著者
國見 裕美
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.103, pp.83-91, 2016

<p>「学生が情報活用能力を身に着けるプロセスを支援すること」に着目した学習支援として,生命科学系の専門図書館である徳島大学附属図書館蔵本分館では「医生物分野において統計学に基づくビッグデータ解析やデータマイニングを駆使して,実践的な課題発見・問題解決能力を持つ人材育成を支援すること」「根拠に基づく医療を実践する重要性を学び,より質の高い医療情報を取り扱える人材育成を支援すること」を目的とした2つのプログラムを企画・主催した。情報リテラシーの面からみた学習支援の取り組みとして報告する。</p>
著者
杉田 茂樹
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.103, pp.1-8, 2016

<p>インターネット利用の普及により,大学図書館の役割は,外界で流通する図書や雑誌を大学の中へと取り込んでその読者である教職員,学生に供することから,教育・研究活動の中で生み出される大学の生産物を収集,保存し,外界へと発信していくことへと変わってきている。このことをはじめとして,学術出版の紙から電子への移行が大学図書館活動に与えつつある影響について,収書,学術雑誌,ILL文献複写を取り上げて概説する。</p>
著者
首東 誠
出版者
学術文献普及会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.103, pp.24-33, 2016

<p>学位規則の改正(平成25年3月11日公布,同年4月1日施行)により博士論文がインターネットの利用により公表されるようになってから丸2年が経過し,規則上,施行初年度の博士論文(全文もしくは要約)は全てインターネット(原則,機関リポジトリ)上に出揃うこととなった。オープンアクセスにかかる新たな動きが見られる今,国としての初のオープンアクセス義務化政策である博論OAにかかる学位規則の改正について,当時,文部科学省の大学図書館係長として関わった立場から改めて振り返ってみた。</p>
著者
森石 みどり
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.103, pp.50-61, 2016

<p>大学図書館では,十分ではない資料保存スペースを学修スペースに変換することが求められ,自動書庫や遠隔地保存書庫,シェアードプリントの導入が提案されている。北米で取り組みが進んでいるシェアードプリントの中から,雑誌バックナンバーを共同保存するWEST(Western Regional Storage Trust)について調査する機会を得た。あわせてWEST参加館の中から,自動書庫・保存書庫を持つ機関を訪問したので報告する。日本でのシェアードプリント導入に関しても考察する。</p>
著者
上野 友稔
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.103, pp.34-41, 2016

<p>大学および大学図書館で必要不可欠なツールとなった電子ジャーナル等の電子リソースには,大学図書館による電子リソース情報の管理と利用者へのアクセス支援という課題があり,英国では電子リソースのナレッジベース共同構築によりこの課題に取り組んでいる。本稿では,平成26年に行った英国視察の結果から,英国で進められているナレッジベース共同構築プロジェクト「Knowledge Base +(KB +)」についての最新動向およびその課題と,KB +参加館の電子リソース管理業務の実態と図書館サービスへの利活用の調査報告を行うとともに,日本におけるナレッジベース共同構築の展望を述べる。</p>
著者
石井 百葉 小山 美佳 小高 栄美 佐藤 千春 鈴木 剛紀 高橋 雅一 武内 八重子 立石 亜紀子 永峰 由梨 堀池 尚明 大学図書館職員研修ワーキング・グループ
出版者
国立大学図書館協議会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.86, pp.11-18, 2009-08

大学図書館職員研修「ad!ライブラリー~大学図書館効果的広報戦略~」は、平成20年度の国立大学図書館協会東京地区協会・関東甲信越地区協会の助成事業として開催された。異なる機関に所属する採用6~9年の職員をメンバーとするワーキング・グループが、この研修会を企画・運営した経緯を報告する。
著者
大澤 類里佐 中山 知士
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.93, pp.36-41, 2011-12

国立情報学研究所CSI 委託事業「オープンアクセスとセルフ・アーカイビングに関する著作権マネジメント・プロジェクト」(SCPJ)について,その発足からの経緯を振り返り,データベース作成を中心に現在の活動について述べた上で,課題と今後の展望について報告する。
著者
久保田 壮活
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.101, pp.1-5, 2014

<p>小樽商科大学附属図書館では,平成24年度より図書館職員による学習支援サービスの新しい取り組みである,「クラスライブラリアン」制度を開始した。職員1名1名が学生各学年生に対し入学から卒業までを一貫して担当することにより,学生と職員の「顔の見える」関係を目指した図書館と学生のパートナーシップの強化策の試みである。 小規模大学における大学図書館サービスの今後のありかたを考えるうえでの一つの事例として,いまだ発展途上である本活動について紹介する。</p>
著者
城 恭子 土出 郁子
出版者
「大学図書館研究」編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.97, pp.56-64, 2013

2012年5月,スウェーデンのウプサラ大学でオープンアクセスリポジトリ連合(COAR)の第3回年次集会および総会が開催された。COARは2009年10月に発足した,リポジトリとオープンアクセスの推進につとめる国際的な非営利組織である。本集会は2日間にわたり,「リポジトリをコンテンツで満たす」「リポジトリのネットワークとサービス」をテーマにした事例報告セッション,ワーキンググループ会議,参加組織限定の総会などのプログラムにより,各国,各地域の現状報告と,オープンアクセスやリポジトリの諸課題についての議論が行われた。本稿ではCOARの活動を含め,本年次集会の概要を報告する。
著者
金丸 明彦 下田 研一 長澤 多代
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.69, pp.1-14, 2003-12

長崎大学では、大学教育機能開発センターが主催する第8回ファカルティ・ディベロップメント(FD)の中で、附属図書館が「情報検索の方法」ワークショップを担当した。本稿では、最初に第8回FD全体の実施の経緯をたどり、次に「情報検索の方法」に焦点をあてて、その目的と内容を紹介し、実施を通して得られた成果と課題について報告した。その結果、成果として、教員への教育活動支援が学生の情報利用の促進につながったこと、課題として、教員への広報活動や職員の資質向上など教育活動支援の体制を図書館内に整備することがあるとわかった。
著者
増田 元 高橋 努 米澤 誠 村田 輝
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.38-53, 1999-03

大学図書館の過去のデータをNACSIS総合目録データベースへ遡及入力する際の方式を比較し、オンライン自動登録方式の特徴、問題点およびその有効性について考察した。遡及入力ツールとしての自動登録システムの有効性を検証するため、国立大学図書館協議会次期電算化システム専門委員会が開発した新目録所在情報システム対応目録自動登録クライアント(CATP-Auto)を用いて、カード目録データおよび機械可読データによる遡及入力実験を行い、その結果を分析した。最後に各大学図書館が効率的に遡及入力を進めるための指針を示した。
著者
安東 奈穂子 池田 大輔
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.81, pp.26-41, 2007-12

個人情報漏洩事件が相次ぐなか,図書館にも,図書館利用者の個人情報やプライバシーに対するいっそうの配慮が求められている。そこで,現在多くの図書館において行われているような,個人情報の取得を半ば当然としたうえで取得後のセキュリティを重視する個人情報管理が,果たして十分な情報保護を実現しているのか検証し,それに対して,画期的な新個人認証システムPersonal IDシステムの下では個人情報管理にどのような変化がもたらされるのかを比較検討する。さらに,当該システムを活用した,図書館利用者の情報主権者としての立場をより尊重した情報取得のあり方や,それに基づく,図書館利用者自らが主導権を握る利用者指向のサービスについて考察する。As incidents of identity theft become more frequent, libraries are becoming more concerned with ways to protect the personal information and privacy of their users. They must begin by asking themselves whether the library's current system of personal information management is really performing adequately, and then consider how it would compare to the way they could manage personal information using the innovative personal authentification system Personal ID. Furthermore, the authors posit that by implementing this new system, more respect is given to the library users who are in the position of controlling information, and this in turn provides a framework for developing user-centered services in which library users are able to take the initiative themselves.
著者
甲斐 重武 宮岡 大輔 兵藤 健志 宮地 健士
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.75, pp.13-18, 2005-12

九州大学附属図書館は,大学統合と国立大学法人化という大きな変革期のなかで図書館ポータル 「My Library」を開発し運用してきた。これはサービスの一元的窓口として従来の蔵書検索やサービス依頼 を統合する形のものであるが,システム的には必ずしも完成されたものではなく,マニュアル業務を活用し て柔軟に対応してきた。2005年未には大学の新キャンパスへの移転が開始され,新しい図書館が開館するこ とに加え,図書館システムの機種更新も予定されている。これを機に図書館ポータルとしての総合的な完成 度を高めようとしている。Kyushu University Library began to operate its library portal "My Library" during a dramatic period of change caused by university mergers and the creation of national university corporations. The portal function was intended to provide a single service point for the library catalog,Search engines, and library services, but the software wasn't yet completely developed so a certain amount of manual work had to be done to make it work. At the end of 2005,when the university moves to its new campus, there are plans for improved library systems to support the new library, including a more complete system of centralized services through the library portal.
著者
杉 岳志
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.96, pp.16-22, 2012-12

図書館職員・専門助手・教員の役割に着目して,一橋大学における図書館と教員及び図書館職員と専門助手の協働を紹介する。一橋大学では2007年度に専門助手制度が導入され,以来,専門助手は図書館職員と教員の中間的な存在として独自の役割を果たしてきた。情報リテラシー教育の分野では,専門助手は時には図書館職員,時には教員と同じ役割を担い,時にはいずれとも異なる役割を受け持った。学芸員資格科目では,専門助手は実習の講師を務めた。展示における図書館職員と専門助手の役割は年によって異なるが,2010年度の企画展示では図書館職員と専門助手がともに企画立案を行った。This paper provides the library specialistDs role in serving as the linchpin for library faculty collaboration. In 2007 Hitotsubashi University introduced a library specialist system, and since then the library specialist has fulfilled its unique role as a hybrid between faculty member and library staff. In the case of information literacy education, the library specialist would sometimes play the same role as the library staff, sometimes the same role as the faculty member, and sometimes entirely different roles on behalf of both. In the case of the curator certification course, the library specialist served as the instructor. The role of the library specialist in arranging for exhibitions has differed each year, but the library staff and library specialist worked together to plan the special exhibition of the year 2010.