店に命ぜられ、宮内省の御用達にもなった。
著者
神澤 佳子 片平 理子 千歳 万里 金坂 尚人 清水 きよみ 河村 美穂 上村 協子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.69, 2017

目的:神戸市のA児童館は、18歳未満の子どもが利用可能な地域住民に開かれた施設であり、放課後児童クラブと一体的に運営されている。ここでは平成21年度より毎年10~12月の3か月間、遊びの一つとして「どんぐり」を通貨とした買い物体験プログラム「どんぐりマーケット」を行っている。このプログラムを消費者教育の視点からとらえなおして特徴を抽出し、今後の内容の広がりの可能性を考察する。 <br>方法:「どんぐりマーケット」の見学と利用児童の観察、職員へのヒアリングを行い(2016年10~12月)、「子どものまち」等の体験型プログラムと内容を比較検討した。 <br>結果:このプログラムで子ども達は、地域でどんぐりを収集し、マーケットの商品を選択・購入する。そのマーケットで販売する商品を製作し、自ら値段をつけ、会社を組織し販売と通貨管理を行い、売上の一部と労働によって給料を得る。消費者・生産者・労働者の立場を体験しながら、主体的な価値選択と意思決定を行っている。これらは、バイマンシップだけでなく、組織の運営とルールを守りプログラムに参画するシチズンシップの要素も含む「消費者市民」教育の具体的な形といえる。さらに、住民参加による「地域社会との共生」、どんぐりを発芽させ植樹する自然循環体験の内容を持ち、日常に溶け込む継続的な消費者教育という特徴がある。今後、子ども達の企画への参加等を加えることで、一層の内容充実が期待される。
著者
重川 純子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.56, pp.94, 2004

目的:有配偶女性の就労形態としてパート就労の割合が高いが、高度な技術や知識を必要とする職種に就労し高い収入を得る者も増加しつつある。自分自身の貨幣を持つことはパワーを獲得することになる。夫妻間の相対的な稼得力の変化は夫妻の関係を変化させるかもしれない。本研究では、まだ日本においては少数派である夫と同等あるいは夫以上に収入を得ている妻の属性、及びそのことが夫妻関係に及ぼす影響について検討を行う。<br> 方法:首都圏の核家族世帯対象に調査を実施した(財)家計経済研究所「核家族調査」(1999年)の妻回答と夫回答を用いた。調査前年1年間の収入により妻と夫の収入の関係を類型化(夫妻対等世帯、夫の方が収入階層が高い世帯、専業主婦世帯)し、家計の実態と意識、夫妻関係等について比較を行った。<br> 結果 :夫妻対等世帯の特徴は以下の通り:就業形態は、妻は公務員割合、管理・専門職割合、夫は相対的に公務員割合が高い。稼得役割、家事・育児役割について性別役割規範が相対的に弱い。家計管理の実態、収入帰属の意識面それぞれで個別化傾向がみられる。<br> 夫妻対等世帯の夫は比較的帰宅時間が早く、家事育児の実施頻度も相対的に多い。情緒面でも、夫妻対等世帯の妻は夫からサポートがあると感じ、夫も妻をサポートしていると思っている。妻の就業に対し、夫妻ともに肯定的な評価が多い。妻が夫とほぼ同等に稼得することは夫妻関係に緊張よりも、実態面、情緒面で協力関係をもたらしている。<br> 対等な夫妻共稼ぎが増加する中、個々人のレベルでは固定的な性別役割意識からの脱却、社会的には夫妻が協力的な関係を築ける働き方を保障する必要性が高まると考えられる。
著者
八巻 睦子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.96, 2002

日本の治安悪化に対する認識の高まり、単身世帯の増加や地域社会の紐帯の弱化から、防犯や緊急時対応について、警察や消防という公的機関、あるいは従来型の相互扶助組織のみに頼らず「安全」な生活を送ることが求められる。そこで、日常生活における人々の防犯意識と実施している安全対策の現状について調査を実施した。結果、「危険や不安を感じるとき」で最も高値を示したのは「夜遅く帰宅するときの帰り道」である。また20&sim;30歳代の女性では自己の安全に対する不安が強いのに対し、40歳代の女性では子どもの安全に対する不安が強い。安全対策としては、「戸締りをしっかりする」「二重ロックにする」という鍵に関する回答が多い。次いで「防犯ベルを持つ」、「携帯電話を持つ」、「家族で連絡を取り合う」が続く。
著者
中川 泰代 山口 直彦 大澤 真由美
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.56, pp.37, 2004

[目的]近年の健康志向から緑黄色野菜を主原料としたデザート類が多く市場に出回っている。しかし、これらの食品に含まれるカロチノイド系色素は光に弱く、退色に伴う返品がしばしば発生、問題となっている。本実験では包装技術による光と酸素とを制御することによって、その商品寿命の延長を図る目的で行った。〈BR〉[方法]_丸1_野菜入りゼリー菓子、トマトを含有する乾燥モデル食品及びβーカロテンを吸着させたろ紙を調整し、光透過度(T%)及び酸素透過度の異なるフィルムで包装し、明暗所常温保存試験を行った。_丸2_着色度は日本電色工業(株)製 COLOR DIFFERENCE METER MODEL 1001DPで測定し、ハンター表示値で示した。また、劣化度は保存0日のa値に対する保存野菜ゼリーのa値の割合を求めa値の残存率として示した。〈BR〉[結果]_丸1_T%の異なるAl-蒸着フィルムで野菜入りゼリー菓子を包装し、明所常温保存の結果、2_から_5のT%であっても35日目にはa値の残存率は50%以下となり商品価値を失った。しかし、T%:0のAl -蒸着フィルムのそれは107日間の保存によっても50%以上の残存率を示した。_丸2_酸素バリア性の異なる3種の無印刷プラスチック(酸素透過度:2_から_3cc、8_から_10cc及び30_から_50cc/_m2_/24hr)を用い脱酸素剤封入包装されたゼリー菓子の袋内の酸素濃度は1日目には0%台となり、その保存期間中も0%台で推移し、55日間の明所常温保存によっても、a値の変化は殆ど認められなかった。_丸3_乾燥モデル食品に抗酸化物質を添加し明所常温保存の結果、その効果はトコフェロール>ビタミンC>カテキンの順であった。
著者
深石 圭子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.69, 2017

<b>研究の背景</b> 我が国経済の高度成長に伴う35年以降無秩序な宅地化の進展は「農住都市」構想へと向かう。昭和40年柿生農協では組合長鈴木新之助、農林中央金庫組合金融推進部の山名元を中心に農協建築研究会による住宅相談事業を発足し、これはその後のコーポラティブ事業、新百合ヶ丘開発に至る第一歩である。<br><b>研究の目的</b> 住宅相談事業で実現した住宅の内、林・山田・中原設計同人の中原暢子(以下中原という)が設計したものを分析し、昭和40年代の都市農家住宅についての傾向及び中原の考え方を読み取る。中原はこのプロジェクトの第1号農村住宅の設計者であり、柿生農協のパンフレットに印刷されており、設計数が多いことから、この住宅相談事業での典型的な農村住宅であると考える。<br><b>研究の方法</b> 中原暢子が林・山田・中原設計同人で設計図書を所員であった白井克典氏から本学に寄贈された原図等を保管しているが、そのうち見積提出先が柿生農協としているものを分析対象とした。<br><b>研究の結果</b> 1)すべての住宅について続き間が確保されている。2)子供室、老人室及び夫婦寝室を分離している。3)土間食堂、土間台所は農作業の規模、内容によって大きく変わる。4)食事室は必要に応じて上足用と下足用が並置される。5)浴室とサービスヤードの連結は密接である。
著者
富士栄 登美子 島袋 麻美
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.60, pp.244, 2008

【研究内容】沖縄県の沖縄島を中心とした紅型,福島県の会津若松,田島,喜多方を中心とした会津型,三重県鈴鹿市の白子・寺家を中心とした伊勢型について,それぞれの色彩,文様,技法などの相違点を明らかにし,型染の美意識について比較検討し,技法,染色法,色彩,道具,型紙の面から考察した。【研究結果】(1)染型紙:伊勢型,会津型は,白地彫りと染地彫りのいづれかであるのに対して,紅型は,白地彫りと染地彫りの両方がひとつの染型に存在している場合が多い。(2)技法や道具:紅型には「糸掛け」が,伊勢型には「糸入れ」が残っている。「糸入れ」と「糸かけ」は異なる技法である。(3) 彫り台:紅型の型を彫るときの台は,「ルクジュウ」である。(4) 型屋と染屋(紺屋):(5) 色彩:伊勢型,会津型は、おおむね単色が多い。これに対して紅型は、顔料を使った多色染である。紅型は、藍と墨で染める藍型もあるが、[紅入色型染]を略して[紅型]と呼ぶように、[色差し][色配り][隈取り][二度刷り]など多色の色使いである。(6) 染色法:紅型は捺染法であり,伊勢型,会津型は浸染法である。(7) 文様:紅型は図案化,伊勢型は繊細,会津型は技巧的である。(8) 美意識:紅型の美意識は,伊勢型から生まれた江戸小紋や,中形にみられるような粋好みの美意識ともちがう。紅型の隈取りや白地彫り染地彫りがひとつの型紙に共存しているという特徴が幻想的で自由で明るい紅型の美意識を生み出しているといえる。(9) 教育の現場で:今後は地域教材とした授業を小・中・高等学校の教育の中に取り入れることで子供たちの伝統工芸に対する意識の向上の更なる変容が期待される。「紅型」を地域教材として取り上げ,現職教員で大学院生の島袋麻美の教育実践は,教育成果をあげている。 本研究は、科学研究費補助金(2005~2007年度、課題番号17500509)を受けていることを申し添えます。
著者
福永 陽 柚本 玲 今井 綾乃 田中 辰明
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.238, 2004 (Released:2005-04-02)

<目的>衣類保管時に、市販防カビ・防虫剤を使用するが、それらの中にはシックハウスの原因の一つとされるパラジクロロベンゼンなどの化学物質が含まれているものも少なくない。一方、防カビ作用があるとされる天然物についての報告はあるが、居住環境中に見られる真菌に対する抗菌性の報告例は少ない。そこで本研究では衣類保管を想定し、衣類から分離した2種の真菌について、香味野菜の揮発成分による真菌の発育抑制効果を明らかにした。<方法>試料は香味野菜15種(ナガネギ・ショウガ・タマネギ・ニラ・セロリ・ミツバ・エシャロット・ローレル・サンショウ・カラシ・ワサビ・トウガラシ・シソ・パセリ・ローズマリー)。PDA培地にCladosporiumを三点培養したシャーレの蓋に、細かく砕いた試料を、培地に触れないように各1、3、5gずつ設置した。25℃で7日_から_30日間培養後、発育抑制効果により試料を以下のように分類した。_丸1_効果大;7日以上発育抑制。_丸2_効果小:7日未満で発育確認。<結果>ナガネギ・タマネギ・エシャロット・ワサビ・カラシの5種が効果大であった。今回、ニラを除くすべてのユリ科の試料で効果大となった。ニラに関しては、試料の腐敗によるコンタミが見られたので、効果が見られなかったと考えられる。
著者
藤本 佳子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.253, 2003

目 的 前年度の発表に引き続き、本研究では、永住の場所としてのマンションにおいて、マンションにおける高齢期に向けての安全な住生活をすごすための方策を検討するために事例調査を行った。方 法 バリアフリータイプの大阪府にある建築後6年から8年経過した、5階建て8棟の団地を形成している各棟29戸から85戸の計480戸の事例である。居住者全員を対象とした。調査内容は、住民同士のふれあいの企画内容と参加および協力度、高齢者にとって望ましい住生活の内容、高齢期による社会的サポート等の周知状況である。各戸訪問配布回収し、不在住戸は郵送で回収した。配布数405件、回収数134件、回収率33%であり、調査時期は、2003年1月7日から24日である。結 果 住戸概要は、3LDKが66%、4LDKが27%、2LDKが5%で、住戸専有床面積は、80m<sup>2</sup>~100m<sup>2</sup>であり、平均95m<sup>2</sup>である。調査回答者は、区分所有者が95%で、男42%女54%である。40代が33%、30代が25%、50代が22%の順に多い。住民ふれあいのための企画参加の希望が多いのは、「祭り」、「ニューイヤーコンサート」であり、企画協力のできるのは「祭り」、「お年寄りの手伝い」と回答している。「「作品展」の参加希望が比較的多く見られたのは、昨年11月に開催されたことが影響していると考えられる。
著者
堀 光代 阿久澤 さゆり 下山田 真 吉田 一昭 長野 宏子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.57, pp.205, 2005

【目的】国内産・県内産小麦の生産量が年々増加している現状である。各地で生産から消費までの取り組みについて行われているが、今回は、製粉工程が異なる岐阜県内産小麦について製パン性を比較検討することを目的とした。【方法】2003年に岐阜県で生産された小麦「中国152号」と「タマイズミ(関東123号)」の2種類について製粉工程の違いから(細)と(粗)に分類した計4種類と、対照として外国産小麦1CW(カナダ産)を用いた。パンの材料配合は、小麦粉に対し、砂糖(6.8%)食塩(2.0%)酵母(1.12%)水(68.0%)とした。小麦粉は粒度分布と色差を測定し、ドウはファーモグラフによるガス発生量の測定を行った。ホームベーカリーにてパンを焼成後、質量・体積・色差等の測定とあわせてパンの品質評価と官能検査を行った。【結果】(1)小麦粉の粒度分布は(細)と(粗)では差が認められ、色差も感知できる程度の差が見られた。(2)ガス発生量は、県内産小麦粉は対照である1CWと異なった結果を示し、ガス保持力等に差が見られた。(3)パンの比容積は1CWが高く、県内産小麦粉両品種の(細)と(粗)ではいずれも(粗)ほうが低い比容積であった。色差の測定結果は、小麦粉の測定値より製パン時の色差に顕著な差が見られた。パンの品質評価では、(粗)が(細)より低い評価であった。両品種の(細)における比較は、品質評価では外観は1CWに劣る評価であったが、味・香りは1CWに近い評価であり、官能検査の結果もほぼ一致していた。
著者
足立 里美 阿久澤 さゆり 玉木 有子 松森 慎悟 中村 雅英 澤山 茂
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.56, pp.136, 2004

【目的】 わらび澱粉はわらびの地下茎から抽出され「わらび粉」として流通しており、わらび餅などに珍重されている。しかし、生産量が少なく高価なため、さつまいも澱粉が代替品として使用されている。演者らは、数種類の澱粉の理化学的性質およびレオロジー的性質について報告してきたが、わらび澱粉に関する報告はあまり見られない。そこで本研究では、わらび澱粉の糊化特性と糊液のレオロジー的性質を検討した結果を報告する。【方法】 わらび澱粉は、広八堂(鹿児島県)で製造された粗澱粉を、常法に従って精製して試料澱粉として用いた。対照としてさつまいも澱粉およびくず澱粉を用いた。アミロペクチンの鎖長分布はHPAEC-PAD法 (Dionex社製DX-500) で測定し、DSCにより糊化特性を測定した。また、SEC-MALLS (昭和電工社製:Wyatt Tecnology社製) により重量平均分子量および慣性半径を測定した。糊液の動的粘弾性測定はRheoStress1 (Haake社製) を用いた。【結果】 DSCによる糊化終了温度は、わらび澱粉が70.8℃と最も低く、次いでくず澱粉78.5℃、さつまいも澱粉83.8℃であり、アミロペクチンのDP6-12の短鎖長の割合が多いほど糊化ピーク温度が低い傾向であった。また、糊液を遠心分離後、上澄み中に溶解した糖量を比較すると、わらび>さつまいも>くずの順で糖量が多く、さらに溶液中の重量平均分子量および慣性半径を測定したところ、わらび澱粉糊液は著しく大きかった。動的粘弾性からみたゲル化濃度はわらび澱粉が最も低く、貯蔵弾性率の濃度依存性より3種のゲル構造の違いが示唆された。
著者
有泉 知英子 佐藤 真理子 並木 理可 田村 照子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.62, pp.279, 2010

【目的】世界には様々な民族服があり,各々の生活様式や気候に適応するよう工夫が凝らされている.本研究では下衣の形態に着目し,民族服3種の運動機能性及び温熱的快適性について検討を行った.<BR>【方法】被験者は平均年齢22歳の若年女子4名.実験衣はパンタロネス(グアテマラ),シャルワール(インド他),パー・チュンガベン(タイ),現代服としてストレートパンツ,計4種をシーチングで製作した.測定は運動機能性評価として衣服圧及び官能評価を,温熱的快適性評価として衣服内温湿度を計測した.1)衣服圧…静立・屈曲・あぐら姿勢で,前面(WL・MHL・HL・大腿中央・膝蓋骨中点),側面(MHL・HL・大腿中央),後面(WL・MHL・HL・大腿中央・膝蓋骨中点)の計12点を測定した.2)官能評価…動きやすさについて5段階評価を行った.3)衣服内温湿度…実験衣を着用し,28℃・50%RH環境下で安静5分→足踏み3分における腹部前突点・大腿前面中央・殿部後突点の計3点を測定した.<BR>【結果】衣服圧では,現代服の前面(大腿・膝蓋骨),側面(MHL・HL・大腿),後面(HL)が高い値を示した.現代服は民族服より総じてゆとりが少ないと考えられる.シャルワールは,屈曲時の膝蓋骨中点とHLを除くほとんどの部位で低い値を示し,官能評価においても有意に高い評価を得た.衣服内温湿度測定の結果,温度変化量において現代服は安静時の上昇(A)大,動作時の下降(B)小であった.3種の民族服はA小,B大であり,ゆとりが多いため動作によるポンピング効果が生じたと考えられる.本研究により,民族服の機能性を定量的に評価できる可能性が示唆された.
著者
佐藤 真実 谷 洋子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.133, 2003

目的 福井県の銘菓である羽二重餅は織物の一つである「羽二重」を由来にするとされ、主材料はもち粉や白玉粉であり、なめらかな舌触りが特徴である。福井県内では羽二重餅を食べたことのない人はほとんどなく、女性や高齢者に好まれる傾向がみられるが、その購入回数などは低く、羽二重餅が嫌いな人の理由は比較的明確であるに関わらず、おいしさについては詳細な報告がみられない。本研究では羽二重餅のおいしさについて官能検査を行い、材料の配合割合などについて検討した。方法 福井県内で売られている市販羽二重餅7種類を購入し、標準試料に対する相対評価として官能検査を行い、好まれる羽二重餅の特性について考察した。標準試料は本学調理室で白玉粉、上白糖より調製し、さらに材料の配合やもち粉、白玉粉、牛皮粉、羽二重粉などの材料の種類を変えた羽二重餅について、色差測定、レオメータによる力学的測定、官能検査を行い、好まれる羽二重餅の調製法について検討した。結果 市販羽二重餅は材料がもち粉、砂糖、水飴の他に乳化剤の添加したものが好まれ、外観の透明度、きめの細かい食感をもつことから総合評価が高くなった。水飴の添加は透明度が増し、卵白の添加は白さ、弾力性が増し、砂糖はグラニュー糖を使用したものがやわらかく、しなやかな食感で、甘味も上品となった。
著者
斎藤 悦子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.62, pp.171, 2010

<B>目的</B> グローバル経済が進展する中,生活を規定する企業活動は持続的成長を図るために様々な方策を実施している.その一つが,企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility: 以下CSRと呼ぶ)である.CSRが及ぶ範囲は,社会的公正性,倫理性,環境,人権と幅広いが,日本のCSRは環境問題に特化され,ステイクホルダーである労働者・消費者・家庭人・地域住民への社会的公正性や倫理性,人権に関する取組みが遅れている.本報告は,現在の生活経営学的課題をCSR視点で捉え直し,日本企業のCSRと生活経営学の今後のあり方を提起する.<BR><B>方法</B> 生活経営学的課題を収入(賃金)と働き方に絞り現状を把握する.CSRガイドラインとして多用されているGRI(Global Reporting Initiative)に含まれる「労働とディーセント・ワーク」指標に照らし,法令遵守としての最低賃金制度とその実態を検討する.<BR><B>結果</B> 雇用形態別労働者数においては非正規労働者の増加,特に男性の非正規労働者の増加が明らかとなり,賃金については男女格差と同時に雇用形態別格差が示された.日本では,多くの企業がCSR=法令遵守として捉えているので,賃金の基本的な法令である最低賃金法から現状を把握し,最低賃金未満の労働者率と法令違反率を示す.さらにGRIの「労働慣行とディーセント・ワーク」指標に照らしながら,日本企業の不足点を明らかにした.それらの改善のためには,多様なステイクホルダーが生活主体として企業と向き合い、CSRに関わる姿勢が重要であり,能動的な生活者視点すなわち生活経営学が果たす役割は大きい.
著者
小林 亜矢香 今井 範子 牧野 唯
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.60, pp.96, 2008

<B>【目的】</B>住宅内には,さまざまな種類の衣類が持ち込まれており,住まいにおいて衣類の収納は常に問題となっている.また,衣生活は多様化しており,居住者の生活と整合性のとれた収納計画がよりいっそう求められる.本報では,コートと外出着の帰宅後の更衣から収納までの流れに着目し,衣類の収納の現状と問題点を明らかにすることを目的とする.<BR><B>【方法】</B>全国各地の,独立住宅の居住者を対象に,質問紙調査を実施した.有効サンプルは,世帯票256 ,個人票505である(2007年11月実施).<BR><B>【結果】</B>1)コートの脱衣場所は,玄関の割合が最も高く,続いて,リビング,主寝室の割合が高い.玄関で脱ぎ,収納している世帯では,1階にコート用収納のある割合が高く,脱いだコートを「すぐに収納」している割合が高い.また,コートをリビングで脱ぎ,主寝室など個室に収納している世帯では,1階にコート用収納が「あると便利」と感じている割合が高い.2)一方,主な外出着の脱衣場所は,主寝室の割合が最も高く,次いで,リビングの割合が高い.夫妻が,主寝室で脱ぎ,主寝室に収納している世帯では,「収納スペースが足りないこと」や「更衣時に就寝中の家族のじゃまになること」に対する不満が比較的多い.また,外出着の収納について,不便を感じている世帯では,1階に外出着用収納が「あると便利」としており,とくに,「収納場所が分散していること」や「更衣場所と収納場所が離れていること」について,不便を感じている世帯では,1階の外出着用収納に対する要求の割合が高い.コートや外出着の収納に関しては,更衣場所も考慮し,計画することが必要である.
著者
山村 明子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.61, pp.217, 2009

目的 現代日本のメンズ・カジュアルファッションにはフェミニンなデザイン要素が多く受け入れられている。これらの事象の背景として、近年のジェンダー・フリー教育がファッション感覚に影響を与えたのではないかという仮定に基づき、分析・検討する。方法 資料には「Men's Non-no」(2000-2008年発行)を使用し、男性ファッションの動向を探る。また、1999年の男女共同参画社会基本法施行以降のジェンダー・フリー教育の動向について一般市などから探る。結果 フェミニンスタイルという言葉は2000年の誌面に登場する。それ以降ファッションに現れるフェミニン要素としてはピンクなどの華やかな色彩、フリル・レースといった曲線的なディテール、水玉、花といった模様表現、さらに、レディースのスカートなどをコーディネイトに取り入れている。これらは女性的に装うことが目的ではなく、あくまでも男性のファッションとして受容されている。ジェンダー・フリー教育による文化的性差の解消への取り組みは、今日のファッション感覚の形成へ影響を及ぼしていると考える。