著者
藤田 誠
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.802-804, 2015-10-20 (Released:2016-10-20)

本研究は,日本農芸化学会2015年度(平成27年度)大会(開催地:岡山大学津島キャンパス)「ジュニア農芸化学会2015」において発表されたものである.アミガサハゴロモは,半翅目ハゴロモ科に属する昆虫で,本州,四国,九州の常緑照葉樹林に生息し,幼虫・成虫共に主にカシ類の葉や茎から吸汁して生活する.1~5齢幼虫は腹部先端からロウ物質を分泌し,このロウ物質は羽毛や花の雄しべに似た形になる(図1).発表者は小学2年生のときにその不思議な姿を見て,ロウ物質の形が作られる仕組みや役割に興味をもった.図鑑で調べたが生態や形態に関する詳しい記述がなかったことから自分で調べようと考え,長年にわたって研究を続けてきたという.今回発表されたのはその最近の成果の一端である.
著者
忠村 一毅 中原 健二
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.12, pp.805-813, 2014-12-01 (Released:2015-12-01)
参考文献数
22
被引用文献数
1

自然免疫の受容体は,一般に,出会ったことのない病原体に対しても防御反応を誘導できるよう病原微生物に共通の分子パターンを認識する.ところが植物は,それに加えて強毒の病原体の毒性因子だけを特異的に認識する受容体をもち,これらが連携して病原体の毒性をも進化的に制御していることがジグザグモデルとして提唱されている.また,ウイルスに対してはRNAサイレンシングが自然免疫の役割を担い,同様に連携した自然免疫ネットワークを形成している.これらをカルモジュリン様タンパク質についてのわれわれの成果とともに解説する.
著者
安保 佳一
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.149-158, 1979-03-25 (Released:2009-05-25)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1
著者
横田 聡
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.186-188, 1999-03-25 (Released:2009-05-25)
参考文献数
3
被引用文献数
1
著者
梅基 直行
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.12, pp.843-849, 2015-11-20 (Released:2016-11-20)
参考文献数
41

グリコアルカロイドは,管理を誤ることでジャガイモに増加・蓄積し,ヒトや家畜に中毒を起こす潜在的な危険物質である.従来の育種ではグリコアルカロイドをなくすことができないとされてきた.近年,この生合成にかかわる遺伝子が同定されつつある.われわれと競合グループの成果,今後の見通しについて解説する.
著者
高橋 洋子
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.10-16, 2015-12-20 (Released:2016-12-20)
参考文献数
22

大村 智先生がノーベル生理学・医学賞を受賞された.天然物探索研究において,常に微生物資源の重要性を説いて下さった先生への深い感謝の気持ちを込めて本拙文としたい.本稿では,エバーメクチン生産菌について触れるとともに,分離方法の工夫や分離源を開拓することによって新しい微生物資源が数多く得られることを述べる.また,物質の探索研究においては生物活性から化合物の物理化学的性状に視点を移すことによって,良く知られた微生物からでも新規化合物の発見が可能であることを紹介し,今後の探索研究の展望について議論する.
著者
鎮西 弘
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.130-140, 1987-02-25 (Released:2009-05-25)
参考文献数
8
被引用文献数
1
著者
越後 多嘉志
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.192-198, 1975-03-25 (Released:2009-05-25)
参考文献数
24
被引用文献数
1 1

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出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.99-102, 1991-02-25 (Released:2009-05-25)
被引用文献数
2
著者
井藤 彰 上平 正道
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.82-88, 2015-01-20 (Released:2016-01-20)
参考文献数
32

標的細胞を磁気標識することによって,磁力による細胞の遠隔操作が可能となる.筆者らは,磁性ナノ粒子の表面をさまざまなバイオマテリアルで修飾した機能性磁性ナノ粒子を作製し,これらの機能性磁性ナノ粒子で標的細胞を磁気標識して磁気操作によるティッシュエンジニアリング技術として用いるMag-TE(Magnetic force-based tissue engineering)法の開発を行っている.これまでこの技術を用いてさまざまな細胞を使った三次元組織の構築を行ってきた.本稿では,骨格筋組織の作製を中心に解説する.