著者
畑 一洋 佐藤 誠 島田 武 佐藤 昌志
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
地震工学研究発表会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.24, pp.1133-1136, 1997

地震による橋りょうなど道路構造物への被害は、構造物の種類・形状などを問わず地盤条件の不連続な地域においても発生する確率が高いと考えられている。古くから沖積地盤に地震被害が多くなることが知られているが、最近の被害報告によれば沖積地盤の中でも、特に被害が集中する区域のあることが指摘されている。<BR>これらのことから、著者らは、北海道の地震における地域特性を考慮した推定地震動を分析し、道路構造物の被害発生に関する地震動特性の解析手法について提案を行い、これまでの研究においてその有効性を考察している。
著者
吉田 隆治 高橋 浩
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
地震工学研究発表会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.25, pp.441-444, 1999

著者らは海底軟弱地盤上の水中盛土工法として軽量モルタルを袋詰めにして用いる袋詰め投入工法を提案している. 本工法は変形追随性を有し, 未硬化の状態で水中投入すれば締め固めを必要としないことが水中投入実験から確認されている. しかし, 盛土材の軽量化に伴う拘束圧の低下により地震時の変形や沈下が懸念された. そこで, 本工法による水中盛土地盤の耐震安定性を確認するため, 振動台実験および簡単な解析的検討を行った。その結果, 未硬化の状態で袋詰め材を投入すれば地震時の水中盛土地盤の沈下は抑制でき, 今回の実験の範囲ではL2相当の地震動に対して安定であることが確かめられた. 本工法による水中盛土地盤の強度定数は確認できていないが, 静的震度法による検討結果から未硬化の状態で袋詰め材を投入すればかなり強度の高い地盤が構築できたことが推測される.
著者
清宮 理 古川 巖 村上 晋二
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
地震工学研究発表会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.24, pp.837-840, 1997

兵庫県南部地震を契機に空港施設の大規模地震に対する耐震性の評価手法の開発が望まれている。地盤の振動による舗装版の有限要素法による評価手法を筆者らは提案しているが、この手法の妥当性については検証が今までなされていない。釧路空港の滑走路では釧路沖地震において滑走路に何本かのひび割れが生じた。この事例を対象に地震応答計算を実施しひび割れ発生の有無について検討した。舗装版目地のばね定数は載荷試験の結果を使用している。計算によると滑走路に生じたひび割れをよく再現できることが判明し計算法の有効性が検証できた。また兵庫県南部地震クラスに対しても滑走路にはひびが入るが破壊までには至らないことが推定された。
著者
渡辺 千明 岡田 成幸
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
地震工学研究発表会講演論文集 (ISSN:18848435)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.1205-1208, 1997

兵庫県南部地震後、全国の自治体は過去の災害経験にない被災地支援を行った。こうした後方支援、従来の備蓄を主とする方法とは異なった防災計画が必要と考え、その検討のため、全国3, 238市町村に対して支援の実態調査を行った。調査結果の主な点として、1) 震災後の被災地支援は社会状況に規定され変更の余地がないもの (各種施設の提供)、改善の余地があるもの (物的支援)、改善の余地が少ないもの (人的支援) に分けられる。2) 支援実施決定には、支援先と支援主体を限定する自治体規模、被災地からの距離、支援の開始及び終了時期などの条件がはたらくことがあげられる。
著者
中島 正人 石川 裕 奥村 俊彦
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
地震工学研究発表会講演論文集 (ISSN:18848435)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.121-124, 2001

本論文では, 亀田・石川により提案されている「確率論的想定地震」の概念のうち「地震活動域の貢献度」という独自の指標を用いて作成した二種類のハザードマップを示す。加えて, マップ作成時の計算格子大きさがマップの精度に与える影響について検討した結果を示す。活断層が密に存在する地域に対して計算したケーススタディーより, 著者らが提案するハザードマップと地震動強度の再現期待値分布図を用いることで, 地震動強度の再現期待値が等しいサイトでも, 地震動周期, ハザードレベルにより支配的な地震が複雑に変化する様子およびその順位が定量的に表現把握できることが分った。
著者
浅岡 克彦 若林 拓史 亀田 弘行 岸尾 俊茂
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
地震工学研究発表会講演論文集 (ISSN:18848435)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.1285-1288, 1997

都市交通の重要な一翼を担う地下鉄は, 耐震対策の面からシステムとして大別すれば, トンネルや軌道等の構造システム, 列車運行に関する運行管理システム, 列車の動力や駅の照明等の電力システムに区分される.本稿では, 構造システムのようなハード面のみならず, ソフト面である運行管理システムを含めた地下鉄の地震防災の現状を取り上げ, 日本と並び地震多発地帯であるアメリカ西海岸の地下鉄の地震対策と比較し, その課題について述べる.具体的には, 構造システムでは, 兵庫県南部地震後の既設構造物の耐震補強の状況や耐震基準の改定等について大阪市地下鉄を例に取り上げ, これとサンフランシスコのBARTとロサンゼルスのRed Lineの事例とを比較する.また, 運行管理面についても, 地震時の対応策について日米の地下鉄のマニュアルの違い等を比較する.
著者
橋本 隆雄 宮島 昌克 冨澤 元
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
地震工学研究発表会講演論文集 (ISSN:18848435)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.565-568, 2001

2000年10月6日、鳥取県西部の山間部を震源とするマグニチュード7.3の鳥取県西部地震が発生した。この地震により斜面表層崩壊と落石による道路斜面被害が多かった。また、宅地造成盛土でも斜面崩壊や低地での液状化の発生により被害が生じた。特に震源地に近い西伯町法勝寺中学校では、高台にある軟式野球場の高さ14mの盛土法面が2.5mのテンションクラックを生じ、地上高さ4.5mの下部擁壁を崩壊する斜面崩壊を生じた。そこで筆者らは、土質調査と土質試験を行い、そこから得られる土質定数を用いて被害発生のメカニズムについて考察した。