著者
市川 浩一郎
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.56, no.652, pp.17-22, 1950-05-25
被引用文献数
2

The direct use of the terms, Norian, Carnian, etc., in the extra-Alpine region is not adequate, since the fossil content is fairly different from that in the Alpine province., Another system of nomenclature is herein proposed., In the Triassic of Japan eight ages (chronological unit) distibuted in three epochs are distinguished., Epochs are called Eo-, Meso-, and Neo-Triassic and new names for the ages are proposed., Their names, as well as the fossil contents, are presented in the list on-p.,22., Saragian and Sakawan ages in the Neo-Triassic epoch are tentatively subdiveded into two and three Sub-ages, repectively., Species marked with (+) range into the later ages, while those with (-) range from the earlier age, and the occurrence of species marked with is very rare., The time range of the remaining species in confined to one age.,
著者
林 信太郎 伊藤 英之 千葉 達朗
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.103, no.9, pp.XXVII-XXVIII, 1997-09-15
被引用文献数
2

1997年8月16日午前11時頃, 秋田焼山(標高1366m)山頂の北東500mの空沼(からぬま)付近で水蒸気爆発が発生し, 同時に継続時間約1時間の火山性微動が観測された. 噴火の起こった地点は1949年の火口群の位置にほぼ相当する(第1図; 津屋, 1954). ここでは, 噴火の二日後の18日に撮影した写真を中心に水蒸気爆発噴出物およびその火口について紹介する. 現時点で見つかった地質学的証拠から8月16日の噴火の過程を再現すると次のようになる: 1) 新火口b1あるいはb2から泥が吹き出し, 空沼火口に「泥流」となって流れ込み, 2) 次に新火口aから火山灰, 噴石が噴出, 3) 最後に新火口b2から少量の泥が噴出し. それ以前の堆積物を同心円状におおった. なお, 今回の噴火の総噴出量は1万m<sup>3</sup>以下と推定される.
著者
中沢 圭二
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.70, no.826, 1964-07-25
著者
大立目 謙一郎
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.49, no.586, pp.285-287, 1942-07-20

筆者の手元に石狩炭田の石狩統から産出した多數のカハニナ屬化石がある。其等をMelanodes(Semisulcos-pira) fiscina(YOK.,)として記載した。其等の産地は次の如くである。1)石狩國空知郡蘆別町, 上部蜆介層(高尾彰平氏採集) 2)同上, 赤平村, 赤間ノ澤, 下部蜆介層(角岡蘇一郎氏採集) 3)同上, 砂川町, 歌志内川樋口ノ澤, 上部蜆介層(下河原壽男氏採集) 圖版に示した如く, 高さ最高22粍, 最低7粍であり, 外形, 模様等に若干の変化を伴ふ。殼口の性質は正にカハニナに屬する。唯成長したものに於ては丈が高く細つそりし, ヌノメカハニナの形態を呈する。雨龍炭田産Thiara fiscina YOKOYAMA, 1932 は原圖版に於いては不完全な小さい標本のやうに思はれるので, 鈴木好一學士に原標本を觀て頂いた處Semisulcospiraとのことである。惟ふに兩龍炭田産のものは爰に紹介するものヽ幼殼であらう。ヌノメカハニナMelanoidesとカハニナSemisulcospiraとの殼での區別は極端なもの以外は, 特に化石として産出する場合殼口が良く保存されてゐない限り困難なことが多からう。爰には便宜上SemisulcospirをMelanoides s.,l.,亞屬として取扱って置く。
著者
田崎 和江 縄谷 奈緒子 国峯 由貴江 森川 俊和 名倉 利樹 脇元 理恵 朝田 隆二 渡辺 弘明 永井 香織 池田 頼正 佐藤 一博 瀬川 宏美 宮田 浩志郎
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.108, no.7, pp.435-452, 2002-07-15
被引用文献数
3 5

1991年12月,排砂ゲートを設けた出し平ダム(富山県黒部川水系1985年設立)から,初の直接排砂が行われ,その際,多量のヘドロが排出された.その後も1999年までに計8回の排砂が行われた.本研究において,出し平ダム湖および富山湾堆積物の特性について分析を行った.その結果,特に芦野沖にヘドロが堆積していること,そして,富山湾堆積物は他の湾堆積物と比べカオリン鉱物,スメクタイトが多く,出し平ダム湖堆積物と類似した粘土鉱物組成を持つことが明らかとなった.実験より,ニジマスのエラにスメクタイトが吸着することで,エラの変形や脱水を引き起こすことが明らかとなり,また,富山湾で採取されたヒラメのエラ表面が,微細粒子で覆われているのが観察された.以上の結果と1991年から1999年の出し平ダム排砂量とヒラメの漁獲量の変遷には密接な関係が認められ,ダム湖や富山湾底質の経時変化を観察することの重要性が示された.
著者
井上 厚行 小竹 信宏 坂庭 康友 今井 亮
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.108, no.7, pp.465-473, 2002-07-15
参考文献数
48
被引用文献数
2 2

千葉県房総半島南端に分布する千倉層群白浜層中の白色細脈は,従来付加体堆積物から報告されている鉱物脈とは異なり,カルサイトの外にアポフィライトやヒューランダイト,エリオナイト,アナルサイム,ナトロライト,トムソナイト,チャバサイトなどのゼオライトを主体とする鉱物脈である.随伴するカルサイトのδ<SUP>13</SUP>C<SUB>PDB</SUB>(-39‰~-5‰)とδ<SUP>18</SUP>O<SUB>SMOW</SUB>(+24‰~+29‰)値から,脈の生成に関与した溶液中のHCO<SUB>3</SUB><SUP>-</SUP>は堆積物中のメタンの酸化あるいは熱分解に由来したものであると推定される.また,脈の生成温度は1℃~48℃と推算された.ゼオライトやアポフィライトを含む鉱物脈に対して推定された生成温度は従来報告されていた冷湧水に伴う炭酸塩鉱物の生成温度よりも高い.この白浜層の鉱物はプレートの沈み込み帯に伴う冷湧水の組成や起源,さらに流動機構に関する多様性を示す一例である.
著者
久野 久
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.45, no.537, 1938-06-20
著者
久野 久
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.43, no.513, pp.392-393, 1936-06
著者
久野 久
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.41, no.494, pp.698-699, 1934-09-11
著者
久野 久
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.41, no.489, pp.347-348, 1934-09-06
被引用文献数
1
著者
池辺 展生 久野 久
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.67, no.790, pp.381-382, 1961-07-25
著者
山崎 直方
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.9, no.110, pp.390-398, 1902-11
被引用文献数
2 2
著者
神保 小虎
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.12, no.141, pp.178-182, 1905-06-20
著者
丹羽 正和
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.112, no.6, pp.371-389, 2006-06-15
被引用文献数
3

岐阜県高山地域に分布する美濃帯中期ジュラ紀付加体小八賀川コンプレックスは,チャート,石灰岩および苦鉄質火山岩類といった海洋性岩石のスラブが卓越することで特徴付けられる.小八賀川コンプレックスは,岩相,産状および変形構造から,ペルム紀の海山を主な起源とし,岩相境界に著しい破砕を伴う変形構造が発達する部分と,ペルム紀〜前期ジュラ紀の海洋底岩石を主な基盤とする海洋プレート層序の構成岩石がスラストで繰り返す覆瓦構造をなす部分とに認識できる.スラストは砥石型珪質粘土岩と苦鉄質火山岩類の一部に特徴的に発達する.スラストが示す運動方向は,東北東-西南西〜北東-南西走向・高角北傾斜の構造性面構造に対し,右横ずれ成分の卓越するtop-to-the-eastの方向の努断を示す.これは,美濃帯後期ジュラ紀〜前期白亜紀付加体のメランジュの剪断変形組織およびスラストが示す運動方向とは異なる.