著者
上田 誠也
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.44, no.Supplement, pp.391-405, 1991-07-24 (Released:2010-03-11)
参考文献数
38
被引用文献数
4

In Greece, astonishing success has reportedly been achieved in predicting earthquakes by monitoring the geoelectric potential changes. The method, called the VAN-method taking the initials of Varotsos, Alexopoulos and Nomikos, claims that earthquakes with magnitude greater than ca. 5 occurring in Greece can be predicted within the errors of 100km in epicenter and 0.7 in magnitude. The lead time is between several hours and ca. 20 days. The actual success rate and alarm rate for the recent one year are both estimated to be about 60%. Some technical aspects and the outline of suggested physical mechanism of the method are reviewed. A brief introduction of our attempt to apply the method in Japan is also given.
著者
服部 克巳 早川 正士 湯元 清文 長尾 年恭 上田 誠也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.97, no.377, pp.37-42, 1997-11-17
被引用文献数
2

1997年3月26日(Ms=6.3)および 5月13日(Ms=6.2)に発生した鹿児島県北西部地震について央震から約40kmに雛れた地点で観測された ULF磁場データの解析を行い, 地震関連 ULF電磁気現象の特徴をスペクトル解析等で調査した. その結果, 周波数0.01Hzにおいて地震の2週間前から鉛直成分と水平成分の比 Z/Hの値が大ぎくなり, 約1週間継続し, その値が小さくなり, 地震が発生している. その後の余震活動や 5月13日(Ms=6.2)に関連するULF活動がその後のデータに出現していると推察される.
著者
上田 誠也
出版者
学士会
雑誌
学士会会報
巻号頁・発行日
vol.2007, no.4, pp.46-62, 2007-07
著者
永田 武 秋本 俊一 上田 誠也 清水 吉雄 小島 稔 小林 和男
出版者
Japan Association for Quaternary Research
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.7-10, 1957-05-30 (Released:2009-08-21)

A palaeomagnetic study has been conducted of the volcanic rocks in the North Izu-Hakone volcanic region, Japan, where the complete succession of lavas has been determined by H. Kuno. By sampling 4∼7 oriented rock-specimens at each of the localities, the period from the very beginning of the Pleistocene to the Holocene has been covered, where the maximum time interval between consecutive samples may probably be not more than several tens of thousands years except that between two samples of middle to younger Pleistocene when the volcanic activity did not occur within the region concerned. Care was taken not to use the rock samples of which natural remanent magnetization may have suffered from any significant disturbances, geologically, chemically, magnetically or otherwise. Selection of proper samples was performed according to the criteria for the stability of remanent magnetization proposed by us previously (Journ. Geomag. Geoelec., VI, No.4). The major findings in this study are: 1) During the whole Quaternary age, the axis of the geomagnetic centred dipole was fluctuating around an axis of which north pole changed from φ=72°N, λ=86°E to φ=81°N, λ=32°W. 2) The direction of polarization of the centred dipole was reversed at a time in the earliest Quat rnary, namely, during the middle period of the formation of the Usami volcano.
著者
上田 誠也 渡部 暉彦 Volponi Fernando
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大学地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.p165-172, 1978

Preliminary heat flow measurements, made in 1969, in the Mendoza and San Juan areas in the western Argentine indicate normal values.
著者
木村 政昭 上田 誠也 山里 清 加藤 祐三 大森 保
出版者
琉球大学
雑誌
一般研究(A)
巻号頁・発行日
1988

1986年に世界の背弧海盆に先駆けて中央地溝の一つである伊平屋海凹内で研究者らにより、低温で非晶質の熱水性マウンドが発見された。そこで、本研究においては、大洋中央海嶺で発見されたような硫化鉱床や大型生物コロニ-が認められるような高温の熱水性ベント・システムが背弧海盆にも認められるのかということを世界に先駆けて検証することを目標の一つとした。そして、それによって背弧海盆が大洋中央海嶺と同じ様な拡大メカニズムにより形成されたのかどうかということを明らかにしようと努めた。その結果、研究者らが参加・協力した調査・研究において以下に述べるような成果があげられた。昭和63(1988)年度:4ー6月、伊平屋海凹と伊是名海穴で熱水性生ベント・システム発見。ドレッジにより大型生物や硫化鉱床採取(ゾンネ号:「かいよう」)。9月には、前記熱水域に潜航し、熱水性鉱床・生物コロニ-等のサンプル採取に成功(「しんかい2000」)。平成元(1989)年度:4ー5月、伊是名海穴で高温熱水を噴出するブラックスモ-カ-が発見され、さらに新熱水域を発見する(「しんかい2000」)、1990ー91年の調査により、さらに北方の奄西海丘でも熱水性鉱床が発見された。1991年6月、沖縄トラフ南部北縁の潜水調査。トラフ縁の沈水時期を明らかにする(「スコ-ピオン」)。平成4年1月、南西諸島南方海域の海底地形精密調査。海溝運動と島弧・背弧海盆形成メカニズムを探る(「よこすか」)。以上、本研究により、発見された鉱床は、わが国経済水域内にあり、いわゆる黒鉱型鉱床に酷似し、金・銀を多量に含む珍しいものである。そして、シロウリ貝やバクテリア等も発見採取され、生命の起源解明にも寄与した。更に今後熱水域が新たに発見される可能性も指摘することができた。一方、構造探査の方では、沖縄トラフは典型的な大陸性地殻構造を持っていることが明らかになったが、鉱床の性質はそれと予盾しない。
著者
上田 誠也 木下 正高 上嶋 誠 歌田 久司 長尾 年恭 河野 芳輝 宮腰 潤一郎
出版者
東海大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1990

VANの達成のためには,いかに困難であっても,短基線観測の併用が不可欠であるとの認識のもとに,本研究では地の利を得た北陸地域と,前回研究での発展的継続をめざす伊豆大島での観測に主力を投入した.前者では各機関の協力により,VANシステムにほぼ同等の低ノイズ観測網が確率され,現在はいわば"地震待ち"の状態にある.しかし,設置された観測点が"sensitive station"であるという確率は高くはないので,今後努力を続けて"ツボ捜し"を行う必要がある.後者では伊豆大島に多数の測線を設置し,観測を続行しているが,期間中に出現した矩形状変化はその空間分布から判断して,NTT岡田局近辺での局地的変化(原因未不明)と思われるが,群発地震の前に出現頻度の増大した変化そのものについては今後もう一度および現象が起きるまでは検証不可能であり,これも,"地震待ち"の状況である.また本研究ではNTTのア-スと回線を全面的に利用して,世界でも初めてのNETWORK MT法を開発し,北海道東部において詳しい地下電気伝導度分布の推定に大きな成果をあげた.これはVAN法の基礎研究としてのみではなく,地球物理学一般にとっても画期的な貢献であった.VAN法成否の鍵が"sensitive station"の発見にかかっていることは明らかである.このためには,一見まわりくどいが事前にその地点の"sensitivity"を推定する方法を開発することが重要であろう.具体的にはすでにsensitiveとinsensitiveな場所の知られているギリシャにおいてVANグル-プと協力して総合的な地球物理,地質調査を行い,それらになんらかの地学的相違を見いだすための国際共同研究も進めたい.