著者
今井 亮佑 日野 愛郎
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.5-19, 2012 (Released:2017-08-04)
参考文献数
14

本稿は,日本の参院選の選挙サイクルが総選挙のそれと異なる点に着目し,「二次的選挙」(second-order election)モデルの視点から,参院選における投票行動について検討するものである。欧州の選挙研究は,欧州議会選挙や地方選挙等のいわゆる「二次的選挙」において,その時々の政権の業績が問われ,与党が敗れる傾向があることを示してきた。本稿では,2009年総選挙,2010年参院選前後に行った世論調査(Waseda-CASI & PAPI 2009,Waseda-CASI 2010)をもとに,政権の業績に対する評価が投票行動に及ぼす影響を探った。その結果,業績評価の影響は,「一次的選挙」(総選挙)と「二次的選挙」(参院選)の重要性に関する有権者の主観的評価によって異なることが明らかになった。
著者
藤井 廉 今井 亮太 西 祐樹 田中 慎一郎 佐藤 剛介 森岡 周
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11694, (Released:2020-08-06)
参考文献数
36

【目的】運動恐怖を有する腰痛有訴者における重量物持ち上げ動作時の体幹の運動障害の特徴を明らかにすることである。【方法】腰痛がある労働者(以下,腰痛群)26 名と腰痛がない労働者(以下,非腰痛群)18 名が参加した。課題は重量物持ち上げ動作を5 回行い,動作時の体幹屈曲・伸展角速度および運動時間を計測した。運動恐怖の指標であるTSK を基に,腰痛群を低恐怖群(12 名)と高恐怖群(14 名)に群分けし,3 群間における体幹角速度,運動時間の比較および痛み関連因子との関係性を分析した。【結果】高恐怖群は非腰痛群,低恐怖群と比較して,1 試行目の体幹の伸展運動に要する時間に有意な延長と,体幹伸展角速度に有意な低下を認めた。腰痛群における1 試行目の体幹伸展角速度と運動恐怖に有意な正の相関を認めた。【結論】運動恐怖を有する腰痛有訴者は,重量物を挙上する際の体幹伸展方向への運動速度が低下することが明らかとなった。
著者
今井 亮佑
出版者
JAPANESE POLITICAL SCIENCE ASSOCIATION
雑誌
年報政治学 (ISSN:05494192)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.1_283-1_305, 2008 (Released:2012-12-28)
参考文献数
19

This paper examines how and how much the levels of political knowledge affect voting behavior in Japan. By adding interaction terms of political knowledge scale and other independent variables to the baseline logit model, the analysis demonstrates that the impact of party evaluation, issue attitudes, and pocketbook evaluation is conditioned by the levels of political knowledge. That is, the effect of party evaluation on voting behavior is significantly stronger among politically knowledgeable voters; political unawareness prevents voters from connecting their issue attitudes with voting decision; the politically less well-informed tend to rely on retrospective pocketbook evaluation when they vote. These findings suggest that taking account of the conditioning effect of political knowledge is critical to make sense of Japanese voting behavior.
著者
今井 亮佑
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.5-23, 2009

「亥年」である2007年の参院選後に行われた意識調査の分析を通じて,「統一選で自分の選挙を戦い終えたばかりの地方政治家が,参院選時に選挙動員に精を出さないこと が,『亥年現象』を発生させる要因である」とする石川仮説の妥当性について,有権者レヴェルで実証的に再検討した。具体的には,地方政治家の中でも特に市町村レヴェルの政治家の動向に着目した分析を行い,(1)春の統一選時に道府県議選のみが実施された自治体の有権者に比べ,道府県議選に加えて市町村レヴェルの選挙も実施された自治体の有権者の方が,参院選時に政治家による選挙動員を受ける確率が有意に低かった,(2)後者の自治体の有権者の間では,参院選時に政治家による選挙動員を受けた人ほど棄権ではなく自民党候補への投票を選択する確率が有意に高かったという,石川仮説に整合的な結果を得た。
著者
大住 倫弘 今井 亮太 森岡 周
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第12回大会
巻号頁・発行日
pp.116, 2014 (Released:2014-10-05)

近年,視覚的身体像を操作するリハビリテーションアプローチが慢性疼痛患者に応用されてきている.しかし,視覚的身体像を操作することによって「不快な身体情緒」が生じてしまうと鎮痛効果が得られにくいことも考えられている.そこで今回,ラバーハンド錯覚手法を応用して,健常者の視覚的身体像を操作した時に惹起される不快な身体情緒が痛みを変化させるのかについて調査した.不快な身体情緒を惹起させるような,「傷ついたラバーハンド」,「毛深いラバーハンド」,「腕がねじれているラバーハンド」を作成した.そして,各ラバーハンドに身体所有感の錯覚を生じさせた時の,不快感および痛み閾値を測定した.その結果,「傷ついたラバーハンド」と「毛深いラバーハンド」に不快感は生じたが,痛みが増悪したのは「傷ついたラバーハンド」のみであった.このことから,痛みという文脈における不快な身体情緒が痛みを変化させることが明らかとなった.
著者
林田 一輝 大住 倫弘 今井 亮太 森岡 周
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.805-810, 2016 (Released:2016-12-22)
参考文献数
25

〔目的〕今回Rubber Hand Illusionを用いてSelf-Touchによる身体所有感の脳内メカニズムを検証した.〔対象と方法〕健常者20名を対象に ①Self-Touch,②Self Rubber Hand Illusion(ラバーハンドを触れることによる錯覚),③Other-Touch(他者から触れられる),④Other Rubber Hand Illusion(ラバーハンドを触れられることによる錯覚)の4条件で機能的生体近赤外線分光装置を用いて脳活動を計測した.〔結果〕全条件で両側運動前野が,条件②のみ補足運動野が活動していた.〔結語〕Self-Touchによる身体所有感の錯覚の惹起には補足運動野の活動が関与している.
著者
今井 亮太 中野 英樹 森岡 周
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.401-405, 2012 (Released:2012-09-07)
参考文献数
13
被引用文献数
3

〔目的〕本研究の目的は,物体の視覚的提示に伴う腱振動刺激による運動錯覚時の脳活動を明らかにすることとした.〔対象〕振動刺激によって錯覚を経験した際の錯覚強度が4以上であった11名を対象者とした.〔方法〕以下の3条件にて手関節総指伸筋腱を振動刺激した.条件1:物体提示なし.条件2:手関節を掌屈すれば物体に接触する距離に物体を提示.条件3:手関節を掌屈しても物体に接触しない距離に物体を提示.脳活動は,機能的近赤外分光装置を用いて測定した.〔結果〕条件1と条件3に比べ,条件2において右運動前野,右感覚運動野,右頭頂領域にoxy-Hbの有意な増加が認められた.〔結語〕物体の提示位置が異なることにより,運動錯覚時の脳活動が変化することが示唆された.
著者
田中 愛治 河野 勝 清水 和巳 山田 真裕 渡部 幹 西澤 由隆 栗山 浩一 久米 郁男 西澤 由隆 長谷川 真理子 船木 由喜彦 品田 裕 栗山 浩一 福元 健太郎 今井 亮佑 日野 愛郎 飯田 健
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

本研究では、全国の有権者から無作為抽出した対象者(サンプル)に対し、ノート・パソコンを用いた世論調査(CASI方式)を日本で初めて実施した。さらに、ノート・パソコンによるCASI調査に、認知心理学的視点を加えた政治経済学実験の要素を組み込み、実験を導入した世界初のCASI方式全国世論調査に成功した。これにより、政治変動をもたらす日本人の意志決定のメカニズムの解明を可能にし得る新たな研究を踏み出した。
著者
品田 裕 大西 裕 曽我 謙悟 藤村 直史 山田 真裕 河村 和徳 高安 健将 今井 亮佑 砂原 庸介 濱本 真輔 増山 幹高 堤 英敬 平野 淳一
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、国会議員を主とする政治家と有権者の関係、あるいは政治家同士の関係がどのように変容しつつあるのかを調査し、その変化の要因を実証的に解明することを目的として開始された。その結果、本研究では、選挙区レベルの詳細な観察・データを基に、実証的に現代日本の選挙政治の変容を明らかにすることができた。取り上げた研究対象は、集票活動・有権者と政治家の関係・政治家同士の関係・議員活動・政治家のキャリアパス・政党下部組織など、多岐にわたった。これらの分析から得られた成果を基礎に、さらに、国会のあり方や選挙制度にまで分析を進めることができ、現代日本の選挙政治理解に一定の貢献を果たすことができた。
著者
今井 亮佑
出版者
早稻田大學政治經濟學會
雑誌
早稻田政治經濟學雑誌 (ISSN:02877007)
巻号頁・発行日
vol.370, pp.39-52, 2008-02-20
著者
井上 厚行 小竹 信宏 坂庭 康友 今井 亮
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.108, no.7, pp.465-473, 2002-07-15
参考文献数
48
被引用文献数
2 2

千葉県房総半島南端に分布する千倉層群白浜層中の白色細脈は,従来付加体堆積物から報告されている鉱物脈とは異なり,カルサイトの外にアポフィライトやヒューランダイト,エリオナイト,アナルサイム,ナトロライト,トムソナイト,チャバサイトなどのゼオライトを主体とする鉱物脈である.随伴するカルサイトのδ<SUP>13</SUP>C<SUB>PDB</SUB>(-39‰~-5‰)とδ<SUP>18</SUP>O<SUB>SMOW</SUB>(+24‰~+29‰)値から,脈の生成に関与した溶液中のHCO<SUB>3</SUB><SUP>-</SUP>は堆積物中のメタンの酸化あるいは熱分解に由来したものであると推定される.また,脈の生成温度は1℃~48℃と推算された.ゼオライトやアポフィライトを含む鉱物脈に対して推定された生成温度は従来報告されていた冷湧水に伴う炭酸塩鉱物の生成温度よりも高い.この白浜層の鉱物はプレートの沈み込み帯に伴う冷湧水の組成や起源,さらに流動機構に関する多様性を示す一例である.
著者
今井 亮二
出版者
尾道市立大学芸術文化学部
雑誌
尾道市立大学芸術文化学部紀要 (ISSN:21873550)
巻号頁・発行日
no.17, pp.[114]-[117], 2018-03-31

「調査情報540号」TBSメディア総合研究所illustration・photo・design:今井亮二(hottype工房)studio set:『ペコジャニ∞!』木村真梨子(TBSテレビ)「調査情報539号」TBSメディア総合研究所illustration・photo・design:今井亮二(hottype工房)studio set:『7つの海を楽しもう!世界さまぁ~リゾート』宇野宏美(アックス)「調査情報538号」TBSメディア総合研究所illustration・photo・design:今井亮二(hottype工房)studio set:『V6の愛なんだ2017 史上最高の夏祭り!』金子靖明(アックス)「調査情報537号」TBSメディア総合研究所illustration・photo・design:今井亮二(hottype工房)studio set:『人生最高のレストラン』宇野宏美(アックス)「調査情報536号」TBSメディア総合研究所illustration・photo・design:今井亮二(hottype工房)studio set:『王様のブランチ』谷 佳奈恵(アックス)「調査情報535号」TBSメディア総合研究所illustration・photo・design:今井亮二(hottype工房)studio set:『KUNOICHI』太田卓志(TBSテレビ)・金子靖明(アックス)
著者
今井 亮佑
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.5-23, 2009 (Released:2017-03-08)
参考文献数
18

「亥年」である2007年の参院選後に行われた意識調査の分析を通じて,「統一選で自分の選挙を戦い終えたばかりの地方政治家が,参院選時に選挙動員に精を出さないこと が,『亥年現象』を発生させる要因である」とする石川仮説の妥当性について,有権者レヴェルで実証的に再検討した。具体的には,地方政治家の中でも特に市町村レヴェルの政治家の動向に着目した分析を行い,(1)春の統一選時に道府県議選のみが実施された自治体の有権者に比べ,道府県議選に加えて市町村レヴェルの選挙も実施された自治体の有権者の方が,参院選時に政治家による選挙動員を受ける確率が有意に低かった,(2)後者の自治体の有権者の間では,参院選時に政治家による選挙動員を受けた人ほど棄権ではなく自民党候補への投票を選択する確率が有意に高かったという,石川仮説に整合的な結果を得た。
著者
田中創 西上智彦 山下浩史 今井亮太 吉本隆昌 牛田享宏
雑誌
日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会
巻号頁・発行日
2020-11-20

末梢器官から脊髄後角へ伝達された痛みの情報は,脳の広範な領域へ伝えられる.その中でも,体性感覚野は痛みの強度,部位,性質を同定する役割を担っている.特に,体性感覚野は痛みの部位を同定する機能を果たしているため,痛みの慢性化により体性感覚野の体部位再現が不明瞭になると,「どこが痛いのか正確に分からない」,「痛みのある部分が実際よりも腫れたように感じる」という訴えが聞かれることがある(Maihofner, 2010).このように,末梢からの侵害刺激によって身体知覚異常が生じることが明らかにされており,慢性疼痛患者の評価において身体知覚は重要な概念である.慢性疼痛患者の身体知覚を客観的に評価する指標には,2点識別覚(Two point discrimination: TPD)がある.TPDは皮膚上の2点を同時に刺激し,2点と感じられる最小の距離を識別する感覚であり,体性感覚野や下頭頂葉の可塑性を反映する評価とされている(Flor, 2000, Akatsuka, 2008).慢性腰痛症例において,腰部の輪郭が拡大していると感じる群ではTPDが有意に低下することを明らかにした(Nishigami, 2015).また,成人脳性麻痺者を対象とした調査において,見かけ上の姿勢異常よりも主観的な身体知覚やTPDの低下が慢性腰痛に関与することを明らかにした(Yamashita, Nishigami, 2019).さらに,我々は超音波を用いて変形性膝関節症(膝OA)患者の膝腫脹を評価し,自覚的腫脹との乖離がある膝OA患者では,安静時痛・運動時痛が強く,TPDの低下を認めることを明らかにした.このように,身体知覚が痛みに影響する一方で,痛みの慢性化には運動恐怖が影響する.運動恐怖とは,痛みによる恐怖心から行動を回避することであり,例えば慢性腰痛患者が腰を曲げることを怖いと感じることなどがそれに当たる.このような運動恐怖を評価する指標としては,これまでFear Avoidance Beliefs QuestionnaireやTampa Scale for Kinesiophobiaが用いられてきた.しかし,これらの評価は自記式質問紙であり,痛みに関連した運動恐怖を客観化する指標にはなり得ない.そのような背景から,近年では痛みに関連した運動恐怖を運動学的異常として捉える運動躊躇という概念が提唱され,運動方向を切り変える時間(Reciprocal Innervation Time: RIT)として表される(Imai, 2018).橈骨遠位端骨折術後患者において,術後早期の運動躊躇が1ヵ月後の運動機能に悪影響を及ぼすことが明らかにされている(Imai, 2020).また,我々はSingle hop test時に運動恐怖を感じている前十字靭帯再建術後患者では,膝屈伸運動中のRITが遅延し,それには位置覚の異常が影響することを調査している.これらより,痛みや身体機能には身体知覚や運動恐怖が密接に関与しており,それらを客観的に定量化することが重要である.今後は,定量化した因子に対して介入することで,慢性疼痛の予防や身体機能の改善につなげていくことが課題である.
著者
楠元 史 今井 亮太 兒玉 隆之 森岡 周
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.479-483, 2014 (Released:2014-09-25)
参考文献数
21
被引用文献数
4 1

〔目的〕本研究は,メンタルローテーション課題時における脳神経活動領域の経時的変化を脳波解析により明らかにし,反応時間との関連性を検討した.〔対象〕右利き健常大学生15名.〔方法〕課題として,1試行計48枚の手画像をランダムに呈示した.脳活動は高機能デジタル脳波計を用いて記録計測した.対象者を反応時間の速い群,中間群,遅い群に分け,そのうち,速い群と遅い群の比較を行った.〔結果〕反応時間の速い群では後頭葉・側頭葉・前頭葉の順で,遅い群では後頭葉・頭頂葉・前頭葉の順に脳活動が認められた.〔結語〕メンタルローテーション課題において,運動学習に関与する脳領域を活性化させるためには,対象者に心的回転を行う時間的余裕を与え,呈示された画像を自己の身体として捉えることが大切ではないかと示唆された.
著者
今井 亮三 島 周平 藪内 威志 加藤 英樹 松井 博和
出版者
一般社団法人 日本応用糖質科学会
雑誌
応用糖質科学:日本応用糖質科学会誌 (ISSN:21856427)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.147-152, 2011-04-20 (Released:2017-12-15)
参考文献数
33
被引用文献数
1

トレハロースはグルコースがα,α-1,1結合した二糖であり, 微生物や昆虫では, エネルギー源や乾燥等からの生体膜やタンパク質の保護物質として働くことが知られている。一方, 植物においてはトレハロースの検出が困難であったことから, 長い間トレハロースの生合成は否定されてきた。90年代後半に植物から初めてトレハロース生合成遺伝子が単離され, 高等植物中にもトレハロースが存在することが明らかになった。しかし, 植物中の蓄積量は極微量であり, 貯蔵糖やストレス保護物質であることは考えにくい。最近の研究で, トレハロースの生合成が植物の発生やストレス応答において重要な調節機能をもつことがわかってきた。特にトレハロース6-リン酸が植物の糖代謝において重要なシグナル物質であることが明らかになりつつある。本稿では, 植物においてトレハロース生合成が示すユニークな機能を紹介する。
著者
今井 亮佑 日野 愛郎
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.5-19, 2012

本稿は,日本の参院選の選挙サイクルが総選挙のそれと異なる点に着目し,「二次的選挙」(second-order election)モデルの視点から,参院選における投票行動について検討するものである。欧州の選挙研究は,欧州議会選挙や地方選挙等のいわゆる「二次的選挙」において,その時々の政権の業績が問われ,与党が敗れる傾向があることを示してきた。本稿では,2009年総選挙,2010年参院選前後に行った世論調査(Waseda-CASI & PAPI 2009,Waseda-CASI 2010)をもとに,政権の業績に対する評価が投票行動に及ぼす影響を探った。その結果,業績評価の影響は,「一次的選挙」(総選挙)と「二次的選挙」(参院選)の重要性に関する有権者の主観的評価によって異なることが明らかになった。
著者
田中 愛治 川出 良枝 古城 佳子 西澤 由隆 齋藤 純一 吉川 徹 小西 秀樹 船木 由喜彦 今井 亮佑 品田 裕 飯田 健 井柳 美紀 遠藤 晶久 清水 和巳 Jou Willy 千葉 涼 日野 愛郎 三村 憲弘 村上 剛 山崎 新 横山 智哉 加藤 言人 小川 寛貴 坂井 亮太 中西 俊夫 劉 凌
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2013-05-31

熟慮を経てから市民のニーズを測定するCASI調査と、熟議を通して市民のニーズを探るミニ・パブリックスを比較分析すると、熟議に基づくミニ・パブリックスよりも、熟慮に基づくCASI調査の方がサンプルの代表性は高く、実施のコストが低い点では好ましい。しかし、本プロジェクトの実験・調査を通して、熟慮だけでは難しいが、熟議を通してこそ達成できる効果もあることが分かった。例えば、事実に対する思い込みの是正においては、熟慮ではなく、熟議の効果が確認できた。したがって、CASI調査(熟慮)とミニ・パブリックス(熟議)のどちらにも利点があることが明らかになり、一概に両者の優劣をつけることはできないといえる。