著者
小林 廉直 森 いづみ
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.90, pp.1-9, 2010-12

<p>国立情報学研究所(NII)は,学術機関リポジトリ構築連携支援事業を実施し,国内の機関リポジトリの構築やコンテンツ拡充,相互連携を支援している。第2期(平成20〜21年)委託事業では,地域共同リポジトリの構築が進んだことにより機関リポジトリ数が増加するなどの実績を挙げ,その結果,政府の学術政策に関する計画にも機関リポジトリが取り上げられた。今年度から始まる第3期(平成22〜24年)でもさらなる成果が期待される。本稿では,その他NIIで実施しているCSI報告交流会や研修事業についても紹介する。</p>
著者
三根 慎二
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.80, pp.54-64, 2007-08-31 (Released:2017-11-09)

オープンアクセスを実現する戦略の一つとして位置づけられているオープンアクセスジャーナルの現状を調査した。その結果,査読制を持つオープンアクセスジャーナルとは,一般的に,1)大学・研究機関や学協会によって,2)2000年以降,3)英米に加えてアジアや南米諸国で刊行された,4)主に自然科学分野の学術雑誌であるということがわかった。
著者
常世田 良
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.108, pp.1711, 2018-03-31 (Released:2018-03-28)

「図書館の障害者サービスにおける著作権法第37条第3項に基づく著作物の複製等に関するガイドライン」の成立過程,ガイドライン策定の意義,および同ガイドラインの各項目における,法令との関連,著作権者による許諾の範囲,許諾により作成可能となる複製物の種類,対象となる障害の種類と認定手続きなどについて概観する。
著者
尾崎 文代 上田 大輔
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.79, pp.35-42, 2007-03

<p>広島大学では,2006年4月に機関リポジトリである広島大学学術情報リポジトリ(HiR)を立ち上げ,2006年12月6日現在で1,945件の教育研究コンテンツを公開している。本稿では,私たちが行った研究者への個別訪問による初期コンテンツの収集について,また,学内刊行物の収集やデータベースを用いた最新論文の提供依頼,機関リポジトリ活用のための工夫などによって継続的にコンテンツを収集し,機関リポジトリを育て続けていくための戦略について述べる。</p>
著者
大澤 類里佐 中山 知士
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.93, pp.36-41, 2011-12-31 (Released:2017-11-01)

国立情報学研究所CSI委託事業「オープンアクセスとセルフ・アーカイビングに関する著作権マネジメント・プロジェクト」(SCPJ)について,その発足からの経緯を振り返り,データベース作成を中心に現在の活動について述べた上で,課題と今後の展望について報告する。
著者
小倉 久男
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.28-37, 1999-03-31 (Released:2018-01-19)

ここ数年間に国立大学における情報通信ネットワークの環境は充実し,各大学では電子図書館の構築に積極的に取り組んでいる。では,どのような電子図書館の構築が考えられるであろうか。エルゼビアという一学術出版社の立場から,ScienceDirectという同社が出版している約1000誌をカバーする電子ジャーナルを例にあげて,ローカルとリモートでのアクセス,コンソーシアムや著作権等を含め,その現況と今後の課題を大学側と出版社側の両方に焦点をあてて述べる。
著者
國見 裕美
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.103, pp.83-91, 2016-03-04 (Released:2017-09-29)

「学生が情報活用能力を身に着けるプロセスを支援すること」に着目した学習支援として,生命科学系の専門図書館である徳島大学附属図書館蔵本分館では「医生物分野において統計学に基づくビッグデータ解析やデータマイニングを駆使して,実践的な課題発見・問題解決能力を持つ人材育成を支援すること」「根拠に基づく医療を実践する重要性を学び,より質の高い医療情報を取り扱える人材育成を支援すること」を目的とした2つのプログラムを企画・主催した。情報リテラシーの面からみた学習支援の取り組みとして報告する。
著者
中元 誠
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.100, pp.20-28, 2014

<p>大学図書館における職員数の動向と業務委託の実態を俯瞰したうえで,これからの大学図書館サービスの在り方とこれを基盤的に支える組織や職員業務,業務委託の在り方について考察する。</p>
著者
兵藤 健志 渡邊 由紀子
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.105, pp.50-60, 2017-03-15 (Released:2017-09-22)

大学図書館による情報リテラシー教育を,アクティブ・ラーニングを促進する学習・教育支援活動と広義に捉え,情報リテラシー教育を展開するための図書館職員の役割について,九州大学の事例をもとに実証的に考察する。九州大学附属図書館は,学内プログラムの枠組みを利用して,学習・教育支援体制の整備を進めており,学生や教員との協働による多様な情報リテラシー教育の取り組みの中で,図書館職員はハブとしての役割を果たしている。その役割を担うためには,学習・教育支援に関する専門性を向上させる人材育成が重要となる。
著者
梅澤 貴典
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.105, pp.20-29, 2017-03-15 (Released:2017-09-22)

学術情報のオープンアクセス化が進行する中,大学図書館でリテラシー教育をおこなう担当者に求められるスキルについて,(1)取り扱う資料とデータベースの知識,(2)支援対象別のニーズ把握力,(3)教育カリキュラム・卒業後のキャリアと連動した内容構成力,(4)学習者・研究者視点のストーリーテリング力,(5)アウトプットのための情報活用提案力の5 つの観点から論じ,さらに,これからの大学図書館が教育と研究の支援において主導的な役割を果たすためにどのような取り組みが必要となるかについて,(1)大学経営・評価(2)人材育成の2 つの観点から考察する。
著者
諏訪 敏幸 スワ トシユキ Swa Toshiyuki
出版者
学術文献普及会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.78, pp.65-75, 2006-12-31

本稿では情報リテラシー教育のあり方,特に教室での一斉教育とレファレンス場面での日常的な個別対応における教育との関連および結合について考える。そのため大阪大学生命科学図書館における8年余の看護系学生・院生・教職員に対する両形態の教育活動を報告・分析し,考察する。その結果両者は補い合い,相互にその基盤を提供し,強化し合う関係にあることを確認し,さらに,教育活動が図書館の専門性に立脚した生命力あるものとなるために個別対応の充実が不可欠であることを主張する。
著者
中山 知士
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.101, pp.44-52, 2014

<p>日本では学位規則の一部を改正する文部科学省令が平成25年4月1日から施行された。同年9月に香港で開催された電子学位論文についての国際会議に参加し,我が国の学位規則の改正の背景,骨子,電子学位論文の公開にかかる大学図書館コミュニティの取り組み,今後の可能性について口頭発表を行った。国際会議,発表の内容,会議のセッションに参加して得られた他国,他機関の電子学位論文の状況や取り組みについて報告する。</p>
著者
藤江 雄太郎 小島 由香 長屋 俊 フジエ ユウタロウ コジマ ユカ ナガヤ シュン Fujie Yutaro Kojima Yuka Nagaya Shun
出版者
学術文献普及会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.102, pp.34-43, 2015-08

今日世界中で数多くのデジタル化資料が無料公開されている。本稿では,これらの資料の発見性を高める方策を検討するため,NACSIS-ILL のログに注目し,分析を行った。ILL ログのうち,無料で公開されているデジタル化資料が利用できるという理由で謝絶に至ったログを抽出,案内されている資料を調査した。その結果,無料デジタル化資料はWeb 上の広い範囲に散在し,特に国内では60%程度がNDLSearch・CiNii Articles・J-GLOBAL・J-STAGE の各サイトに加えて検索エンジンで検索すれば発見可能な資料であることがわかった。また,これらのサイトはメタデータ連携が部分的で,収録状況の詳細が明示されていないことがわかり,発見性低下の一つの要因になっていることが示唆された。 / There is now a multitude of digitizedmaterials that have beenmade available for free around the world. In order to consider measures to improve the discoverability of these free resources, the authors have analyzed the transaction logs from NACSIS-ILL logs. The authors surveyed the interlibrary loan transactions where the request was cancelled because an item was freely available to see what types of materials were requested. As a result, the authors found that the digitized materials are widely-scattered on the web and of particular significance approximately 60% of the domestic digitized materials are discoverable using the search engines and following services: NDL Search, CiNii Articles, J-GLOBAL, and JSTAGE. While there is a partial linkage between the metadata existing in each of these sites, it is not possible to see detailed information about the contents and that fact contributes to the decreased discoverability.