著者
島田 武
出版者
室蘭工業大学
雑誌
室蘭工業大学紀要 (ISSN:13442708)
巻号頁・発行日
no.70, pp.115-124, 2021-03

学術論文
著者
武田 敏秀 島田 武彦 野村 啓一 尾崎 武 土師 岳 山口 正己 吉田 雅夫
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.21-27, 1998-01-15
参考文献数
16
被引用文献数
2 21

アンズの系統分類にRAPD分析法を適用した.DNA多型を効率的に検出するために, 5種類の代表的な品種を供試して, 225種類のオペロンプライマーについてスクリーニングを行い, 各系統間で複数のDNA多型を示す有効な18種類のプライマーを選抜した.次にこれらのプライマーを用いてアンズ33品種・系統と近縁の野生2種の分類を試み, 検出されたRAPDsをもとにクラスター分析と数量化理論第三類を用いてデータの解析を行った.その結果, 本実験で供試したアンズ(Prunus armeniaca)の品種・系統は中国西部からヨーロッパにかけて分布する"西方品種群"(A)と中国東部, 日本などに分布する"東方品種群"(B)の2群に大別された.しかしながら, 近縁野生種のP. sibiricaとP. brigantina, 中国の西部から北部に分布し, 諸特性が不明である'白杏', およびスモモとアンズの自然交雑種とされる'仁杏'はこれらの群に属さなかった.また, 中国の品種はA群およびB群の両方に属し, 遺伝的変異が大きいことから日本アンズ, ヨーロッパアンズの祖先種である可能性が高いと推察した.
著者
二宮 泰造 島田 武彦 遠藤 朋子 野中 圭介 大村 三男 藤井 浩
出版者
園芸学会
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.127-133, 2015 (Released:2015-09-10)

生産者や育成者権の保護に向けてカンキツの品種識別技術の確立が求められている。信頼度の高い科学的手法であるDNAマーカーによる品種識別技術の開発は,正確なカンキツの品種識別のために必須である。そこで,簡易な方法での品種識別が可能なCAPSマーカーによるカンキツの品種識別技術の確立をめざした。その結果,9種類のCAPSマーカーを33品種・系統に適用した遺伝子型を整理したCAPS遺伝子型データが得られた。このデータは,国内のカンキツの品種識別のための基盤的な情報となる。また,CAPS遺伝子型データから,最少マーカーセットを検出した結果,8種類のCAPSマーカーで33品種・系統のすべてを識別できることが判明した。さらに,遺伝子型データを利用して7種類の育成品種について,親子鑑定を行った。その結果,‘甘平’の花粉親は‘不知火’ではないことが明らかとなった。さらに解析を進めたところ,‘甘平’の花粉親はポンカンであることが強く推察された。
著者
畑 一洋 佐藤 誠 島田 武 佐藤 昌志
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
地震工学研究発表会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.24, pp.1133-1136, 1997

地震による橋りょうなど道路構造物への被害は、構造物の種類・形状などを問わず地盤条件の不連続な地域においても発生する確率が高いと考えられている。古くから沖積地盤に地震被害が多くなることが知られているが、最近の被害報告によれば沖積地盤の中でも、特に被害が集中する区域のあることが指摘されている。<BR>これらのことから、著者らは、北海道の地震における地域特性を考慮した推定地震動を分析し、道路構造物の被害発生に関する地震動特性の解析手法について提案を行い、これまでの研究においてその有効性を考察している。
著者
島田 武彦 白鳥 利治 羽山 裕子 西村 幸一 山口 正己 吉田 雅夫
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.984-986, 1999-09-15
被引用文献数
1

RAPD (Random amplified polymorphic DNA)法により, 56品種・系統のオウトウ・サクラの類縁関係を検討した.クラスター分析の結果, 供試材料は大きくオウトウ品種群, サクラ品種群に分かれ, 両者は遺伝的に類似性が低いことが確かめられた.中国オウトウ, Lithocerasus植物は日本在来のサクラと比較的類似性が低いことが確かめられた.
著者
林 勝知 上田 宣夫 森 茂 三鴨 肇 山田 敦子 島田 武
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.274, 2006

<B><緒言></B>中濃厚生病院救命救急センターは、2000年8月から約6年、岐阜県の狭義の中濃地域(関市、美濃市)で、救急診療を行っている。今回、当センターとして、岐阜県中濃地域の救急医療体制の検証を行ったので報告する。<BR><B><検証結果></B><BR> 1.当センターの現状:年間の総救急患者数は約2万人で、重症度別にみると、一次が約90%と多い。救急車搬送による救急患者は、開設後約2年間は、一次が60から70%と多かったが、その後の約4年は一次が約50%となり、それに伴い急性心筋梗塞及び脳卒中等の重症救急患者の中濃医療圏の他の病院からの紹介、転送も増えてきている。ときどき生じる問題は、(1)約1時間に、三つの消防組合からあわせて4から5例の救急車搬送の要請があることにより初療室が混雑したこと、(2)中濃消防組合から約1時間で心肺機能停止状態(CPA)2例、重症外傷1例症・中等症外傷3例のホットラインが4回あり、大混雑の中で、診療を行なったこと、(3)夜間の中濃消防組合からの救急車搬送が、他の三つの二次病院ではなく、ほとんどが当センターであったこと等である。中濃地域の救急の協議会等で病診連携や二次病院の救急診療の役割分担を要望しているものの、未だ改善されてはいない。今後とも、行政の協力も求めながら、システムの改善を目指している。また、夜間、休日に直接来院する軽症患者が多いため、救命救急センターの利用法についてという掲示を出して、軽症例については、開業医の受診を奨めている。平日夜間については、少し受診患者が減少した。しかしながら、休日の午前中は多くの小児患者が来院している。このことについても今後改善されるよう模索している。<BR> 2.メディカルコントロール:オフラインメディカルコントロールとして、(1)中濃消防組合の救命救急士に対する包括的指示下の除細動のトレーニングは、プレコース、本コースあわせて8時間行った。(2)中濃消防組合の救命救急士でない一般の救急隊員約120名には一次救急処置(BLS)、自動体外式除細動(AED)のトレーニングを1)に準じ計8時間のトレーニングを行った。(3)気管内挿管の研修を2005年2名の救命救急士、2006年3名の救急救命士に行った。いずれも消防組合からの評価は高かった。
著者
太田 智 遠藤 朋子 島田 武彦 藤井 浩 清水 徳朗 國賀 武 吉岡 照高 根角 博久 吉田 俊雄 大村 三男
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
Journal of the Japanese Society for Horticultural Science (ISSN:18823351)
巻号頁・発行日
vol.80, no.3, pp.295-307, 2011
被引用文献数
9

カンキツトリステザウイルス(CTV)は,カンキツに重大な被害を引き起こす重要病害の一つである.カンキツ属との交雑が可能であるカラタチ[<i>Poncirus trifoliata</i>(L.)Raf.]は,広範な CTV の系統に対して抵抗性を示す.これまでに,カラタチの CTV 抵抗性をカンキツ属に導入するために育種計画が実行され,中間母本が育成されたことで,経済品種の作出に道が開かれてきた.本研究では,マーカー選抜により効率的に CTV 抵抗性をカンキツ属に導入できるように,CTV 抵抗性に連鎖した 4 つの DNA 選抜マーカーおよび各連鎖群上のカラタチの対立遺伝子を識別する 46 のマーカーを開発した.CTV 抵抗性連鎖マーカー 4 つのうち,1 つは共優性マーカーである Single Nucleotide Polymorphism マーカーで,3 つは優性マーカーの Sequence Tagged Site マーカーであった.これら全てのマーカーで,2.8%の例外を除き,後代における CTV 抵抗性・感受性とマーカーの有無とが一致した.さらに,これらのマーカーは高度にカラタチ特異的であり,検定したカンキツ属 35 の全品種・系統に対して適応可能であった.カラタチ由来の対立遺伝子を排除するための判別マーカーでは,46 のうち 9 マーカーが CTV 抵抗性の座乗する第 2 連鎖群に位置した.また,他の 31 マーカーを残りの 8 連鎖群におくことができた.これらのマーカーは,カンキツ属 35 品種・系統のうち少なくとも 1 つ以上の品種・系統に対し,カラタチ由来の対立遺伝子を識別することができた.本研究で開発されたプライマーセットは,戻し交雑により CTV 抵抗性を様々なカンキツ属系統に導入するためのマーカー選抜に利用可能と考えられた.<br>
著者
島田 武彦 土師 岳 山口 正己 武田 敏秀 野村 啓一 吉田 雅夫
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.543-551, 1994
被引用文献数
14 20

95種類の10m erのオペロンプライマーを用いて, RAPD分析法により59品種•系統のウメの品種分類を行った. ウメを小梅•台湾梅品種群, 中梅品種群, 大梅品種群, 杏梅品種群に分け, 各々の品種群について分類を行った. 小梅と台湾梅のグループは遺伝的変異が小さく, アンズの形質をほとんど含んでいなかった. 台湾野生梅は中梅品種群とは遠縁で, 明らかに異なっていた. '室谷'と'藤之梅', '小向'と'古城', '鈴木白'と'太平'では相互の識別ができず, これらは異名同品種である可能性が高いと考えられる'豊後'はウメとアンズの雑種であることが証明された. '高田梅'はアンズにかなり近縁であることが確かめられた.RAPD分析法は近縁な品種問でもDNA多型を十分に検出できるので, 従来の方法では識別できなかった異名同品種や同名異品種を識別することも可能であると推察される.<BR>RAPD分析の結果, 実ウメは次の7つのグループに分類できた. 1) 台湾梅品種群, 2) 小梅品種群, 3) 中梅品種群, 4) 大梅 (白花) 品種群, 5) 大梅 (桃花) 品種群, 6) 杏梅品種群, 7) 李梅品種群. 花ウメは実ウメと遺伝的特性は近いものと考えられ, 中梅品種群, 大梅品種群, 杏梅品種群のいずれかに属するものと推察される.